<傾向と対策>関西医科大学(医学部医学科)概ねオーソドックスだが、物理と生物がイカれてるのでそこだけ注意。

総評

  • 英語、化学はオーソドックスな試験。
  • 数学は私立によくありそうな問題。
  • 物理、生物はかなり癖の強い難問になっている
努力が真っ当に報われる英語や化学でしっかり点を稼ぎ、数学及び物理・生物では、取れる問題だけきちんと拾うというスタンスで臨むのが一番スマートなやり方と思われます。

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入試の基本情報と面接

  • 数学100点、理科200点、英語100点
  • 一次試験と同時に小論文実施されるが小論文の成績は二次試験で利用される。
  • 二次試験:面接(個人面接/10分程度)
  • 再受験などの場合、面接が2回実施されることもあるが、直ちに不合格にはならない。
  • R3は定員55名、一次合格312名、合格者273名(補欠合格含む)
  • 学納金 2,770万(6年間)+a成績上位者は2,420万+α
  • 奨学金枠が充実している。
国語 数学 理科 英語 面接 合計
100 200 100 400

最も定員が多い一般入試前期について説明します。

一次試験と同時に小論文試験も実施されますが、小論文の成績は二次試験の際に利用されます。一次試験に合格すると二次試験で、面接が実施されます。

面接については個人面接で、凡そ10分程度の面接で概ね普通の内容が聞かれるようです。再受験などの場合は面接が2回実施されるようですが、直ちに不合格になることはありません。

令和3年度の入試では、一般前期の定員55名に対し、一次合格312名、正規合格者と補欠合格者を併せて273名となり、また補欠合格者の多くは実際の合格通知があるようです。

ちなみに、学納金は6年間の合計で2770万円+諸経費、成績上位特待生では2420万円+諸経費となり、ちょっぴり安めの学費で進学できる大学と言えます。

奨学金枠も充実しており、それを活用すればかなり安めの学費で進学できます。

数学の分析

<目標得点ライン>
満点100/H85/M70/L60/L-55/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間90分、大問4問構成難易度はやや易~やや難
  • 基本的な問題多く時間は余裕あるか。
  • 頻出分野は不明確。小問集合はⅠAIIB多い。
  • 対策:網羅系問題集でのインプット学習最重要。難問得点したいなら『やさしい理系数学』レベルのアウトプット+過去問。 関西医大だけでなく、大阪医大等のやや難私大、国公立単科医大も。
大問分野難易度評価
1小問集合A***
2図形と方程式、極限B***
3確率B**
4複素数C**

<試験問題の概要>
制限時間は90分の試験で、大問4問構成ですが、大問1は小問集合となっている年度が大半です。全体的な難易度はやや易~やや難といったレベルで様々なレベルの問題が並んでいます。空所補充の形式と記述式の形式が混在しており、年度によって大きく差があります。

令和2年度では大問1の小問集合は教科書章末問題レベルで難易度評価A、大問2の図形と方程式、大問3の確率の問題は標準的な難易度で難易度評価B、大問4の複素数は(1)だけは典型的な問題であるものの(2)はやや難しく難易度評価Cとしています。全体的に、短時間で解ける基本問題で半分くらいの点数が取れてしまいますが、計算力や論証力を要求する重厚な問題も散見されます。制限時間は90分ですが、基本的な問題も多いためそれなりに時間に余裕は出てきます。簡単な問題を確実に拾った後で、難しい問題にじっくり取り組みましょう。

<頻出分野>
大問1の小問集合では数1A2Bの出題が多い傾向はみられます。

<関西医科大数学の対策・インプット編>
易しい問題や標準問題だけで半分以上の点数は確保できるため、網羅系問題集を用いたインプット学習が最重要課題でしょう。

<関西医科大数学の対策・アウトプット編>
難問まで得点したい場合はやさしい理系数学レベルのアウトプット演習が必要ですが、問題集に出てくる良問ばかり出題されるわけではないので、関西医大の過去問は勿論、大阪医大などのやや難しめの私立医大、国公立の単科医大の過去問も通じて、泥臭い問題の経験値も積んでおく方が、より万全の対策と言えます。

英語の分析 

<目標得点ライン>
満点100/H90/M80/L70/L-65/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間80分、大問3問
  • 《難易度評価》
    1 読解/約600語/B
    2 読解/約500語/B
    3 読解/約1000語/B
  • 時間は少し余る程度の受験生が多いか。
  • 対策:オーソドックスな問題のため、特別な対策は不要。併願校対策がそのまま生きてくる。
    ※H31以前は文法問題の出題もあったが、R3も長文3題の出題だったため、今後も同様の出題パターンと予想。
大問種別難易度評価
1読解B
2読解B
3読解B

<試験問題の概要>
80分の試験で、大問は3問です。大問1から大問3、全てが長文問題となっており、いずれも語彙レベルは標準、内容レベルも標準としています。

設問タイプは大問1と2では内容一致問題、同義語問題、空所補充、整序問題など選択式の問題が目立ち、大問3では和訳や英文での内容説明問題など記述式の問題も目立ちますが、いずれも設問に癖があるわけでなく、英語が得意ならさくさく解けていくでしょう。

<制限時間に関して>
時間に関しては少し余るくらいの受験生が多いように思います。

関西医科大英語の対策
非常にオーソドックスな問題ですので、特別な対策は不要です。併願校の対策に集中してください。一応、平成31年度以前は文法問題などの出題があったことを補足しておきます。しかしながら、最新の令和3年度入試では今回分析した令和2年度と同様、長文3問という構成で、今後もこのパターンが固定されるでしょう。

化学の分析 

<目標得点ライン>
満点100/H85/M70/L60/L-55/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン )

  • 試験時間120分(2科目)。大問4問。無機&高分子、安定出題
  • 全体的な難易度はやや易~標準。
  • 時間はちょうどよいか少し余る程度。
  • 対策:『重要問題集』はA問題レベルでも構わないが、B問題レベルも解いておくと難化した問題にも対応可能になる。
大問分野分量ABC
1理論標準20%40%40%
2有機やや多15%65%20%
3無機少ない 75%25%
4有機標準30%70%

<出題分野の偏り>
大問4問構成で、令和2年度では理論1問、無機1問、有機2問のセットでしたが、例年は有機2問ではなく、有機1問、高分子1問のセットとなっています。無機も高分子も安定して出題されているので、きちんと対策をすることで得点が安定するでしょう。

<試験問題の概要>
令和2年度では、1番の理論の問題は、問題演習の経験値で差がついた問題で、解いた経験があるならほぼ完答、なければ苦戦といった類のものでした。

大問2は有機の問題で、実験を題材にした問題でしたが、最後の設問以外はそれほど難しい問題ではありませんでした。

大問3の無機の問題は、易しいものの数値計算が面倒な問題で、無機の理解というよりは計算の正確さで点差のついた問題だったように思います。

大問4は有機の問題で、基本的な問題ばかりでぜひとも完答したい問題です。全体的な難易度はやや易~標準レベルです。時間に関してはちょうどよいくらいか少し余る程度です。

<時間配分に関して>
理科2科目で120分なので、化学には60分割けることになります。

<大阪医科大化学の対策>
重要問題集はA問題レベルでも構いませんが、余裕があればB問題レベルも解いておくと難化した問題にも対応できます。

物理の対策 

<目標得点ライン>
満点100/H75/M60/L50/L-45/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン )

  • 試験時間120分(2科目)
  • 大問4問。原子含む全範囲から出題。
  • 時間かなり厳しい。やや難かつ計算量多い。
  • 対策:『重要問題集』のB問題、『名門の森』の★★レベルまでは取り組んでおきたい。波動、原子が頻出のため重点対策を。
大問種別分量ABCD
1力学標準20%20%40%20%
2力学やや多 50%25%25%
3波動やや多20%50%30% 
4原子やや多50%30%20%

<試験問題の概要>
大問4問構成で、原子も含め物理の全範囲から出題されているようです。

令和2年度では、大問1の力学の問題は、物理の実力差が顕著に出たと思われる良問で、殆どの受験生は前半の正答のみにとどまったと思いますが、物理の実力があれば後半部分にも手を出せたかと思われます。

大問2の電磁気については、前半部分は拾えますが、後半部分は方針を立てるのすら難しく、飛ばしても大丈夫なレベルの問題が並んでいます。

大問3の波動の問題は誘導に乗れるかどうかがポイントで、初めがとっつきにくいのでそこをクリアすればそこそこ食らいつけた問題でした。

最後の大問4は原子の問題で、原子の勉強をしていればきちんと取れる問題で、標準的な難易度でした。

<時間配分に関して>
理科2科目で120分なので、物理には60分の時間は割けます。やや難の問題が続き、計算量も多い中、60分しか制限時間が無いので、かなり厳しくなっています。

化学は軽めなので、化学を早めに仕上げ、物理に時間を割くことが出来ると点を伸ばせるでしょう。

<関西医科大物理の対策>
重要問題集B問題や、名問の森の★★レベルまでは取り組みたいところです。また波動や原子の問題が頻出なので、この2分野は特に重点的に演習してください。関西医大に限れば、コストパフォーマンスは良好です。

生物の対策

<目標得点ライン>
満点100/H75/M60/L50/L-45/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン ) 

  • 試験時間120分(2科目)、大問4問代謝、分子生物が頻出。
  • 時間足りない受験生多かったか。
  • 対策:『基礎問題精講』等の標準的な問題集に加え、網羅性の高い問題集にも取り組みたい。マニアック出題に備え、『生物用語の完全制覇』も有効。考察対策、遺伝対策も行いたいが、他科目とのバランス、残り時間次第。
大問分野分量ABCD
1小問集合標準20%60% 20%
2代謝などやや多 50%15%35%
3代謝・分子生物多い15%40%45% 
4生態標準10%80%10%


<試験問題の概要>
大問1は小問集合の問題で、色々な分野の知識問題が出題されています。かなり細かくマニアックなことを聞く質問も見られ、思った以上に点数が伸びません。

大問2は代謝の問題ですが光合成がメインの問題です。知識問題も細かいことを聞く傾向にあり考察問題もマニアックな知識を前提とした問題が見られ、なかなかに癖の強い問題です。

大問3も代謝の問題ですが、後半は分子生物の問題となっています。決して易しい問題ではありませんが、大問2に比べるとまだほどほどの難易度で、点差のついた問題かと思われます。とはいえ中には、失敗した実験に関して無理矢理考察させるなどと言った、色々突っ込みたくなる変な問題も見られます。

大問4は生態の問題で、生態の問題をサラっと済ませがちな医学部受験生は結構苦戦したような問題ですが、生態も含めて色々な問題を解いてきた受験生であれば結構拾える問題です。

<出題分野の偏り>
大問は4問構成です。関西医大生物は分野の偏りが大いにあります。代謝と分子生物が頻出で、特に代謝については難易度が高い問題もしばしばあります。しかしながら、生態や植物生理、進化などの分野も出題されており、これらの問題の対策をカットできるわけではありません。

<関西医科大生物の対策>
基礎問題精講などの標準的な問題集に加え、生物重要問題集や大森徹の最強問題集など、網羅性の高い問題集にもぜひとも取り組みたいところです。

知識問題がマニアックなところまで聞かれることから、同じくマニアックな知識問題集である「生物用語の完全制覇」などもこなしておきたいところです。

代謝や分子生物などの頻出分野については標準問題精講などの考察系問題集にも取り組みたいですし、遺伝対策もやりたいところなんですが、生物だけにそこまで時間をかけるわけにもいかず、残り時間と相談してやるべき対策を考えてみてください。

関西医科大学のその他の入試制度

  • 《一般選抜後期》
  • 定員10名。配点は一般選抜前期と同じ
  • 問題の難易度、合格難易度も一般選抜前期と似た感じ。
    《共通テスト・一般入試併用試験》
  • 定員10名。繰り上げ合格制度もアリ。
  • 一般入試前期、等との併願可能。
  • 《共通テスト利用入試》
  • 定員 前期10名、後期10名
  • 学力試験は共通テストのみ。面接アリ。
  • 配点が前期と後期で異なる。
  • R3 一次合格ラインは前期:87%、後期87%
    《学校推薦型入試》
    ①特別枠:10名⇒大学が卒後キャリアを縛る
    ②地域枠:15名⇒都道府県が卒後キャリアを縛る
    ③一般枠:15名

    ④特色選抜試験:7名
  • 一次試験:小論文+適正能力試験適正能力試験:数学、英語、国語、生物から出題される。
  • 二次試験:面接、を経て合格者決定へ。

<一般入試後期>
定員10名で、共通テスト利用入試の後期枠と定員を共有しているため実際はもう少し少ない人数が入学します。国公立の前期入試の直後に実施され、配点は前期と同様です。問題の難易度、合格難易度もだいたい似たような感じです。

<共通テスト・一般入試併用試験>
定員10名で、繰り上げ合格もありきっちり定員をとっているようです。一般入試前期などとの併願も勿論可能です。

配点は共通テストだけ理科重視ですが、概ね国公立の配点とよく似ており、共通テストで国語100、社会で100、数学で100,理科2科目で200,英語で100,一般前期試験をその後受験し、その配点は数学200、英語200、理科200となります。もちろんこの後小論文や面接もあります。

<共通テスト利用入試>
次に共通テスト利用入試です。前期枠と後期枠があり、前期枠は10名、後期枠も10名ありますが、定員通りしっかりとるわけではなさそうです。

学力試験は共通テストのみで、面接はありますが小論文はありません。前期枠と後期枠で微妙に配点が異なり、前期枠では国語100,社会で100,数学200,理科2科目で200,英語で200、後期枠では数学200、理科200、英語200となっています。

令和3年度では、前期枠の一次合格は87%、後期枠の一次合格も87%となっています。9割弱はないと中々この枠で入学するのは難しそうです。

<学校推薦型入試の概観>
次に、学校推薦型入試です。推薦入試もかなりたくさん種類があるので整理して説明します。

推薦入試は、大学が卒後キャリアを縛る特別枠10名と、都道府県が卒後キャリアを縛る地域枠15名と、通常の推薦入試である一般枠で15名、特殊な経歴を前提とする特色選抜試験で7名の定員があります。いずれの枠でも共通の選抜試験として、小論文と適性能力試験というものが存在します。

適性能力試験は数学・英語・国語に加え生物の出題があるようで、生物選択有利な構成になっているようです。この1次試験を突破すると面接で、その結果で最終的な合格者が決定されます。それでは、各選抜区分での出願の為の条件を説明します。

<学校推薦型入試:特別枠>
特別枠では、一浪までOK、評定縛りは4.0以上、卒後キャリアは関西医大が指定する病院、診療科で10年の縛りとなりますが、診療科は産婦人科・小児科・救急に加え、外科や内科も含まれますから、比較的幅広いキャリア選択は可能な枠です。奨学金は年間100万円の貸与となります。

<学校推薦型入試:地域枠>
地域枠は2浪までOKで、評定縛りも3.5とかなり緩めになっています。大阪府で5名、静岡県で8名、新潟県で2名の枠があります。

大阪府のみが地元縛りがあり、産婦人科・小児科・救急などの診療科縛りもあります。静岡と新潟の枠では地元縛りもなく診療科縛りもありませんが、勿論のことながら、卒後、県の指定する病院で9年の縛りはあります。大阪府からは年間120万円の貸与、静岡県からは年間240万円の貸与、新潟県からは年間360万円の貸与があります。

詳細は大学HPならびに都道府県のHPをご覧ください。

<学校推薦型入試:一般枠>
この枠は1浪までOK、評定縛りは3.5以上と緩めの枠となっています。

<学校推薦型入試:特色選抜>
最後に特色選抜ですが、一浪までOKで評定縛りはなく、英語型、国際型、科学型の3種類があります。英語型は英検準1級以上、いわゆるCFER(セファール)B2が出願要件で、国際型は国際バカロレア資格関連のもので、科学型は国際科学オリンピック出場経験者が該当します。たぶん、英語型での出願が多そうな気はしますが、しっかり定員分の7名の入学者がいるので、該当する方はチャレンジしてみてください。

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