<傾向と対策>大阪医科薬科大学(医学部医学科)記述問題多く、国公立らしい問題。私立専願というよりは、国公立との併願のほうが自然かも。

総評

  • 記述問題が多く国公立らしい問題
  • 国公立の併願先として受験しやすい
記述問題が多く国公立らしい問題で、国公立の併願先として受験しやすい大学と言えるでしょう。

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入試の基本情報と面接

  • 《配点》数学100点、理科200点、英語100点
  • 一次試験で小論文実施されるが、一次の合否は小論文以外の科目で決定
  • 二次試験の面接は10分程度で一般的内容
  • 国公立併願校のほか、一次試験の小論文の内容について聞かれることも
  • R2は一次合格204名、うち164名が二次試験を受験し、164名全員が合格
  • 学納金 3,141万(6年間)+α

 

国語 数学 理科 英語 面接 合計
100 200 100 400

様々な配点や入試制度がありますが、最も定員が多いのは一般入試前期なので、この一般入試前期に関して説明します。

1次試験で小論文も行いますが、1次試験の合否判定は小論文以外の学科試験の点数で決まります。

<面接に関して>
一次試験に合格すると二次試験で、面接があります。面接については10分程度の面接で概ね一般的なことが聞かれるようですが、一部、国公立の併願校についても聞かれるようです。

合格者数をどれだけ出すかの目安にするための質問と考えられ、たぶん正直に答えてしまっても大丈夫です。他には一次試験の小論文の内容を再び聞かれるので、どのような内容だったかおさらいしておきましょう。

<一次に合格すれば最終合格も濃厚>
令和2年度の入試では、一般入試前期の一次合格は204名出ており、そのうちの164名が二次試験を受けましたが、全員が合格ということになっています。

一次合格が貰えればほぼ合格出来ると言って差し支えないでしょう。ちなみに、学納金は6年間の合計で3141万円になります。また、これに加えて学友会費など種々の費用が追加されます。

数学の分析

<目標得点ライン>
満点100/H90/M70/L60/L-55/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン)

  • 大問5問、試験時間100分。難易度は標準~やや難
  • 頻出は確率と数Ⅲ微積。整数対策も有効
  • 対策:網羅系問題集での解法インプット必須アウトプットは「理系数学入試の核心 標準編」「標準問題精講」、「やさしい理系数学」など
大問分野難易度評価
1数列と極限A*
2三角関数B*
3確率B**
4整数C**
5数3微積C***

<試験問題の概要>
大問5問構成で、制限時間は100分の試験です。

全体的な難易度は標準~やや難です。

令和2年度では大問1の数列と極限で難易度評価A、大問2は三角関数で難易度評価B、大問3は確率で難易度評価B、大問4は整数で難易度評価C、大問5は数3微積で難易度評価Cとなっています。殆どが計算の分量も控えめな標準問題になっていますが、後半の問題を中心に、解法の発想力や式変形の工夫を要する問題が散見されます。

高得点を狙っていくなら、計算力以上に、思考力や発想力が重要になってきます。いずれもやや非典型的な設問が含まれており時間のかかる設問になっています。

煩雑な計算は少なく、難易度の割には意外と時間の余裕は出てきます。大問5問もあり面食らうかもしれませんが、大問1や2は実際のところ5分程度で片付くレベルです。

<頻出分野>
確率と数3微積が頻出ですが、高得点を狙っていきたい受験生は整数なども対策すると良いでしょう。

<大阪医科大数学の対策>
標準問題をきちんと得点するために、青チャート、フォーカスゴールド、一対一対応の演習などの網羅系問題集できちんと解法のインプットを行うことは必須でしょう。

ただ実際に出題されている問題は、標準問題に若干のパズル要素が混じった問題が多いので、なるべくアウトプット演習も行いたいところです。やさしめの演習書としては「理系数学入試の核心標準編」、やや難しめのものとしては標準問題精講ややさしい理系数学などがあります。

英語の分析 

<目標得点ライン>
満点100/H90/M70/L60/L-55/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間80分、大問3問
  • 《難易度評価》
    1:読解/約700words/C/和訳メイン
    2:読解/約600words/B/和訳メイン
    3:和文英訳/-/B/-
  • 最悪下線部の処理だけで済ませられるのでそこまで時間きつい試験ではない
  • 対策:解釈や精読中心の読解演習を心がけ、和訳の練習も重点的に実施。和文英訳は添削指導が望ましい。そこまで難度高くないため『英作文が面白いほど書ける本』等での独学でもいけるか。
大問種別ワード数難易度評価備考
1読解約700C和訳メイン
2読解約600B和訳メイン
3和文英訳 B


<試験問題の概要>
大問1は語彙レベルは標準ですが内容もやや難し目で、文章量は約700ワード程度とそこそこあります。設問は和訳メインで内容説明もありますが、設問そのものの難易度は標準的ですが文章そのものがやや難しめなので苦戦するかもしれません。

大問2は語彙レベル標準、内容も標準、ワード数は600ワード程度と標準的な長さとなっています。設問については和訳オンリーで、最悪、時間が無ければ下線部だけを処理する形でも構いません。

大問3は和文英訳で、易しすぎず難しすぎず、ちょうどいいくらいの難易度となっています。

<時間配分に関して>
80分の制限時間で難しめの大問2問と英作文を処理しなければいけませんが、最悪下線部だけの処理で済ませることが出来るので時間がそこまできつい試験ではありません。

<大阪医大英語の対策>
大阪医大の英語の対策としては、昔の京大を易しくしたような問題が並んでおりますので、解釈や精読中心の読解演習を心がけながら、和訳の練習も重点的に行うようにしましょう。

和文英訳に関しては、理想としては添削指導までしてもらったほうが良いですが、そこまで難易度が高いわけでもないので、英作文が面白いほどかける本など参考書中心の独学でもそこそこは行けそうな気はします。

化学の分析 

<目標得点ライン>
満点100/H85/M75/L65/L-60/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン )

  • 試験時間120分(2科目)、大問4問出題頻度は理論が最も高い次いで高分子、有機、無機の順
  • 制限時間はややきつめ
  • 対策:『重要問題集』等の標準問題集の周回高分子の出題頻度高いため追加演習が理想
大問分野分量ABC
1理論やや多 80%20%
2理論やや少20%80% 
3高分子やや少20%80% 
4高分子標準20%60%20%

<出題分野の傾向>
令和2年度の試験では、大問1は理論の問題で、基礎が理解できていればさほど難しくはありませんが、計算量が多く、計算間違いをしてしまうと続きの小問も落としてしまうタイプの設問で差がつきやすい大問でした。

大問2は理論の問題で、重要問題集のA問題にあるようなレベルの簡単な問題でした。

大問3・4は高分子の問題で、標準的な難易度ではありますが、めちゃくちゃ簡単というわけでもないので、高分子をきちんと対策していたかどうかで差のつく問題になったんじゃないかと思います

<試験問題の概要>
大問4問構成で、出題分野にはややばらつきがあります。理論が最も多く出題されますが、次点で高分子となっており、次いで有機、無機の順になっています。令和2年度では理論が2問、高分子が2問という構成でした。

<時間配分に関して>
大問4問を60分で処理せねばならず、計算の重い問題も含まれるため、制限時間はややきつめです。

<大阪医科大化学の対策>
重要問題集など標準的な問題集の周回で構いませんが、他の大学に比べて高分子の出題頻度が高いので、入試直前期には高分子だけ他の問題集も加えて演習を行うとより理想的です。

物理の対策 

<目標得点ライン>
満点100/H85/M75/L65/L-60/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン )

  • 試験時間120分(2科目)、大問4問力学+電磁気+波動or熱が多い
  • 標準問題ばかりだが時間がかなり厳しめ
  • 対策:『重要問題集』等のオーソドックスな問題集の演習+高速で解くために周回数はやや多めに回した方が高得点が狙える
大問種別分量ABC
1力学多め30%45%35%
2熱力学やや多30%70% 
3電磁気標準40%60% 
4小問集合やや少 100% 

<出題分野の傾向>
令和2年度では、大問1は力学、大問2は熱力学、大問3が電磁気で、易しい問題や標準的な問題が中心ですがとにかく分量が多めです。大問4は様々な分野からなる小問集合で、小問1問1問はやや重めですが概ね標準的な難易度です。例年、大問1~3については、力学+電磁気+波動or熱のセットが多いですが、電磁気が出なかったり原子が出題されたり変則的なパターンもあります。

<時間配分に関して>
よくある標準問題ばかりですが、60分しか試験時間がないため、時間の制約はかなり厳しめです。化学は化学でそう時間に余裕はないので、理科全体としてスピード勝負になります。

<大阪医科大物理の対策>
問題の難易度は標準レベルなので重要問題集などオーソドックスな問題集の演習で構いませんが、1問1問を高速で解かないといけませんので、周回数はやや多めに回した方が高得点が狙えるでしょう。

生物の対策

<目標得点ライン>
満点100/H85/M75/L65/L-60/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン ) 

  • 試験時間120分(2科目)、大問4問
  • 問題難易度は標準的で、分野の偏りもあまりない
  • 対策:『基礎問題精講』等の標準的な問題集をきちんとこなし、論述問題対策のために『生物記述論述問題の完全対策』やれると理想的。遺伝は難しいものは出題されないため、特化した対策は不要
大問分野分量ABC
1代謝標準60%35%5%
2生態標準70%30% 
3発生やや少40%60% 
4神経標準15%55%30%

<出題分野の偏り>
単科医科大学ではありますが分野の偏りはあまりなく、植物生理・生態・進化を含む生物のありとあらゆる範囲から出題が見られます。全体的な難易度はやや易しい~標準レベルで、大問1~3までは典型問題か、知識の論述問題が多く出題されています。大問4では実験考察問題が出題されていますが難易度は標準的で、考察問題に解きなれているとそこまで苦労はしません。

<試験問題の概要>
ただ考察が苦手なら考察は飛ばして、化学に時間を割くのも悪くない戦略です。大阪医大の生物の対策としては、基礎問題精講などの標準的な問題集をきちんとこなしたうえで、たくさんある論述問題対策のために、「生物記述論述問題の完全対策」なども余裕があれば手を出すと良いでしょう。

<大阪医科大生物の対策>
考察問題対策には標準問題精講も有効ですが、大阪医大の生物では考察の問題数がそう多くないので、他の併願校で考察問題対策が不要であれば敢えて大阪医大の為だけに標準問題精講までやる必要はありません。

その場合、本番の試験では生物は手短に済ませ、化学に時間を割いてください。なお、遺伝に関しては小問レベルではちらほら出題がありますが、大問1問がっつり遺伝というのはなく、難しいものは出題されていませんので、特化した遺伝対策は不要です。

大阪医科大ののその他の入試情報

  • 《一般入試後期》
  • 実施時期は3月中旬配点前期と同様も、定員15名と少ないためか最低点は前期より少し高い
    《大阪府地域枠》
  • 定員2名。大阪府と大阪医大の奨学金の貸与ただし卒後キャリアの縛りはかなりきつめ
    《共通テスト利用枠
  • 定員10名。国語100点、数学200点、理科200点、英語200点
  • 令和2年度の最低点は86.9%
    《建学の精神入試》
  • 現役生限定で3名枠
  • 書類選考+小論文+面接試験+共通テストで8割以上の得点で合格
  • おそらくかなり人物重視の試験合格者0名も珍しくない。
  • 学業以外の素晴らしい実績のある人以外は縁のない入試か

<一般入試後期>
まず、一般入試後期試験があり、3月中旬のかなり遅い時期に実施されます。配点は前期と同様ですが、定員が15名しかない影響か、例年、最低点は前期より少しだけ高くなっています。

<大阪府地域枠>
大阪府地域枠なる募集枠も2名分あり、大阪府と大阪医大の奨学金の貸与があるため学費は1221万とかなり安くなります。ただし卒後キャリアの縛りはかなりきつめで、大阪府の中でも医師不足の地域に勤務地が限定され、診療科に関しても産婦人科、小児科、救急科など不足気味の診療科に限定されます。詳細は募集要項をご覧ください。

<共通テスト利用枠>
共通テスト利用枠も10名あり、国語100、数学200、理科200、英語200の配点です。国語は圧縮で、社会もないので、人によってはかなりの高得点になっている可能性があります。共通テストで高得点が取れた場合は検討してみてください。令和2年度での最低点は86.9%です。

<建学の精神入試>
最後に、一応、建学の精神入試というものがあり、現役生限定で3名程度の枠が設定されています。書類選考、小論文、面接試験のあと、共通テストで8割以上の点数が取れていれば合格となります。恐らくかなり人物重視の試験と予想しますが、定員3名の枠が埋まることは少なく、合格者がゼロ名という年度もあるので、高校時代に学業以外の素晴らしい業績がある人以外は基本的に縁のない入試ということになります。

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