<傾向と対策>順天堂大学(医学部医学科)英語特化配点。スピード勝負だが問題も決して平易ではない。

総評

  • 英語の速読力で差が付き、理科のスピード勝負となっている
  • 英語の傾向対策がコスパ◎
  • 過去問対策はかなりの意識してやる必要
流石に順天堂専願一本釣りというのも勇気がいりますが、あまりたくさん併願校を増やして順天堂も受かろうというのも難しいと考えます。

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入試の基本情報と面接

  • 《配点》数学100点、理科200点、英語200点
  • 一次試験で小論文実施されるが、一次の合否は小論文以外の科目で決定
  • 二次試験の面接は20-30分程度と長め課外活動の成績を証明する賞状等が必要。一般的内容のほか部活動実績、医療への興味関心を問う質問もされる
  • R2は定員63名、合格者194名(繰上げ含)
  • 学納金 2,080万(6年間)+α

 

国語 数学 理科 英語 面接 合計
100 200 200 500

<面接に関して>
面接については20~30分程度の長めの面接で、課外活動の成績を証明する賞状などの持ち込みを要求されます。部活をガッツリ頑張っていたような受験生はその実績を示すものをぜひとも持ち込みましょう。

英語の外部試験の成績証明書などでもPRになるようですから、部活などでPR内容が無い場合は英検やTOEFL iBTなどを受験しておきましょう。どうせ英語が出来ないとここは受かりません。面接内容については志望動機や自己PRなどの一般的な内容のほか、中高の部活動の実績や小論文の内容、先進医療や国際医療に対する興味・関心を問うような設問など多岐に渡ります。

長時間の面接ですので、次第に化けの皮が剝がれてきますから、全て想定通りの面接にはならないかと思われます。とはいえ初めに聞かれそうな典型的な質問には答えられるように準備しておきましょう。

<繰り上げ合格状況・学納金>
令和2年度の入試では、一般入試A方式の定員63名に対して、繰り上げ合格を含む合格者が194名出ています。ちなみに、学納金は6年間の合計で2080万円になり、私立の中ではかなり安めになります。これに加えて一年次の寮費など種々の費用が追加されますが、奨学金枠なども充実しているためそれも含めるとかなり安めの学費で進学できる大学と言えます。

数学の分析

<目標得点ライン>
満点100/H80/M65/L60/L-55/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間70分、大問3問構成。難易度は標準~やや難
  • 試験時間に対してボリュームはかなり多め
  • 頻出分野は圧倒的に数Ⅲ 微積
  • 対策:網羅系問題集でのインプットほどほどに早期のアウトプット演習。『数Ⅲ 標準問題精講』など。記述力も必要。
大問分野難易度評価
1(1)平面ベクトルB*
(2)空間図形C*
(3)数3微積B**
2数3微積C***
3数3微積B**

<試験問題の概要>
制限時間は70分の試験です。大問は3問構成ですが大問1が独立した小問3つに分かれています。全体的な難易度は標準~やや難です。

令和2年度では大問1(1)は平面ベクトルの問題で難易度評価B、(2)は三角比を用いた空間図形の問題で難易度評価C、(3)は数3微積の問題で難易度評価Bです。大問2は数3微積の計算問題ですが誘導が特殊なため難易度評価C、大問3は記述でこれもまた数3微積の分野で難易度評価Bとなっています。

制限時間70分に対し、問題の分量はかなり多めです。大問1と大問2はマーク式で、各設問の序盤の穴埋めに関しては平易ですが、後半の穴埋めに関しては制限時間も少ないのもあるので積極的に飛ばしていきましょう。

<頻出分野>
頻出分野は圧倒的に数3微積で、年度によっては2問以上出題されることもあります。複素数平面、数列の極限、二次曲線などの出題もあり、数3分野が高頻度で出題されています。ややひねった設定の私立らしい問題と、よくある国公立らしい良問が半々で出題されています。

<順天堂大数学の対策>
数3にかなり偏った出題であることから、網羅系問題集での典型問題のインプット学習はほどほどにして、早めにアウトプット演習に進むことを薦めます。

アウトプット用の問題集として数3標準問題精講がピッタリですが、やさしい理系数学などでも構いません。また、殆どがマーク式の問題ですが、記述の問題は意外と取り組みやすかったりするので、ある程度の記述力は養成しておく必要があります。

英語の分析 

<目標得点ライン>
満点200/H170/M150/L140/L-130/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間80分、大問5問
    《難易度評価》
    1 読解/約900語/B/-
    2 読解/約900語/B/-
    3 読解/約700語/B/-
    4 読解/約600語/B/-
    5 作文/-/-/200words程度が目標?
  • 読み切って200words書ける人はほぼいないか長文1問を「捨て問」とする必要も
  • 対策:ハイレベルな単語集で語彙力強化。長めの自由英作文対策を早期からスタート。過去問で試験時間と英作文のバランス検討。
大問種別ワード数難易度評価備考
1読解約900B 
2読解約900B 
3読解約700B 
4読解約600B 
5作文  B200ワード
書くのが目標?


<試験問題の概要・長文編>
大問1から4は全て長文問題で、大問1だけがインタビュー記事になっているのが通例で、この大問1がややとっつきにくい文章になっています。大問2から大問4は理系ジャンルから文系ジャンルまで様々なジャンルの文章から出題されています。設問タイプは例年ほぼ固定で、語彙のいいかえ問題、長文の内容に関する問題、文挿入問題の3パターンです。選択肢がかなり親切なので、設問のレベルはやや易しめとなっています。

<試験問題の概要・作文編>
作文は自由英作文でかなり書きやすいのですが、ワード数が指定されていません。200ワード書くのが目標とされていますが、必ずしもそれだけの語数を書けるとは限りませんので、制限時間5分前くらいまではワード数を伸ばしていき、残り5分になったら結論部分を書き始め、作文が終わり次第マークの最終チェックを行うタイムスケジュールになるかと思われます。

<制限時間に関して>
問題こそそれほど難しくないものの、制限時間80分で全部読み切って英作文も200ワードかける受験生は殆どいないんじゃないかと思われます。多くの受験生は、長文で1問捨て問を作る必要があります。

やや読みにくいインタビュー記事の大問を捨て問にするのが合理的でしょう。ただ捨て問も適当にマークしてしまうのは勿体ないです。なんだか抜け道のような話になりますが、順天堂大英語の選択肢はかなり親切なものになっているため、英文を読まなくてもある程度絞り込みは可能です。

語彙の言い換え問題で出題されている語彙は、出題者の意図としては文脈で判断してほしいのかと思われますが、ハイレベルな単語集には普通に収録されているレベルの単語が多く、ほとんど読まなくても正答が選べたりします。また長文内容に関する設問も、選択肢の中にはあまりに非常識な選択肢も混じっていたりするので、2択くらいには絞れたりします。

<順天堂大英語の対策>
順天堂大英語の対策としては、語彙の補強は鉄壁やDUO、速読英単語発展編などハイレベルな単語集まで暗記し、また長めの自由英作文の対策を早い目に行っておきましょう。

そのうえで、過去問演習を入念に行い、捨て問を作るべきかどうかを検討し、制限時間を気にしながら作文を書くトレーニングを徹底的にしてください。いくら元の英語力がある受験生でも、無対策で特攻するとたいへんな目にあいます。

化学の分析 

<目標得点ライン>
満点100/H75/M65/L55/L-50/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン )

  • 試験時間120分(2科目)、大問2問かなり理論に偏った出題
  • 標準的だが、分量が多すぎる。
  • 制限時間短すぎるため完答は難しい
  • 対策:『重要問題集』B問題レベルの周回。時間配分の戦略が重要。有機処理→問題のスクリーニング⇒すぐに回答できる問題着手
大問分野分量ABC
1(1)理論多い 70%30%
1(2)理論多い15%85% 
1(3)有機標準40%60% 
2理論標準 60%40%

<出題分野の傾向>
大問2問構成ですが、大問1が更に独立した1~3の設問に分かれているので、事実上4問構成と言えます。出題分野は理論にかなり偏った出題となっており、マーク式の大問1の第1問と第2問が理論、第3問だけ有機で、記述式の大問2は理論が出題されることが多いようです。

高分子に関しては有機の大問の一部として出題されることがあります。無機の出題は控えめなので基本的にはあまり対策しなくても良いですが、順天堂大の試験は時間の制約が非常に厳しいため、無機が出題された場合に無機の問題を即答できるようにしておくと、理論の計算にたくさん時間を割くことが出来るようになるので、化学で高得点を狙っていきたい受験生は無機も対策しておきましょう。

<試験問題の概要>
令和2年度の試験では、大問1第1問は理論の問題で、標準問題を一ひねりした問題が独立してダラダラ続きます。計算量が非常に多いため全ての問題を15分で解ききるのはほぼ不可能です。また殆どすべての問題が一ひねりした問題になっているため、問題の取捨選択がやや難しく、トレーニングが必要なところです。

大問1第2問は理論の問題で、令和2年度では第2問のほうがあまりひねっていない標準的な問題でした。

大問1第3問は有機の問題で、やや易しめ~標準的な難易度の構造決定問題でした。

大問2は理論の問題で、誘導をしっかり理解できれば解答までいきつきますが、如何せん時間が短すぎるためなかなか最後まで完答するのは難しいと言えます。

<順天堂大化学の対策>
順天堂大の化学の対策としては極端な難問は少ないため重要問題集のB問題レベルまできちんと周回するだけで良いのですが、時間配分の戦略次第で点数が20点以上変わってもおかしくありません。

<時間配分に工夫が必要>
有機の問題は例年そこまで難易度も分量も控えめになっているので、有機を真っ先に処理した後、理論の問題に関しては実際に手を付ける前に問題全体をスクリーニングし、「明らかに解いたことがありすぐに解答できる問題」、「少し一ひねりしてあるけど解答の道筋はつく問題」「解答の方針を立てるのに時間が必要な問題」の3種類に分類し、すぐに解答できる問題から手を付けていきましょう。また、生物選択の場合は考察問題の後半を飛ばして、化学に時間を割くのも一つの戦略です。どれだけ計算力があっても、完走はほぼ不可能と言える問題セットですので、あれこれ時間配分の戦略については試行錯誤してください。

物理の対策 

<目標得点ライン>
満点100/H85/M70/L60/L-55/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン )

  • 試験時間120分(2科目)、大問2問原子含めた全範囲から出題
  • 標準的な問題多いが、試験時間はかなり厳しい
  • 対策:『名門の森』★レベル、『重要問題集』のA問題レベルをしっかり理解して解けるように。時間シビアなため、過去問演習の時間確保。
大問種別分量ABC
1(1)小問集合やや多80%20% 
1(2)電磁気やや多50%30%20%
1(3)熱力学多い50%30%20%
2力学多い70%30% 

<出題分野に関して>
大問2問構成ですが、化学と同様に、大問1が3つの独立した設問に分かれているので、事実上大問4問構成です。原子も含め、物理の全範囲から出題が見られます。

<試験問題の概要>
令和2年度では、大問1第1問の小問集合は易しめの問題が多いものの、分量が多いためスピード勝負になります。

第2問は電磁気の問題で、いわゆる難問頻出のパターンですが後半はやや難の問題も見られます。

第3問が熱で、これも前半は易しめ、後半は難しめといった構成になっています。

大問2については力学で、典型的な問題ではありますが、大問1で時間を食い過ぎると完走できなくなる恐れがあります。

<時間配分に関して>
理科2科目で120分なので、物理には60分の時間は割けます。

だいたい設問の最後のほうが難しくなっているので、化学よりは問題のスクリーニングはやりやすいですが、それでも時間はたいへん厳しい試験となっています。

<順天堂大物理の対策>
問題の難易度は標準レベルなので、名問の森★レベル、重要問題集A問題相当のレベルの問題をしっかり理解して解けるようになっていれば十分ですが、時間配分はたいへんシビアですので、過去問演習の時間はきっちり取る必要があります。

生物の対策

<目標得点ライン>
満点100/H80/M70/L60/L-55/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン ) 

  • 試験時間120分(2科目)、大問2問生態、植物生理の出題頻度が高い。医学系分野はやや難しめの出題。
  • 標準~やや難。考察難しいが、化学に時間を割く方が無難。
  • 対策:『基礎問題精講』等の標準的な問題集をきちんとこなし、植物生理・生態のみ網羅性の高い標準問題集で演習。分子生物対策も◎。遺伝は余裕があればやる、程度でOKか。
大問分野分量ABCD
1体内環境少ない15%85%  
2生態やや少70%30%  
3進化標準20%50%20%10%
4分子生物やや多 30%60%10%

<出題分野の偏り>
大問2問構成ですが、化学や物理と同様に、大問1が3つの独立した設問に分かれているので、事実上大問4問構成です。

順天堂大生物には分野の偏りがはっきり見られます。どうせ医学系の分野は入ってから学ぶからいいだろうという考えなのか、農学部の先生が作ったのかと疑うほど生態や植物生理の出題頻度が高いです。ただ順天堂大に農学部は無いので、生態や植物生理が出たとしても、総合大学で出るような凝った難しい問題は出ていません。難易度が低めなので、むしろ稼ぎどころと言えます。

<試験問題の概要>
理科2科目で120分なので、生物には60分程度の時間は割けます。

大問1第1問は、令和2年度では体内環境の小問集合になりました。ただ例年は普通の大問が出題されています。

第2問は生態の問題で、非常に典型的な問題でした。第3問は進化の問題で、マニアックな知識問題も出題されましたが恐らく受験生のほとんどが間違っているレベルなのであまり気にしなくても良いでしょう。

大問2は分子生物学の考察問題で、前半は標準レベルでしたが後半はかなりパズル的な難易度の高い問題でした。

<順天堂大生物の対策>
まずは基礎問題精講などの標準的な問題集をきちんとこなしたうえで、植物生理や生態はコスパ良く点数を伸ばせるので、この2分野だけは大森徹の最強問題集や生物重要問題集などの網羅性の高い標準問題集で丁寧に演習しましょう。余裕があれば、大問2の考察で出題されやすい分子生物の考察問題の得点力を伸ばすために、標準問題精講を分子生物だけつまみ食いしても構いません。

遺伝に関しては大問2にガッツリ出題されることもありましたが、試験時間の制約上化学に時間を割く方が賢明なので、本格的な遺伝対策は余裕があればやる、くらいのスタンスで良いでしょう。

順天堂大のその他の入試形式

  • <その他の入試形式のオーバービュー>
  • 一般A方式(64名)、一般B方式(5名)
  • 共通テスト利用形式 前期(10名)、後期(5名)
  • 共通テスト・一般独自併用試験(15名)
  • 地域枠 東京(10名)、新潟(2名)、千葉(5名)、埼玉(7名)、静岡(5名)
  • 国際臨床医・研究医選抜(8名)
  • 「地域枠」と「国際・・・選抜」は併願不可だが、それ以外は併願可能
    《共通テスト併用入試》
  • 共通テスト:国語200、社会100、数学200、理科2科目200、英語200
  • 学力試験:理科2科目100点、英語200点 ※数学が算入されない。極端に英語重視
  • 二次試験は面接+小論文+英作文
  • 河合塾 共通テストボーダー:88%(R3)
  • 《地域枠》
  • 東京(10名)、新潟(2名)、千葉(5名)、埼玉(7名)、静岡(5名)。いずれか一つの都道府県に出願可能。
  • 配点は一般Aと同じ。
  • 東京:出身地縛り&診療科縛りアリ。授業料全額+10万円/月の生活費貸付
  • 新潟:6年間で総額2,160万円の貸付アリ。出身地縛り&診療科縛りナシ。
  • 千葉:6年間で総額1,440万円の貸付アリ。出身地縛り&診療科縛りナシ。
  • 埼玉:6年間で総額1,440万円の貸付アリ。出身地縛りナシ。
  • 静岡:6年間で総額1,440万円の貸付アリ。出身地縛り&診療科縛りナシ。
  • 《一般B》
  • 一般A+英語検定試験の点数英検2級相当の合格実績で出願可能
  • 英検1級レベルで25点(満点)の加点
  • 二次試験:面接+小論文+英作文
  • 《共通テスト枠(前期・後期)》
  • 配点:国語200、社会100、数学200、理科2科目200、英語200
  • 二次試験:面接+小論文+英作文
  • 河合塾 共通テストボーダー:89%(R3)9割に載せていないと合格は厳しい。
  • 《研究医枠》
  • 定員2名、1浪まで、評定平均4.5以上、英検準1級相当の合格実績で出願可能試験内容、配点は一般Aと同じ專願制
  • 《その他枠》
  • 国際バカロレア選抜(2名)、帰国生選抜(2名)外国人選抜(2名)
  • 国際バカロレア・帰国生選抜の学力試験は共通テストのみ。外国人選抜の学力試験は日本留学試験のみ。

あまりにもたくさん受験制度があるので、まずは全体像をつかみましょう。

最も定員が多いのは一般A方式で64名、英語の外部検定試験の点数を加味する一般B方式も5名分あります。共通テスト利用形式が前期で10名・後期で5名と2回分あり、更には共通テスト・一般独自併用試験も15名の定員があります。

最後に地域枠が東京で10名、新潟で2名、千葉で5名、埼玉で7名、静岡で5名あり、これとは別枠で国際臨床医・研究医選抜の枠が8名あります。地域枠と国際臨床医・研究医選抜の併願はできませんが、それ以外はすべて併願が可能です。

募集定員を超えた入学者が確認できるのは一般Aのみで、きっちり定員通りの入学者があるのは共通テスト・一般独自併用入試と地域枠、国際臨床医・研究医選抜になります。

一般Bや共通テスト利用入試では欠員が見られ、積極的に繰り上げ合格を出していません。ゆえにふつうの日本国内の受験生にとって重要な意味合いを持ってくるのは、一般Aと共通テスト・一般併用入試、地域枠の3つと言えるでしょう。

一般Aについては冒頭で説明しましたので、併用入試と地域枠についてまずは説明します。併用入試の配点は非常にユニークで、共通テストの配点は国語200、社会で100、数学200、理科2科目で200、英語で200、となっており普通な感じですが、その後の独自学力試験では、理科2科目で100点と英語で200点となっており、数学が算入されず極端に英語重視の配点となっています。

この後二次試験に入った場合、面接試験と、小論文と英作文の試験が課されます。令和3年度の河合塾の共通テストボーダーは88%と高くなっていますが、恐らく正規合格のラインかなあと思われ、実際もう少し低めかなあと思います。

こういう枠の存在からも、順天堂大入試は英語の傾向対策が最もコスパが良いと言えるでしょう。次に地域枠です。東京で10名、新潟で2名、千葉で5名、埼玉で7名、静岡で5名となっています。いずれか一つの都道府県に出願できます。

試験の配点は一般Aと同じです。東京の枠は出身地縛りと診療科縛りがありますが、授業料全額に加え1か月10万円の生活費まで貸し出しがあります。新潟の枠も貸付枠は多めで6年間総額で2160万円の貸し付けがあります。

出身地縛りもなく、診療科縛りもありません。ただ勿論のことながら卒後9年間は新潟の病院に勤める必要があります。千葉の枠の貸付額は6年間総額で1440万円です。

出身地縛りもなく、診療科縛りもありませんが、卒後9年は千葉の病院に勤める必要があります。埼玉の枠の貸付額は6年間総額で1440万円で、出身地縛りはありません。詳細は埼玉県のホームページを見て頂きたいのですが、産科・小児科・救急科であれば埼玉県内である程度勤務地に融通が利きますが、その他の科では勤務する病院に大きく制限がかかるという形式になっています。

静岡の枠の貸付額は6年間総額で1440万円で、出身地縛り、診療科縛りはありません。ただ勿論のことながら卒後9年間は静岡の病院に勤める必要があります。

その他の枠も簡単に説明します。一般Bは一般Aの配点に英語検定試験の点数が加算されるものです。英検2級相当の外部試験の合格実績があれば出願は出来ますが、英検2級ギリギリのレベルでは5点しか加点がありません。英検1級合格レベルで満点の25点の加点がある試験です。

二次試験に入ると、面接試験と、小論文と英作文の試験が課されます。共通テスト枠は前期・後期共に国語200、社会で100、数学200、理科2科目で200、英語で200、の普通の配点です。二次試験に入ると、一般Bと同様に、面接試験と、小論文と英作文の試験が課されます。

この枠の令和3年度の河合塾の共通テストボーダーは89%と非常に高くなっていますが、繰り上げなどもあまりないことから、本当に9割に載せていないと合格は厳しいでしょう。研究医枠は定員2名、1浪まで、評定4.5以上、英検準1級相当の英語外部試験の合格実績があると出願でき、その上で一般Aなどと同じ試験を受けます。配点も一般Aと同等です。

ここまで条件があったうえで専願制となっており、縛りがきつすぎるためかあまり人気がありません。その他国際バカロレア選抜で2名、帰国生選抜で2名、外国人選抜で2名の枠があります。国際バカロレア・帰国生選抜では学力試験は共通テストのみ、外国人選抜では学力試験は日本留学試験のみとなっています。該当する方は募集要項をよく読んで出願してみてください。

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