総評
- 理数は標準的な問題の完成度で差がつく、オーソドックスな出題
- 英語は平易なものの、記述の採点が異様に厳しい可能性があるため注意が必要
理・数は標準的な問題の完成度で差がつくオーソドックスな出題であること、英語については平易なものの、記述の採点が異様に厳しい可能性があるため注意が必要なことなどが抑えておきたいポイントと言えるでしょう。
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入試の基本情報と面接
- 二次比率54%
- 面接は約10分間で概ね一般的な内容。面接点で差がつくことはほぼなく、ほとんどの受験生が90点になるらしい
- 公民は1科目受験可能。ただし、「現代社会」のみ使用可能「倫理」、「政治経済」は使用不可。
国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 | 面接 | 合計 | |
共通 | 100 | 100 | 100 | 200 | 100 | – | 600 |
二次 | – | – | 200 | 200 | 200 | 100 | 700 |
二次比率は54%で、やや共通テスト型といえます。
面接については、約10分の面接で概ね一般的なことが聞かれるようです。面接点で差がつくことはほぼなく、殆どの受験生が90点になるようです。
数学の分析
<目標得点ライン>
満点200/H180/M140/L125
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 大問3問、試験時間120分
- 難易度は標準~やや難
- 《大問別分析》
- 大問1:他学部共通 小問集合(5問)
- 大問2:他学部共通問題(誘導小問 3問)
- 大問3:医学部専用問題(誘導小問 3問)
- ボリュームはやや少なめ。計算量少ないとはいえ、時間配分には注意すること
- 複素数平面、数3微積が最頻出。次点で三角関数、数列が頻出
- 対策:標準問題集での解法インプット必須。アウトプット演習も地方国公立大レベルで十分
- ※大問形式はR2から変更。過去問注意
<試験問題の概要>
大問3問構成で、制限時間は90分の試験です。全体的な難易度は標準~やや難レベルです。
大問1は5問の小問集合で、他の大問は3つの誘導小問から構成されています。大問1の小問集合は他学部との共通問題で比較的易しくなっています。
大問2は他学部共通問題、大問3は医学部専用問題になっていますが、いずれも程ほどに点差がつきそうな難易度で、極端に難しいわけでもありません。
制限時間90分に対して、ボリュームはやや少なめです。計算量は全体的に少なく、方針さえ立てばスムーズに解ける問題が多いです。
とはいえ大問1の小問集合は5問もありボリュームがあるので、大問2や大問3でそれぞれ30分しっかり使ってしまうと大問1にさける時間はありませんから、時間配分には注意をしてください。
<頻出分野>
複素数平面や数3微積が頻出で、次点で三角関数や数列が頻出になっています。確率が意外と出題されていません。
<三重大数学の対策・インプット編>
標準問題が中心で、やや難易度の高い問題も標準問題がベースであることが多いので、青チャート、フォーカスゴールド、一対一対応の演習などの標準問題集でのインプットは必須でしょう。
<三重大数学の対策・アウトプット編>
地方国公立大レベルで十分で、問題集で言うところの理系数学入試の核心(標準編)などの演習書でアウトプット演習をしましょう。
また、制限時間や大問の形式は令和2年度から変更されており、以前は120分、大問4問で小問集合なし、というセットでした。小問集合以外は問題の難易度や方向性はそれほど変わりませんが、過去問演習の際には注意をしてください。
英語の分析
<目標得点ライン>
満点200/H160/M130/L120
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 試験時間80分、大問3問
- 長文の難易度は語彙:標準、内容:やや易~標準ジャンルは理系が多めだが、文系も時々出題
- 設問の形式はオーソドックス難易度はいずれも平易でサクサク解ける
- 英作文は短文の和文英訳で例文暗記で対応可能なレベル
- 試験時間80分しかないが、設問が易しいため時間が不足することはないか
<試験問題の概要>
80分の試験で、大問は3問で、すべて長文です。
長文そのものの語彙は標準レベル、内容はやや易しいから標準レベルです。長文のジャンルは理系ジャンルが多めですが、文系ジャンルも時々は出題されています。
設問の形式も至ってオーソドックスなもので、和訳・空所補充・並び替え・内容一致問題などがありますが、設問の難易度はいずれも平易で、さくさく解けていけるでしょう。英作文もありますが短文の和文英訳で、例文暗記で対応できるレベルです。
<時間配分に関して>
制限時間は80分しかありませんが、設問の難易度がいずれも易しいので、時間が不足することも意外とないでしょう。
化学の分析
<目標得点ライン>
満点100/H90/M80/L70
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 試験時間150分(理科2科目)
- 大問5問構成理論2問、無機1問、有機1問、高分子1問
※無機、高分子が独立した大問として出題丁寧な対策が必要 - 難易度はいずれも標準レベル
- 分量多いが時間も多く、時間不足はないか
- 対策:『重要問題集』等の標準的な問題集を丁寧に周回するだけで十分合格点に到達制限時間に余裕があるため、情報処理能力では差がつかず、勉強量が点数に反映される
<試験問題の概要>
大問5問構成で、理論が2問、無機が1問、有機が1問、高分子が1問の構成になっています。無機や高分子も独立した大問として出題されているので、丁寧めに対策をしてください。難易度はいずれも標準レベルです。
<時間配分に関して>
理科2科目で150分なので、化学には75分割けることになります。分量は沢山ありますが、時間もたっぷりあるので、時間が足りないこともないでしょう。
<三重大化学の対策>
重要問題集など標準的な問題集を丁寧に周回するだけで十分合格点に到達します。制限時間に余裕があるので、情報処理能力で差がつかず、これまでの勉強量がダイレクトに点数に反映される試験と言えます。
物理の対策
<目標得点ライン>
満点100/H90/M80/L70
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 試験時間150分(理科2科目)。大問5問構成。
- 力学2問、電磁気1問、残り2問は波動・熱力学・原子から2分野が出題
- 難易度は標準だが、大問数多くテンポよく解いていかないと時間不足になる
- 問題設定は典型問題が中心。ほぼ全問が穴埋め問題。高得点取れるセット
- 対策:『重要問題集』、『名門の森』等の標準的な問題集を丁寧にこなすだけで十分合格点が取れる。ハイスピードで解けるまで
<試験問題の概要>
大問5問構成で、2問は力学、1問は電磁気、残り2問が波動・熱力学・原子のうちから2分野が出題される構成になっています。
難易度は標準レベルですが、大問の数が多いので、テンポよく解いていかないと時間が足りなくなることもあるでしょう。
問題設定も複雑なものは殆どなく、典型問題が中心です。ほぼ全問穴埋め問題で、変わった形式の出題もないので、しっかり高得点が取れるセットとなっています。
<時間配分に関して>
理科2科目で150分なので、物理には75分の時間は割けます。
<三重大物理の対策>
重要問題集や名門の森などの標準的な問題集を丁寧にこなすだけで十分合格点が取れます。丁寧に周回して、ハイスピードで同レベル帯の問題が解けるようになるまでやりこんでください。
生物の対策
<目標得点ライン>
満点100/H85/M75/L70
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 試験時間150分(理科2科目)
- 大問5問構成細胞生物、進化、生態、体内環境はほぼ固定。その他の分野はまんべんなく出題
- 難易度は標準レベル、ほとんどが典型問題。時間が足りなくなることもない
- 生態、進化など医学部受験生はモチベーションが上がらない分野も出題されている。意識して対策する必要があるのがポイントか
- 対策:『大森徹の最強問題集』等の網羅性の高い標準問題集をこなしていけば合格点到達。
- 遺伝は易しいため特別な対策は不要か
<出題分野の傾向>
理科2科目で150分なので、生物には75分程度の時間は割けます。大問5問構成で、細胞生物・進化・生態・体内環境がほぼ固定で出題で、その他の分野はまんべんなく出題されています。
<試験問題の概要>
難易度はおおむね標準レベルで、殆どが典型問題です。
時間もたっぷり75分あるので、時間が足りなくなることもありません。難易度はそれほどでもないはずですが、生態・進化など医学部受験生はあまりモチベーションが上がらない分野もきちんと出題されているので、この辺りの分野もきちんと意識して対策をする必要があることがポイントでしょう。
<三重大生物の対策>
難易度は標準レベルですが範囲はかなり広いので、大森徹の最強問題集などの網羅性の高い標準問題集をこつこつこなしていけば、十分合格点に到達するでしょう。遺伝については出ないこともないですが、難易度は易しいので特別な対策は不要でしょう。勉強量がダイレクトに点数に反映される試験と言えます。
三重県の地域医療の概況
- 人口当たりの医師数は全国平均よりやや少なめ
- 地域偏在は小さく、津市に医師が一極集中せず、四日市市のある北勢医療圏、伊勢市・松阪市のある南勢志摩医療圏においても津市と同程度の医療水準が担保されている
- 東紀州医療圏は過疎地域で医師不足
- 北部の医療は愛知県にやや依存傾向
- 診療科偏在について、まんべんなく不足もとりわけ不足しているのは麻酔科と救急科
三重県の人口当たりの医師数は全国平均と比べるとやや少な目になっています。
地域偏在は意外と小さく、三重大附属病院がある津市に医師が一極集中しているわけではなく、四日市市のある北勢(ほくせい)医療圏や、伊勢市や松坂市のある南勢(なんせい)志摩医療圏においても、津と同程度の医療水準が担保されています。
和歌山に近い東紀州医療圏は過疎地域であり、医師は不足しています。また名古屋とのアクセスが良いためか、北部の医療は愛知県にやや依存している傾向があるようです。診療科偏在については、どの科もまんべんなく不足していますが、とりわけ不足しているのは麻酔科と救急科です。
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