<傾向と対策>浜松医科大学(医学部医学科)問題難易度高いため二次逆転チャンスは非常に大きい。時間制限きつすぎなので過去問演習!

総評

  • 数学・理科の試験の制限時間が短すぎ
  • 二次型の配点で逆転狙いやすい
  • 時間配分の練習のため、過去問演習最重要
二次型の配点にもなっており、逆転合格も狙っていきやすいですから、共通テストに失敗しても、気を取り直して過去問のトレーニングをガンガン積んでいけば、二次挽回のチャンスが見えてくるはずです。

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入試の基本情報と面接

  • 二次比率61%
  • 現役と浪人に比率は1:1が最も多いが、R2では浪人生がかなり増えた。
  • 県外出身者は静岡県の地域医療の実情についてある程度理解した上で面接に臨む方が望ましい
  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 100 50 100 100 100 450
二次 200 200 200 100 700

二次比率は61%で、二次型といえます。

面接点については非開示であるためグレーな点は多いです。浪人差別があるかどうかを考察するため、現役と浪人の比率を調べたところ、1:1程度の年が最も多いのですが、令和2年になって浪人がかなり増えました。浪人差別はあまりないかもしれません。ただし、前期の一般入試の県内:県外比率はかなり狭い範囲に収まっているのが現状です。文部科学省から何か言われた大学ではありませんが、静岡県の学生にはちょっと易しめになっているかもしれません。県外出身者は静岡県の地域医療の実情についてある程度理解した上で面接に臨む方が望ましいと言えます。私は静岡にはほとんど縁がない人間ですが、私なりに調べた内容を最後の方にお伝えしようと思います。また、公民は1科目受験可能です。すなわち倫理のみ、政経のみ、現社のみといった受験が可能です。重量級の単科医大の問題で、二次比率が高めなのは二次逆転の夢が見れますね。実際に、センター75%からの大逆転事例もあるそうです。

数学の分析

<目標得点ライン>
満点200/H140/M110/L90
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 制限時間90分
  • 大問4問構成
  • 全体的に標準だが超難問が混じることも
  • 難問を飛ばせるかどうかが合否に関わる
  • それほど計算が煩雑でもないが、思考力を要する論証問題多くボリュームは大きい
  • 対策:標準的問題集(1対1対応)をマスターした後、照明問題等中心にやや難易度の高い問題の演習
  • 論証力のトレーニングには、添削指導の効果大

<試験問題の概要>
大問4問構成で、標準的な問題が多いものの、時々、難易度の極めて高い問題が紛れ込んでいます。この難易度の高い問題を90分の試験で完答することは不可能に近いですから、そのような問題をきちんと飛ばせるかどうかが1つのポイントになります。極端に煩雑な計算があるわけではありませんが、思考力を要する論証問題が多く出題されており、やはりボリュームの多い試験と言えるでしょう。

<浜松医大数学の対策>
1対1対応の演習など標準的な問題集を一通りマスターした後、証明問題を中心に、やや難易度の高い問題、旧帝大の過去問などを演習すると良いでしょう。論証力のトレーニングのために、講師の先生に指導してもらう機会があれば、添削指導を受けられるとなお良いでしょう。

英語の分析 

<目標得点ライン>
満点200/H150/M130/L110
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 制限時間90分
  • 大問3問 2問は長文 1問は作文
  • 作文の形式は自由英作文(150words級)
  • 長文ジャンルは理系的トピックに偏り。ジャンル別単語集も要件等か。
  • 自由英作文に時間をかけなければ時間に余裕も。
  • 長文に英語で回答する問題あり。早い段階で色々なバリエーションの作文演習を。

<試験問題の概要>
大問は3問、2問は長文、1問は150word級の大型自由英作文になっています。医学を中心に理系的なトピックの出題が目立ちます。リンガメタリカなどのジャンル別単語集が刺さっていく問題かもしれません。自由英作文に時間がかかりすぎなければ、そこまで時間がきつい感じでもありません。

<浜松医大英語の対策>
長文にも英語で答えさせる問題が含まれているので、比較的早い段階で色々なバリエーションの英作文の演習が必要でしょう。

化学の分析 

<目標得点ライン>
満点100/H75/M60/L50
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 制限時間120分(理科2科目)
  • 問題の難易度は標準だが。。。60分しかないのは短い!
  • 計算力のやや多めの問題もあり
  • パッと見目新しいテーマの出題も。時間をかけて読めば簡単だが、時間が足りない。
  • 他の理科と合わせて時間配分の戦略を検討。

<試験問題の概要>
問題のレベルそのものは標準的ですが、とにかく60分しかないので時間が足りません。それなのに、計算量のやや多い問題が目立ちます。更に、目新しいテーマの出題もしばしばあります。ただし文章中に十分なヒントがあるので、時間をかければさほど難しくはありません。どちらにせよ、時間を割けるなら高得点が狙えますが、他の科目に割く時間を犠牲にしなければならないということになります。

<時間配分に関して>
理科2科目で120分なので、化学には60分程度の時間は一応割けます。時間配分の戦略は大きく2つにわかれます。1つは他の理科科目をコスパ重視で45~50分程度で切り抜け、化学の時間のかかる設問にエネルギーを注ぐ戦略、逆にもう1つは他の理科科目にきちんと時間を割き、化学に関しては時間のかかる問題をなるべくスルーしていく戦略となります。この時間配分の戦略に関して、物理の分析担当とディスカッションした結果、前者の戦略は生物選択者に有利な戦略で、後者の戦略は物理選択者に有利な戦略なのではないかという結論に至りました。ただし物理選択者でも化学が極端に得意であれば前者の戦略の採用を検討してもOKかと思います。

物理の対策 

<目標得点ライン>
満点100/H85/M75/L65
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 制限時間120分(理科2科目)
  • 大問5問構成。問題の難易度は標準。
  • 序盤のケアレスミスが多い人は失点のリスク大
  • 各大問一番最後の問題は難しいので、時間がかかりそうなら飛ばしてしまおう。
  • 化学よりは素直。物理重視の時間配分戦略推奨。
  • 化学が得意すぎるなら化学重視でもOK

<試験問題の概要>
難易度そのものは標準レベルで、決して難しい問題ではありません。とはいえ、いかんせん時間がたいへん厳しいですので、試験中になやんでいる時間はありません。ケアレスミスで芋づる式に点数をロスするリスクが高く、見直すような時間もほとんど取れないため、元からケアレスミスが少ない受験生でないと高得点は難しいかもしれません。ケアレスミスの多い自覚のある方は、物理に関してはリスクを背負うことを覚悟してください。各大問の一番最後の小問が最も難しいので、時間がかかりそうだと思ったら飛ばしてしまう勇気も必要です。

<時間配分に関して>
原則としては、物理の方が化学よち素直な問題が多いため、物理重点・化学はほどほどにしておく戦略をお勧めしますが、化学が得意な受験生は、物理のそれぞれの大問の最後の小問は難易度が高いので、積極的に飛ばしていきながら、化学に割く時間を捻出しましょう。

生物の対策

<目標得点ライン>
満点100/H80/M70/L60
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

  • 制限時間120分(理科2科目)
  • 生物はさっさと終わらせて化学へ。
  • 単科医大だが生態も出てくる。
  • 遺伝対策は余裕があれば。
  • 考察問題のリード文は長くないため、時間をかけすぎないで。
  • 対策:標準問題精講などの考察系問題集
  • 2017年以前は傾向が違うが、時間配分の戦略が確立するまでは昔の問題も演習も必要か

<出題分野の傾向>
単科医大なので出題分野に偏りがあるかと思いきや、出題している教員の先生は理学部出身なので、いろんな分野から出ます。何なら生態からも出ます。遺伝については、家系図の問題はしばしば出題されていますが、がっつり対策するかどうかは、微妙なところではあります。考察問題はそれなりにありますが、リード文がそう長いわけでもないので、分かる人ならすぐに解答のポイントが分かるし、分からない人は時間をかけても分からない、そういう問題かなあとは思います。

<浜松医大生物の対策>
標準的な受験対策問題集に加え、「標準問題精講」「思考力問題精講」などといった考察系問題集をプラスアルファするのが良いでしょう。

静岡県の地域医療の概況

  • 西部は浜松・中部は静岡・東部は沼津の三大拠点
  • 西部(浜松)に浜松医大病院
    中東遠(岩田・掛川)地域、志太榛原(島田・焼津・籐枝)地域ではやや医師不足傾向。
  • 中部(静岡)では公立病院中心に健闘。富士地域では(人口が多くない割に)医療資源少なく周辺の病院に依存
  • 駿東田方(沼津、三島):順天堂付属静岡上院県立静岡がんセンターなどが大きな拠点。熱海など伊豆半島先端地域では医療資源一部西部に依存。

浜松は浜松医大病院を中心に比較的医療資源の充実した地域でありますが、その周辺地域となると不足が見られる地域があります。

例えば、磐田市や掛川市を代表とする中東遠(ちゅうとうえん)医療圏、島田市、焼津市、藤枝市などを代表とする志太榛原(しだはいばら)医療圏では医師不足が見られます。

静岡市が属する静岡医療圏については市立・県立の公立病院を中心に比較的医療資源が整っている地域となります。富士市のある富士医療圏が人口の割には医療資源の不足している地域で、静岡市の病院や東部の順天堂大学付属静岡病院、県立静岡がんセンターなどと協力しながら医療を支えているというのが現状です。

沼津市、三島市などが含まれる駿東田方(すんとうたがた)地域は順天堂大学付属静岡病院、県立静岡がんセンターなど大病院を中心に比較的医療資源のととのった地域になります。熱海市などがある伊豆半島の先端の地域では、過疎傾向であり医療資源も少ないですが、駿東田方(すんとうたがた)地域の順天堂大学付属静岡病院などと協力しながら医療を支えています。

必ずしも医師不足の地域で働きたいとアピールする必要はありませんが、静岡県の医療のどのようなところで貢献できそうか、面接日の前日くらいには、想いを馳せてみてもいいかもしれません。

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