<傾向と対策>愛知医科大学(医学部医学科)やや学費高めだが藤田医大よりはオーソドックスな問題で取り組みやすい。英文法の対策に注意。

総評

  • 基礎~標準問題で構成されるが、時間の制限がやや厳しく、標準問題の習熟度で大きく差がつく
  • 英語は文法問題も含めてトレーニングすべき

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https://youtu.be/PswsGTH1NUE

入試の基本情報と面接

  • 数学(150)、 英語(150)、理科2科目(200)
  • 一次合格で二次試験(小論文50+面接50) 面接:個人/20分程度/一般的な内容
  • 学納金 3,420万円(6年間)+α
  • 公募制学校推薦選抜、地域枠推薦共通テスト選抜国際バカロレア選抜など
国語 数学 理科 英語 面接 合計
150 200 150 50+50 600

最も定員が多い一般選抜について説明します。配点はやや英数よりの配点で、数学150点、英語150点、理科2科目で200点の配点となっています。一次試験に合格すると二次試験で、小論文と面接が実施されます。小論文にも面接にもそれぞれ50点の配点があります。面接については個人面接で、20分程度の長めの面接で、で概ね普通のことが聞かれるようですが、やや圧迫気味のシビアな質問がなされることもあるようです。ちなみに、学納金は6年間の合計で約3420万+諸経費となっており、私立医の中でも、そこそこの学費になってきます。

<その他の入試制度>

  • 一浪までOK、評定3.7以上縛りの公募制学校推薦選抜で20名の定員
  • 地元縛り、評定3.7以上縛り、卒後10年の縛りがあり奨学金の貸し付けがある地域枠推薦で5名の定員
  • 共通テスト選抜の前期で15名、後期で5名、奨学金付き地域枠で5名の定員
  • 国際バカロレア選抜にて若干名の定員

専願制ではあるものの、公募制推薦は定員も多く評定縛りも緩やかです。詳細は大学HPをご覧ください。

数学の分析

<目標得点ライン>
満点150/H125/M100/L90/L-80/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間:70分間 大問4問
  • 全体的な難易度は標準レベル。
  • 試験時間に対する分量は適切かやや多め。
  • 確率、空間ベクトルがやや頻出か。
  • 対策:網羅系問題集でのインプット学習必須。上を目指すなら『チョイス』等に取り組むと効果的。
問題番号分野難易度
1小問集合A7問、B1問
2確率B**
3整数A*
4空間ベクトルC**

<試験問題の概要>
制限時間は70分で、大問4問構成です。令和2年度の難易度評価は、大問1の小問集合ははほぼA、大問2はB、大問3はA、大問4はCとしました。大問1は答えのみの解答ですが、大問2から4は完全記述式です。全体的な難易度は標準レベルです。一部に変わり種の出題もありますが、数学の基本を聞く素直な問題が大半を占めています。

<制限時間に関して>
制限時間70分に対して、分量は適切かやや多いくらいでしょう。大問1は易しい問題ばかりではあるものの分量は多いので、テンポよく解き進めてなるべく最後の大問に時間が割けるように時間配分をしたいところです。

<頻出分野>
頻出分野は概ね満遍なく出題されていますが、辛うじて確率や空間ベクトルがちょっぴり頻出かといったくらいです。小問集合の形式が年度によってブレており、今回は独立した小問が8つでしたが、大問1の中にある程度まとまりのある大問が3つ、といった形式になっていることもあります。

<愛知医科大学 数学の対策>
愛知医科大学医学部の数学の対策としては、基本問題や典型問題が中心なので、網羅系問題集を用いたインプット学習は必須でしょう。基礎問題精巧や黄チャートなど、少しレベルを落とした網羅系でも合格者最低点レベルは十分に見込めそうです。もう少し上を目指すなら、チョイス新標準問題集などの平易な演習書に取り組めば良いでしょう。

英語の分析 

<目標得点ライン>
満点150/H135/M105/L95/L-90/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間:80分間 大問7問
  • 苦手でなければ普通に完走できる分量。
  • 対策:通常の長文演習に加え、『ネクステージ』などの文法問題集の学習も怠らないこと。 
問題番号分野難易度
1会話表現B
2語彙
3並び替え
4語彙の挿入
長文
長文
長文

<試験問題の概要>
制限時間は80分の試験です。大問1は会話表現、大問2は語彙に関する問題、大問3は並び替え、大問4は語彙の挿入の問題となっています。難易度はやや易しい~標準レベルで、そう難しくはありませんが、設問の数自体は多いので、ネクステージなど標準的な文法問題集を丁寧に一周しておいた方が無難と言えます。大問5、大問6はちょっとお堅めのテーマで、短めの精読問題です。大問7は普通の長文問題で、大問5や6に比べると速読系の問題になります。

<時間配分に関して>
時間は80分ありますが、長文がそうガッツリでもないので、苦手でなければ普通に完走できるくらいの分量でしょう。

<愛知医科大学 英語の対策>
通常の長文演習に加えて、ネクステージなどの文法問題集の学習も怠らないようにしていきましょう。

化学の分析 

<目標得点ライン>
満点100/H95/M75/L65/L-60/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン )

  • 試験時間:100分間(理科2科目) 大問3問
  • 全体的に標準レベルも、演習量に左右される問題が多く、やや浪人生が有利な印象。
  • 時間はちょうどよい程度。解き方が分からない問題は飛ばして進める。
  • 対策:『重要問題集』B問題レベルまで取り組んでおきたいところ。短時間で解くトレーニング。
問題番号分野難易度
1理論B
2有機
3高分子

<出題分野の傾向>
理科2科目併せて100分なので、化学には50分割けることになります。令和2年度では理論1問、有機1問、高分子1問のセットでした。高分子は例年必ず出題されているようで、年度によっては大問2つ分高分子の出題になっていることもあります。合成高分子も天然高分子も出題されているので、高分子に関しては満遍なく学習を薦めたいところです。無機に関しては、ここ最近は殆ど出題がありません。

<試験問題の概要>
全体的に標準レベルの問題ですが、演習の経験があるかないかで正答できるかどうかが決まる問題も多く、やや浪人生が得点しやすい試験の印象があります。

<時間配分に関して>
時間に関しては、50分ありますが、ちょうどよいくらいです。ただしこれは計算問題の解き方が一瞬で分かる前提なので、解き方が分からない問題があれば飛ばし飛ばし進めてください。

<愛知医科大学 化学の対策>
愛知医科大学の化学の対策としては、重要問題集はなるべくB問題レベルまで取り組みたいところです。また時間もそうたっぷりあるわけではないので、短い時間で解けるようになるまでトレーニングしましょう。

物理の対策 

<目標得点ライン>
満点100/H80/M65/L55/L-50/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン )

  • 試験時間:100分間(理科2科目) 大問3問
  • 化学と同様に演習経験の有無で差がつく問題。やや浪人生有利な問題セットか。
  • 50分しかないが分量多く、時間はかなり厳しい。
  • 対策:『重要問題集』B問題、『名門の森』★★レベルまで行いたいところ。過去問演習で時間配分の練習も行っておくこと。
問題番号分野難易度
1力学
2電磁気
3原子

<出題分野の傾向>
理科2科目併せて100分なので、物理には50分割けることになります。大問3問構成で、令和2年度では、力学1問、電磁気1問、原子1問というセットでした。例年、力学と電磁気が固定で、最後の1問は波動か熱か原子、といったパターンのようです。原子の出題もそこそこあるので、バランスよく学習をする必要があります。

<試験問題の概要>
化学同様、演習の経験があるかどうかで差がつく問題が多く、 やや浪人生の得点率が高くなりがちな問題セットとなっています。

<時間配分に関して>
時間は50分しかないですが分量もそこそこあるので、時間に関してはかなり厳しくなっています。後半の設問はやや難しいため、飛ばしながら進めていきましょう。

<愛知医科大学 物理の対策>
愛知医科大学の物理の対策としては、重要問題集B問題や、名問の森★★レベルの演習まで行いたいところです。時間配分の練習も必要なので、過去問演習はある程度行っておいてくださいね。

生物の対策<75分・4問> 

<目標得点ライン>
満点100/H85/M75/L65/L-60/
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格者最低点予想ライン ) 

  • 試験時間:100分間(理科2科目) 大問3問
  • 基本問題中心だが、初見だと悩む問題が並ぶ。
  • 50分しかないが、演習経験豊富な受験生なら時間は余る。演習不足だと時間不足か。
  • 対策:標準的な問題集だけでもOK。余裕があれば網羅性の高い問題集までやると有利。遺伝は時々出題。こちらも余裕あれば対策を。
問題番号分野難易度
1体内環境
2細胞生物
3分子生物&発生

<出題分野の傾向>
理科2科目併せて100分なので、生物には50分割けることになります。愛知医大生物は分野の偏りがかなりあります。体内環境がとにかく頻出で、次点でと分子生物と発生も頻出です。進化と系統に関してはちょいちょい出るくらいで、生態は出題が見られないものの、植物生理はごくまれに出題があるようです。

<試験問題の概要>
基本問題、標準問題が中心ではあるものの、他の理科科目と同様、ネタを知っていれば瞬殺、そうでなければ悩むといった問題が並びます。

<時間配分に関して>
時間に関しては50分しかありませんが、演習の経験が豊富な受験生なら余るものの、そうでなければ時間が足りなくなるかもしれません。

<愛知医科大学 生物の対策>
愛知医科大学の生物の対策としては、基礎問題精講などの標準的な問題集だけでも構いませんが、余裕があれば生物重要問題集や大森徹の最強問題集など網羅性の高い問題集まで演習しておけばかなりアドバンテージになるでしょう。遺伝に関しては時々出ているようなので、これもまた余裕があれば対策しておきたいところです。

全体の得点戦略

  • 同じ愛知県の藤田医大よりも癖のない問題。素直に模試の判定通りに合否が決まりそう。
HMLL-満点
数学1251009080150
英語1351059590150
物理80655550100
化学95756560100
生物85756560100
合計435345305280500

愛知医科大学の全体の得点戦略について考察してみようと思います。愛知医科大学の令和2年度での合格最低点は281点と発表されています。この得点は繰り上げ合格者も含む点数であることから、物理選択の繰り上げ合格者最低点であるLマイナスラインの合計を280点と設定しました。どの科目も基礎~標準問題が中心ですが、時間が不足気味なので、問題レベルの割にはやや低めの得点分布になっています。理数に関しては、「標準問題を短時間で解けるように」という王道的な勉強の仕方で十分Mライン以上の得点が期待できます。英語に関しては若干注意が必要で、そう難しくはないですが文法問題比率も高く速読力では差がつかないので、長文演習ばっかりやっているような受験生だと意外と伸び悩むかもしれません。同じ愛知県の藤田医大よりは癖のない問題なので、国公立大や他の私大との併願はけっこうやりやすいでしょう。藤田医大は高学力の受験生がまさかの不合格という事例もちょいちょいあるようですが、愛知医大は素直に模試の判定通りに合否が決まりそうです。

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