総評
- 小論文(=英語)は傾向変化進む。いずれにせよ差がつかないので、数学・理科で合否が決まる。
小論文が事実上の英語試験でしたが、課題文のほとんどが和文となり、国語の試験の色合いが強くなっています。いずれにせよ、数学や理科で合否が決まるでしょう。
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入試の基本情報と面接
- 二次比率50%
- 小論文は事実上の英語。生物選択不可※R4では課題文の多くが日本語となりました。
- 面接一発アウトリスクは低いながらも有り。圧迫面接の噂。
- 公民1科目受験可。現代社会、倫理、政治経済の選択科目が可能。
国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 | 面接 | 合計 | |
共通 | 100 | 50 | 100 | 100 | 100 | – | 450 |
二次 | – | – | 150 | 150 | 150 | – | 600 |
二次比率は50%で、完全にイーブンです。小論文は事実上の英語でしたが、R4では課題文の多くが和文となり、事実上の国語となっています。作題者自身が試行錯誤を繰り返していると考えられ、今後も傾向変化は進むと予想されますが、理数が圧倒的に重要なのは変わりないでしょう。理科は生物選択不可です。面接点は0点ですが、かなり昔に再受験生の面接一発アウトの事例で裁判にまでなり、今でも一発アウトが稀にあるという噂です。圧迫面接になることも時々はあるようですが、最後まで耐えきればどうにかなりそうです。受験勉強で根詰めているところに圧迫面接は中々つらいですが、感情的にならずに乗り切りましょう。また、公民は現社、倫理、政経一科目だけでも受験が可能です。
数学の分析<120分・5問>
<目標得点ライン>
満点150/H135/M110/L95
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 大問5問構成 制限時間120分
- 難易度は標準。求値・論証が半々。
- 斬新な設定の問題は少なく、多くは市販の標準問題集に類題があるはず。
- ボリュームはほどほど。順調にいけば時間も余るはず。
- 標準問題集を全範囲まんべんなくこなそう。極座標・二次曲線・曲線の長さなどマイナー分野にも注意。
- 対策:地方国立、下位旧帝大レベルでアウトプット演習。ハイレベル問題対策は不要
<試験問題の概要>
大問5問構成で、制限時間は120分の試験です。全体的な難易度は標準的な問題で構成されています。求値問題、論証問題がバランスよく出題されています。斬新な設定の問題は少なく、多くは市販の標準問題集に類題が見られるでしょう。
ボリュームもほどほどで、順調に解き進められれば時間に余裕もできるでしょう。ここ数年大きな難易度の変化はありませんが、令和2年度に関してはやや易しめでした。
<頻出分野>
まんべんなく全分野から出題されていますが、ちょっぴり数列が多めかもしれません。
<群馬大数学の対策・インプット編>
標準問題、典型問題の割合が他の大学に比べても特に高いので、標準問題集で標準的問題の解法をマスターすることが最優先です。高校数学の全単元からまんべんなく出題されているので、バランスよく勉強し、大問を丸ごと落とすということがないようにしましょう。極座標・二次曲線・曲線の長さなど、他大学の入試では比較的出題頻度の低い問題もあるので、このようなテーマも、広く浅くでよいので、拾っていきましょう。
<群馬大数学の対策・アウトプット編>
小問誘導の多い地方国公立大、下位旧帝大レベルでよく、ハイレベルな問題の対策は一切不要です。
小論文=事実上の英語の分析<90分・1問>
<目標得点ライン>
満点150/H75/M60/L45
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 制限時間90分
- 大問1問。医療系のテーマが多め。
- 殆ど記述。和訳問題も多め。京大英語ぽい。
- 自由記述もあり。概ね250字程度で意見を書く。
- 読解量は少ないものの、記述量は多いので時間が余ることはないはず。
- 注釈は沢山あるものの、テーマの専門性強いためか低い得点帯であまり差がつかない試験に。
- 精読系。京大の理系ジャンル読解が対策に有効?
- 自由記述の演習は基本的に不要。やっても直前。
- R4より課題文の大半が日本語に。しばらく傾向は定まらないか?
<試験問題の概要>
事実上、英語の試験ですが、小論文らしい自由記述要素の強い設問もあります。90分の試験で、大問はなんと1問です。おおむね医療系のテーマが出題されます。
自由記述要素がない問題でも、ほとんどが記述問題で、和訳問題なども目立ちます。京都大学の英語と似たような形式です。自由記述の設問はおおむね200~250字程度の記述をさばくという形です。
長文1問なので、トータルで読解する量は少ないものの、記述を大量にさばく必要があるので、時間は滅茶苦茶余るというほどでもありません。注釈はたくさんついていますが、テーマの専門性が強く、低い得点帯であまり差がつかない試験になるようです。※R4では課題文の多くが和文となり、事実上の国語となっています。作題者自身が試行錯誤を繰り返していると考えられ、今後も傾向変化は進むと予想されますが、理数が圧倒的に重要なのは変わりないでしょう。
<群馬大小論文の対策>
基本的には数学と理科で差がつく試験ですので、小論文(英語)については精読のトレーニングの後、京大過去問の理系ジャンルの読解で和訳と内容説明のトレーニングを積めば、そこそこ取れるんではないでしょうか。自由記述はせいぜい250字程度の意見を書くレベルの設問が数問なので、本格的な小論文のトレーニングは必要ないでしょう。やるにしても直前ギリギリで構いません。
化学の分析<60分・4問>
<目標得点ライン>
満点75/H67/M60/L52
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 制限時間120分(理科2科目)
- 大問4問。理論1、理論+無機1、有機1、高分子1。
高分子はしっかり。無機は頻出ジャンルのみでOK。 - 難易度はやや易〜標準。計算重めの問題もあるがまずはスルーして最後まで完走しよう。
- 高得点勝負。ケアレスミスが命取り。
<出題分野の傾向>
大問4問構成で、理論が1問、理論と無機の融合問題が1問、有機が1問、高分子が1問です。高分子は他の大学を受験する場合は簡単にしか対策しないことも多いですが、群馬大学は高分子で大問まるまる1問が出題されるため丁寧に対策しましょう。逆に、無機は理論との融合問題として出題されることが多く、全体の得点に対する割合は控えめです。ただし無機の知識が無いと後半の理論の問題が解けなくなるケースもあるため、ほったらかすわけにもいきません。頻出テーマに的を絞り、対策はしておくべきですが、マニアックな知識を詰めていってもあまり報われません。
<試験問題の概要>
理科2科目で120分なので、化学には60分割けます。大問4問構成。全体的な難易度はやや易しい~標準レベルで、さくさく解いていけるはずですが、所々重めの計算もありますので、そういう問題は思い切って飛ばしてまずは最後まで完走しましょう。
<時間配分に関して>
高得点勝負なので、ケアレスミスを防ぐのが重要になります。数問飛ばして最後まで進む方が多いでしょうが、残った問題を解くよりもミスのチェックに回りましょう。
物理の対策<60分・3問>
<目標得点ライン>
満点75/H60/Mx50/L45
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 制限時間120分(理科2科目)
- 大問3問構成。難易度は標準。力学+電磁気+熱 or 波動。熱の方が多い?
- 時間は足りない。全問解ききる必要もない。
- 化学が取りやすいので、化学から始めるべき。
- 各大問のうち、確実に解ける問題を押さえて行く方針でOK。
- 小問多く、誘導に乗っていけると◎。
- 対策:標準的な問題集の周回でOK
<出題分野の傾向>
大問3問で構成され、難易度は標準レベルです。力学、電磁気は毎年出ており、もう1つは熱か波動ですが、ちょっぴり熱の方がよく出ています。
<試験問題の概要>
理科2科目で120分なので、物理には60分が割けます。
<時間配分に関して>
時間は全く持って足りませんが、全問解く必要もありません。化学の方が点が取りやすいので、そちらでしっかり得点を確保してから、物理に手を付けることをお勧めします。物理に関しては、各大問のなかの確実に解ける問題を押さえるだけで構いません。また小問が多いので、上手に誘導に乗っていくことが重要です。
<群馬大物理の対策>
問題のレベルは標準レベルなので、標準レベルの問題集をきちんとこなすことが大切です。
群馬県の地域医療の概況
- 人口当たりの医師数は平均レベル。
- 医療資源は前橋に一極集中。近隣の高崎、太田、伊勢崎、渋川、桐生などは人口多いが医師不足。
- 草津温泉(吾妻地域)、富岡製糸場(富岡市)など観光資源豊富。医師は不足だが回復期病棟など多め。
- 耳鼻科、脳神経外科が不足。その他形成外科も不足らしい。
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