<傾向と対策>新潟大学(医学部医学科)数学の難化で異変あり。数強の受験生が有利に。他の科目は易問。

総評

  • 数学の難化、物理選択有利の要因が重なり、数学・物理などの理系科目が得意な受験生に有利な試験となりつつある。
こ最近の数学の難化、物理選択有利などの要因が重なり、数学・物理などの理系科目が得意な受験生に有利な試験となりつつあると言えます。

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入試の基本情報と面接

  • 二次比率62%
  • 面接点は0点。15分間で基本的な内容ごく稀に面接で不合格がある
  • 公民は1科目受験可能※「現社」、「倫理」、「政経」もOK
  • 国語、社会よりも理系科目の完成に力を注ぎたいところ
  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 100 50 200 200 200 750
二次 400 400 400 1200

二次比率は62%で、二次型といえます。

面接点はゼロ点で、15分の試験でおおむね基本的な内容が聞かれるようです。ごく稀に面接落ちがあるようですが、気にしても仕方ないですね。

数学の分析

<目標得点ライン>
満点400/H300/M220/L180
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 大問4問、試験時間90分
  • 難易度は標準~やや難
  • H31以降、難度UPし、時間厳しい
  • 数Ⅲ 微積は頻出、その他も満遍なく出題
  • 対策:数Ⅲ微積をスピードを意識しながら標準問題を中心に重点的に対策その他の分野も短時間で解けるように。地方国公立、下位旧帝大レベルの問題演習で思考力や論証力を身に着ける。

<試験問題の概要>
大問4問構成で、制限時間は90分の試験です。

全体的な難易度は標準~やや難程度です。それなりに難しい問題も含まれているのに、制限時間が90分しかありません。

平成30年度までは典型問題や標準問題だけが出題されていたため90分の試験でも少し時間があまるくらいでしたが、平成31年度以降は、問題の難易度が上がりましたので、やや時間に厳しい感じになってきます。

数3微積などでは計算量も多く、他は計算量は少な目ではありますが、方針を立てる段階や論理的な記述解答を仕上げる段階で時間を要するでしょう。

<頻出分野>
数3微積は毎年出題され、その他の分野はほぼ満遍なく出題されています。時間の制限はやや厳しいものの、やや難の問題も手順や作業量の多い重厚な難問ではありませんので、数学が得意な人なら何とか解けてしまうでしょう。

<新潟大数学の対策>
やや難レベルの問題も、全く手を付けられないレベルのものではありませんので、難問に特化した対策をする必要はありませんが、地方国公立大、下位旧帝大レベルのやや難レベルの問題演習にじっくり取り組み、アウトプット中心の勉強で思考力や論証力を身に着けることで、少なからず得点に繋がるでしょう。

英語の分析 

<目標得点ライン>
満点400/H300/M280/L260
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間90分、大問3問
  • 長文2問、英作文1問
  • 難易度は全体的に平易。時間も十分
  • 採点が厳しく、減点に注意
  • 短文の和文英訳と自由英作文が出題
  • 対策:長文は共通テストの延長線上でOK減点されないように添削してもらえるとベスト自由英作文は重点的に対策が必要馴染みのないテーマでも意見を作れるように

<試験問題の概要>
90分の試験で、大問は3問ですが、2問が長文で1問が英作文です。全体的に平易なので、時間もそこまできつくはありません。

長文のレベルも易しく、以前のセンター試験とほぼ同等のレベルです。設問もかなり簡単で、どこを抜き出して訳せばよいのか、分かりやすい設問が大半です。

とはいえ採点はかなり厳しく行われているようで、詰めが甘いと大きな減点を食らいかねません。

作文は短文の和文英訳と自由英作文が出題されています。和文英訳については例文暗記の延長線上で簡単に処理できるでしょう。自由英作文も80~100ワードほどでそれほど長くはないですが、テーマは人によっては書きにくいテーマになることもあるので、色々なジャンルで自分の意見が言えるように自由英作文慣れしておきましょう。

ちなみに令和2年度の自由英作文のテーマは「Youtuberは目指すべき良い職なのか?」というテーマだったそうです。

<新潟大英語の対策>
長文の対策は共通テストの延長線上でほぼOKですが、直前期には細かいところで点を引かれないよう、厳しめに記述答案を添削してもらえるとベストと言えます。

和文英訳は例文暗記を繰り返す程度で良いですが、自由英作文は重点的な対策が必要です。あまり自分のなじみの無いテーマに関しても、自分の意見をその場で作り出せるようにトレーニングしたいところです。

化学の分析 

<目標得点ライン>
満点200/H180/M160/L150
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間180分(理科2科目)
  • 大問4問構成
    理論1問、有機1問、高分子1問は固定もう1問は今まで無機、R2は理論(結晶の計算)
  • 難易度は余裕。理論2問の傾向続くとちょうどか
  • 高分子が毎年出題。理論の初めの分野も高頻度
  • 対策:標準的な問題集の周回に加え、高分子だけ+aの対策が必要空き時間で教科書、資料集のチェック

<出題分野の傾向>
高分子が毎年出題されているので対策が必須なのと、原子の構造や化学結合といった、理論化学の初めの方の分野も他の大学に比べると出題頻度が高くなっています。

<試験問題の概要>
基本的には大問4問構成で、理論が1問、有機が1問、高分子が1問が固定で、もう1問が今まで無機だったのですが、令和2年度は理論になり、結晶の計算問題が出題されています。

大問ごとにやさしい問題からやや難しい問題まで難易度の傾斜がありますが、どの年にどの分野の問題が難しくなるかは一定していません。難しい問題で詰まることもあるかもしれませんが、時間もたくさんあるので、落ち着いて対応しましょう。

時間は例年たいへん余りますが、理論2問の傾向が固定されるとそこまで余らないようになるかもしれません。

<新潟大化学の対策>
基本的には重要問題集などの標準的な問題集の周回でOKですが、高分子だけ新演習などプラスアルファで追加すると良いでしょう。

令和2年度では消えてしまった無機の大問が復活するがどうかがグレーですが、必ず出題されるわけではないので、無機対策については、他の科目に課題があればそれを優先してよいかと思います。高得点を狙っていくには、広い範囲をまんべんなく勉強していくことが大事で、他の大学では出題されにくい分野でも、基本的内容はきちんと理解して覚えていくことが必要です。

机の前でガッツリやるレベルのものでもないですが、通学中や休み時間などの空き時間に、教科書や資料集などを眺めるくらいのことはしておいてもいいかもしれません。

物理の対策 

<目標得点ライン>
満点200/H180/M160/L150
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間180分(理科2科目)
  • 大問3問構成
  • 難度はやや易しい~標準。難問はなし
  • 時間たっぷり。かなり余るか
  • 力学、電磁気、熱と波動が頻出原子分野はほとんど出題されていない
  • 対策:標準的な問題集を1冊丁寧に仕上げる弱点を作らない勉強の仕方を心がける

<試験問題の概要>
大問3問構成で、難易度はやや易しい~標準レベルです。

全学部共通問題となっており、難問は一切ありません。時間もたっぷりあり、多くの人は時間がかなり余ることでしょう。

分野としては、力学で大問1問、電磁気で大問1問、熱と波動をAとBに分けて大問1問出題されているケースが多く、原子分野は殆ど出題されていません。

標準的な問題集の典型問題を抑えるだけで、合格水準に到達できます。

<時間配分に関して>
理科2科目で180分なので、物理には90分の時間は割けます。

<新潟大物理の対策>
難しい問題が解けるようになる必要は全くありません。

標準レベルの問題集を1冊丁寧に仕上げれば、十分に合格点に到達します。原子分野の出題は少ないものの、熱や波動は同時に出題されることが多いので、弱点を作らないような勉強の仕方を心がけましょう。

生物の対策

<目標得点ライン>
満点200/H170/M155/L140
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

  • 試験時間180分(理科2科目)
  • 大問4問。出題分野に偏りあり進化と系統が必ず出題植物関係の分野も1題は必ず出題分子生物学と体内環境も頻度高い
  • 対策:網羅性の高い標準問題集で演習例. 『大森徹の最強問題集(文英堂)』論述対策は『記述・論述問題の完全対策(駿台文庫)』が有用か
  • 遺伝対策も必須

<試験問題の概要>
理科2科目で180分なので、生物には90分程度の時間は割けます。

大問4問構成で、出題分野には偏りがあります。進化と系統が必ず出題されており、そう難しくはないのですが、広いテーマから出題されているので、この分野だけは標準的で網羅性の高い問題集を2冊こなすくらいでもいいかもしれません。

植物関係の分野も1題は必ず出題されており、医学部受験生はあまりモチベーションの出ない分野ではありますが、それゆえに意識的に復習の回数を増やすなどして対応すべきでしょう。

その他は、分子生物学と体内環境なども出題頻度は高いですが、進化と系統や植物関係の分野に比べると、試験対策のコスパとしてはあまりよくありません。また、かつては選択問題の形で生態が出題されていましたが、ここ5年ほど、殆ど生態の出題がありません。知識問題が多く、論述問題もあるので、漏れのない学習を進めていくことが必要でしょう。

<新潟大生物の対策>
なるべく「大森徹の最強問題集」など網羅性の高い標準問題集で演習を続けることが望ましいと言えます。

論述対策に関しては「記述・論述問題の完全対策」が有用です。考察問題は少なく、あったとしてもほどほどの難易度なので、考察系問題集をやる価値はあまりありません。

必ず出題される進化と系統の延長線上で、集団遺伝を代表とした遺伝の問題が出題されることもそれなりに多いので、遺伝対策は必要でしょう。

新潟県の地域医療の概況

  • 人口当たりの医師数はかなり不足。新潟市以外は全国平均を下回る
  • 新潟市、長岡市、上越市が3大拠点だが、長岡市、上越市は少ない医師数で支えている
  • 魚沼、佐渡は過疎地域。人口も医師も少ない
  • 新潟に残る予定の受験生は面接でアピールを人口当たりの医師数はかなり不足。新潟市以外は全国平均を下回る
  • 新潟市、長岡市、上越市が3大拠点だが、長岡市、上越市は少ない医師数で支えている
  • 魚沼、佐渡は過疎地域。人口も医師も少ない
  • 新潟に残る予定の受験生は面接でアピールを

新潟県は県全体として人口当たりの医師数はかなり不足しており、新潟大のある新潟市以外は全国平均を下回ります。

新潟市、長岡市、上越市が新潟の医療の3大拠点ですが、このうち長岡市や上越市は比較的人口は多いものの、少ない医師数で地域医療を支えている地域になります。

魚沼や佐渡と言った地域は過疎地域で人口も少なく医師も少なく、といった地域で、全体的にカツカツで医療を回している傾向にあります。面接に関しては今こそ比較的寛容とされていますが、このような背景もありますので、新潟に残る予定があるなら、新潟の地域医療への貢献について、何かしらのアピールをしてみてもいいかもしれません

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