総評
- 網羅性の高い標準問題集をこつこつやっていこう。
- 標準問題だが制限時間がそこまで厳しくはない。
例年時間がそこまできつくもないので、極端に問題集の周回数を増やすというよりは、ボリュームのある網羅性の高い標準問題集をこつこつこなしていくようなやり方のほうがプラスに働くように思います。
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入試の基本情報と面接
- 二次比率57%⇒69%へ変更(2022年度より配点の変更あり)
- 面接一発アウトリスクはほぼなし。多浪・再受験も安心。
- 面接は色んなジャンルを聞かれるが、合否には関係せず。
- 公民1科目受験OK
国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 | 面接 | 合計 | |
共通 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | – | 500 |
二次 | – | – | 400 | 300 | 400 | – | 1100 |
二次比率は57%で、やや二次型といえます。
※2021/9/23追記 こっそり二次比率が69%になっています。(下記URL p13参照)
https://www.okayama-u.ac.jp/user/st/nyushika/pdf/kansuruyoko/2022-06_kyokakamoku.pdf
面接点については0点で、面接一発アウトの噂もありません。志望動機について基本的な内容を聞かれるほか、医療ニュース、研究、地域医療に至るまで色々なジャンルの質問がされるようですが、これをもって合格者の評価とするようなことはないようで、受験生が医療や医学の何に関心があるのか聞き取りをしているといった感じなのでしょう。
また、公民は1科目可能です。すなわち、現社、倫理、政経一科目だけでも受験が可能です。配点は標準的で癖がなく、純粋に総合的な学力が評価されているようです。
数学の分析
<目標得点ライン>
満点400/H340/M300/L280
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 制限時間120分 大問4問構成
- 難易度は標準。論証問題少な目。
- 明らかな典型問題は少ないが、標準問題に少しひねりを加えたくらいのレベルの問題。
- ボリュームはほどほど。トラブル無ければ時間に余裕もあるはず。
- じりじりと難化傾向。
- 確率・複素数・二次方程式や二次曲線が頻出。数3は全分野がんばろう。
- 標準問題集のインプットが終われば、少しひねった問題も多いので、下位旧帝大レベルの問題でアウトプット演習を積もう。難問対策は不要だが、パターンは沢山知っておきたいところ。
<試験問題の概要>
数学の分析に入ります。大問4問構成で、制限時間は120分の試験です。全体的に標準的な難易度の問題で構成されています。論証問題は若干少ない印象です。
見るからに典型問題というものはありませんが、かといって高度な思考力・論証力を必要とする問題も無く、標準レベルに少しひねりを加え、適度なレベルの思考力を問う問題が多めになっていると言えるでしょう。
ボリュームもほどほどで、順調に解き進められれば時間に余裕もできるでしょう。得意な単元、取れそうな問題から着手するスタンスで問題ないでしょう。
<頻出分野>
ここ数年ほどではそれほど大きな難易度の変化はありませんが、それより前との比較ということになると、ちょっとずつ難化している傾向があります。
確率が3年連続、複素数も2年連続で出題されており、頻出単元と言っていいでしょう。二次方程式や二次曲線も出題頻度は高めで、対策する価値はあります。結局、数3を微積だけでごまかさず、全単元きちんと固める必要があるということですね。
<岡山大数学の対策・インプット編>
標準的な難易度の問題集で標準問題の解法をマスターすることが最優先です。
<岡山大数学の対策・アウトプット編>
難易度の高い問題に絞った対策は基本的には不要ですが、頻出単元の確率や複素数を中心に、様々なパターンの問題に触れておくとよいでしょう。
英語の分析
<目標得点ライン>
満点400/H340/M300/L280
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 制限時間120分
- 大問4問 2問は長文 2問は作文
- 読解は標準、ボリューム少な目。
- 大問1は要約に近いレベルの内容説明問題あり。
- 大問2は普通の長文問題。
- 大問3は短文の和文英訳。簡単だが許容される表現の幅狭いかも。例文暗記が入試直前まで有効な可能性。
- 大問4の自由英作文はたっぷり余った時間で
- 良い答案を書こう。
<試験問題の概要>
120分の試験で、大問は4問、2問は長文、2問は英作文です。
読解は標準レベルで、ボリュームはあまり多くありません。大問1に殆ど要約に近い内容説明問題があり、ここで若干の点差がつきそうです。大問2は普通の読解問題といったところで、時間も有り余っているので高得点を撮りたいところです。大問3の短文の和文英訳は易しいですが、易しいからこそ許容される表現の幅はあまり広くないことも予想され、例文暗記などの学習法を受験直前までしっかり目にやった方がいいかもしれません。
長文が易しくそう長くもないので、時間はやや余裕が出るでしょう。大問4の自由英作文のテーマそのものはちょっと凝ってはいますが、時間も余っているので最後の最後まで解答を練り上げましょう
<時間配分に関して>
近年の入試問題としては珍しく、時間にかなり余裕のある試験なので、速読よりも精読に重点を置いた学習を心がけましょう。
ここ数年で減少傾向にありますが、記述問題で大きな差がつくと考えられ、自由英作文もそこそこのボリュームのこともあることですから、なるべく早い段階で添削指導などがつけられるとプラスに働くでしょう。
化学の分析
<目標得点ライン>
満点200/H190/M160/L140
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 制限時間120分(理科2科目)
- 大問5問。理論2、無機1、有機1、高分子1。
- 難易度は標準レベル。計算少な目でサクサク。凝った問題あるがまずはスルーで完走しよう。
- 凝った問題も時間をかければ解けるが、見直しに回るほうが得策
<試験問題の概要>
大問5問構成で、理論が2問、無機が1問、有機が1問、高分子が1問です。
無機・高分子はほかの大学を受験する場合は簡単にしか対策しないことも多いですが、ここを受ける場合は無機で大問まるまる1問、高分子で大問まるまる1問と出題されるため丁寧めに対策しましょう。
難易度は標準レベルで、理論の計算問題がそこまで多くないのもあり、きちんと実力があればさくさく解いていけるはずですが、時々凝った目新しい設定の問題があります。
時間制限が厳しいのもありますので、そういう問題に引っかかり過ぎずに、まずは最後まで完走して、すぐに解答できる問題を確実に拾っていきましょう。
難しい問題も、化学の実力があれば、残り時間次第で普通に解けるレベルとは思いますが、ケアレスミスのチェックに回るほうが、確実に受かるための試験の受け方としては正解な気はします。下手に首席を狙って落ちたら格好悪いですもんね。
<時間配分に関して>
理科2科目で120分なので、化学には60分割けることになります。
物理の対策
<目標得点ライン>
満点200/H170/M160/L140
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 制限時間120分(理科2科目)
- 大問4問構成。難易度は標準~やや難。
- 時間厳しく、全問解ききるのは難しい。たくさんの過去問演習をしているとテーマが被っていることに気が付くはず。
- 標準問題集のやりこみはマスト。
- 難問系問題集も有効だが、標準問題を速攻で解けないと効果が発揮できない。
<試験問題の概要>
大問4問で構成されますが、難易度は標準からやや難しめでしょう。ここ何年かで少しずつ難しくなっているようです。
時間内に全ての問題を完答しきるのは難しく、難しい問題は飛ばしながら進めていく必要がありそうです。
数年解くだけでは掴みづらいのですが、たくさんの年度を解いてみると同様のテーマを扱った出題がしばしばあります。過去問演習をなるべく多くの年度で行い、丁寧に間違いなおしを続けていると、試験本番でもどこかの年度で解いたテーマと同様の出題が見られるかもしれません。
<時間配分に関して>
理科2科目で120分なので、物理には60分の時間は割けます
<岡山大物理の対策>
標準的な問題集をきちんとやりこむのは勿論ですが、やや難しい問題もあるため、難問系問題集もやって損ではありません。
ただし標準問題を短時間で解ききり時間の余裕が出てきたところに難問系問題集の効果が出てきますから、標準問題をおろそかにしては、難問を解くための時間が確保できず、難問系問題集の学習の成果は発揮されません。
生物の対策
<目標得点ライン>
満点200/H180/M150/L130
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)
- 制限時間120分(理科2科目)
- 大問4問。植物・生態・進化も出るよ。
- 知識、考察、穴埋め、記述、バランスよく出題。
- 難しい考察問題混じることあるがスルー。長めの論述問題もこだわり過ぎず一発で書く。
- 基礎固め(セミナー生物など) ⇒問題数多めの標準問題集(生物重問/大森最強)はマストか。
- 遺伝が結構な頻度で出題。「大森遺伝」が鉄板。「記述論述の完全対策」、「標準問題精講(考察系)」も有効だがコスパを考えて。
<出題分野の傾向>
大問4問構成で、植物・生態・進化を含む幅広い分野から出題され、知識問題と考察問題がバランスよく配分されています。
<試験問題の概要>
知識問題には穴埋めもあり、論述もありで、これもバランスよく配分されています。考察問題の一部に難しいものが含まれることがありますが、時間の制限も厳しいですので、「自分の解けない問題はみんな解けない」の精神で、ちょくちょく飛ばしながらテンポよく進めていきましょう。
論述問題もちょいちょいありますが、これもまた凝っている時間もないので、下書きなしで書き下してもいいように思います。字数制限があっても、おそらく字数は余りがちになるかと思います。
基礎のとりこぼしがないようセミナーなどで基礎の復習を挟みつつ、「生物重要問題集」や、「大森徹の最強問題集」など、問題数多めの標準問題集を定着させていくのはマストでしょう。
これらの標準的な問題集に加え、遺伝もけっこうな頻度で出題されているので、対策が必須です。
<岡山大生物の対策>
「大森徹の生物 遺伝問題の解法」が今も昔も鉄板の遺伝対策本なので、夏休みあたりに一周はしておきましょう。
バランスよくいろんなタイプ、または難易度の問題が配置されているので、時間があれば、長めの記述問題の対策に「生物 記述・論述問題の完全対策」なども有効ですし、考察問題対策に「標準問題精講」などもプラスに働きますが、他の科目とのバランスを見ながら、優先順位をきちんとつけていってくださいね。
岡山の地域医療の概況
- 川崎医大は岡山の大学。岡山県は比較的医師数が多め。
- 岡山(県南東部)倉敷(県南西部)が医療の中心。
- 県北の高梁・新見(たかはし・にいみ)地域、真庭(まにわ)地域、津山・英田(つやま・あいだ)地域では医師不足傾向関連
- 病院のカバー域が旧帝大並の広さ
- 川崎医大は岡山の大学。岡山県は比較的医師数が多め。岡山(県南東部)倉敷(県南西部)が医療の中心。
岡山県は岡山大学以外に、川崎医科大学もあるため、医師数は比較的余裕があります。
岡山の医療の中心は、岡山市があり、岡山大学病院や川崎医科大学総合医療センターなどがある県南東部地域と、倉敷市があり、倉敷中央病院や川崎医大付属病院(本院)がある県南西部地域の2つです。岡山県北部は高梁・新見地域、真庭地域、津山・英田(あいだ)地域などの山間地域となっており、やや医師不足であり、岡山や倉敷の病院と協力しながら地域医療を支えています。
歴史のある医学部であるためか、関連病院はちょっとした旧帝大のように広いエリアに分布しており、隣の広島や兵庫、四国地方などにも関連病院が広がっています。
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