<傾向と対策>山口大学(医学部医学科)数強有利。英語は英作特化でリーディングで差がつかず。

総評

  • 数学は医学部受験生の間でもきっちりと差がつく試験
  • 英語は速読力は要求されないもののライティング力が要求される
  • 理科は時間に余裕のある標準問題
もともと数学の得意な受験生が、早い段階で山口大に焦点を当て重点的な英作文トレーニングを行うことによって、かなりのアドバンテージを取ることが出来るでしょう。

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入試の基本情報と面接

  • 二次比率40%
  • 面接は約5分間の面接を2回実施。概ね一般的な内容が聞かれる。面接点は0点。面接落ちリスクあり。
  • 公民は1科目受験可能。「倫理」、「政治経済」、「現代社会」も使用可能
  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 200 100 200 200 200 900
二次 200 200 200 600

オーソドックスな配点の共通テスト型です。
面接については、約5分の面接が2回行われる形式で、概ね一般的なことが聞かれるようです。面接点は0点で、面接一発アウト事例はしばしばあるので、多浪生や再受験生は注意する必要があります。公民は1科目受験が可能で、すなわち、倫理、政経、現社、それぞれ1科目での受験が可能です。1科目受験が可能で、倫理、政経、現社、それぞれ1科目での受験が可能です。

数学の分析 

<目標得点ライン>
満点200/H165/M135/L115
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 大問4問、試験時間150分
  • 難易度は標準~やや難
    各大問1~4問の誘導小問が多い
    典型問題を組み合わせて、思考力を問う問題
  • 1問1問が重厚なため、ボリュームは適正
  • 出題分野に偏りなし。多分野融合問題多い
    二次関数、三角関数、数Ⅱ微積など、文系数学で出題されやすい分野が出題
  • 対策:標準問題集での解法インプット必須
    アウトプットは地方国公立大レベルや、下位旧帝大レベルでOK

<試験問題の概要>
大問4問構成で、制限時間は150分の試験です。全体的な難易度は標準~やや難レベルです。各大問が概ね1~4の誘導小問で構成されていることが多いですが、誘導がない大問が存在することもあります。斬新なテーマを扱った問題や抽象的すぎる問題は少ないですが、典型問題を組み合わせて思考力を問う問題が多くなっています。方針は立ちやすいですが、最後まで完答しきるには思考力や計算の工夫を要することが多いのも特徴でしょう。

<制限時間に関して>
制限時間は150分とたっぷりあるものの、1問1問は重厚な問題となっているため、ボリュームは適正です。細かい誘導はないことが多く、小問毎に方針を立てるのに時間を要し、またその後の作業量も多くなっています。

<頻出分野>
出題分野に偏りはなく、多分野融合問題が多くみられるほか、二次関数・三角関数・数”2”微積など、文系数学で出題されやすい分野が出題されることも特徴的です。

<山口大数学の対策>
山口大数学の対策としては、標準問題の解法とその応用で解ける問題が多いので、青チャート、フォーカスゴールド、一対一対応の演習などで標準問題のインプットは必須になるでしょう。そのうえでアウトプット演習にも時間をきちんと割く必要があります。難問や奇問の類は出題されませんから、アウトプット演習は地方国公立大レベルや下位旧帝大レベルで構いません。問題集で言うところの、標準問題精講ややさしい理系数学レベルまで自力でやりきれば十分でしょう。

英語の分析 

<目標得点ライン>
満点200/H150/M135/L125
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間120分、大問3問。長文は2問、自由英作文1問
  • 長文は語彙:標準、内容:標準
  • 設問の半分以上で英作文が求められる
    大問1:長文 ほとんど英語で解答する問題
    大問2:長文 日本語での記述が多い
    大問3:自由英作文 条件英作文
  • 対策:とにかくライティング力で差がつく
    例文集などで表現の幅を広げるのはもちろん
    早期に添削指導の体制を整え、英作文の解答力を身に着けること。 

<試験問題の概要>
120分の試験で、大問は3問です。長文が2問、自由英作文が1問の構成です。長文については、語彙は標準レベル、内容も標準レベルです。山口大英語の大きな特徴は、設問の半分以上で英作文が必要になってくることです。大問1は長文問題ですが設問のほとんどが英語で答える形式になっており、かつ長文の表現の引用だけでは解決しないケースも多く、せっかく英文の内容が分かったとしても、ライティング力がないと点数が全く無くなってしまうということもあるかもしれません。大問2はふつうの長文で日本語で解答する記述問題が多くなっています。大問3は自由英作文で、会話文やEメールを題材として、空欄に適切な英文を書き込む、いわゆる条件英作文の形式をとっています。

<時間配分に関して>
時間は120分もあるので、速読力は要求されません。共通テストさえ乗り切ってしまえば大丈夫です。

<山口大英語の対策>
山口大英語の対策としては、とにかくライティング力で差がつくので、例文集などで表現の幅を広げるのは勿論、早いうちに添削指導などの体制も整え、しっかりとした英作文の解答力を身に着けていきましょう。

化学の分析 

<目標得点ライン>
満点100/H95/M85/L80
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間150分(理科2科目)
  • 大問5問構成。理論2問、無機1問、有機1問。高分子1問の構成
  • 難易度は標準レベル。難しい問題はほとんどないが幅広く出題
  • 計算問題はそれほど多くなく、時間は余るか
  • 対策:『重要問題集』等の問題集1周で十分余裕があれば、無機が必ず出題されるため、『Doシリーズ福間の無機化学』等でさらに安定

<出題範囲>
大問5問構成で、理論が2問、無機が1問、有機が1問、高分子が1問の構成になっています。たまに、全分野に関する小問集合で大問が1つ出来上がっていることもあります。

<試験問題の概要>
全体的な難易度は標準レベルです。難しい問題は殆どないものの、幅広い分野から出題されているので、各分野について基礎問題や標準問題の取りこぼしが無いように丁寧に学習を進めていく必要があります。

<時間配分に関して>
計算問題がそれほど多くないこともあり、制限時間も75分もあるので、ゆっくり解いていっても時間は余るでしょう。

<山口大化学の対策>
山口大化学の対策としては、重要問題集などオーソドックスな問題集を1周するだけで十分ですが、余裕があれば、無機が必ず出題されていることもあるので、Doシリーズ福間の無機化学など、有名な対策本で知識を固めればさらに安定します。

物理の対策 

<目標得点ライン>
満点100/H90/M80/L75
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間150分(理科2科目)
  • 大問4問構成。力学1問、電磁気1問、波動1問。静電気 or 原子で1問
  • 難易度は標準レベル
  • ボリュームが多いが75分あるので時間は足りる。ただし過程を書かせる問題多いため余裕なし
  • 対策:『重要問題集』、『名門の森』など標準問題集を1周するだけで十分に合格点到達。過程も含めてノートに書きながらトレーニング

<出題分野の傾向>
大問4問構成で、1問は力学、1問は電磁気、もう1問は波動、最後の1問は電磁気が原子の構成になっている。最後の問題が原子が出るか電磁気になるかは大体半々なので、原子分野についても十分に対策する必要があります。

<試験問題の概要>
難易度は標準レベルです。

<時間配分に関して>
大問が4問もありボリュームは多いですが、75分も時間があるので、それなりに物理の実力があれば時間が足りないということもないでしょう。ただし、過程を書かせる問題ばかりですので思った以上に時間がかかり、めちゃくちゃ余裕があるわけでもありません。

<山口大物理の対策>
山口大物理の対策としては、重要問題集や名門の森など、標準レベルの問題集を一周するだけで、十分に合格レベルに到達しますが、導出過程をきちんと書かせる形式になっているので、過程も含めて丁寧にノートに書きながら問題を解くトレーニングをするようにしてください。

生物の対策 

<目標得点ライン>
満点100/H90/M85/L75
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

  • 試験時間150分(理科2科目)
  • 大問5問構成。若干分野に偏り。体内環境がほぼ確定出題、他まんべんなく
  • 難易度は標準レベル。知識問題と考察問題がバランスよく配置
  • 時間は余裕あり
  • 論述問題も典型問題が多くポイントはっきり
  • 対策『大森徹の最強問題集』等、網羅性の高い標準問題を丁寧にこなす。
  • 遺伝も時間に余裕があれば対策を

<出題分野の傾向>
大問5問構成で、分野の偏りは若干あり、体内環境はほぼ確定で出題されるものの、その他の分野は満遍なく出題されているようです。問題の難易度は標準レベルで、知識問題と考察問題がバランスよく配置されています。

<試験問題の概要>
問題の難易度は標準レベルで、知識問題と考察問題がバランスよく配置されています。

<時間配分に関して>
時間は75分もあるので余裕がでるでしょう。論述問題も多いですが、概ね典型的な設問で、解答すべきポイントははっきりしていることが多いように思います。

<山口大生物の対策>
山口大生物の対策としては、幅広い分野から標準レベルの問題がたくさん出題されているので、大森徹の最強問題集などといった、網羅性の高い標準問題集を丁寧にこなしてください。遺伝についてはちょくちょく出ているので、時間に余裕があれば対策をしておきましょう。

山口県の地域医療の概況

  • 人口当たりの医師数は全国平均レベル
  • 地域偏在も大きくなく、宇部市周辺は医師が多いが、その他地域も極端な医師不足はなく比較的安定した地域医療体制が構築
  • 診療科偏在の問題もあまり顕在化していない。相対的に救急科、皮膚科、眼科が不足傾向

山口県の人口当たりの医師数は全国平均レベルです。しかし、地域偏在はそれほど大きな問題となっておらず、山口大学付属病院のある宇部市周辺は医師が多いですが、その他の地域でも極端な医師不足の状況には陥っておらず、比較的安定した地域医療体制が構築されています。診療科偏在の問題もあまり顕在化していませんが、相対的には救急科、皮膚科、眼科などが不足傾向です。

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