腎臓の再吸収量の計算ー頻出問題解説シリーズ(恒常性)

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腎臓の微細組織

 腎臓のうち、①腎皮質を顕微鏡で拡大すると、多数の②腎小体が見られる。②腎小体は糸玉状の③糸球体と、③糸球体を囲んでいる④ボーマンのうからなる。③糸球体では、腎臓に流れる血液がろ過され、⑤水とグルコースや金属イオン(ミネラル)などの小分子が透過し、⑥タンパク質や赤血球などといった大きな分子・粒子は透過できない。糸球体を通過した液体のことを⑦原尿と呼ぶ。原尿はこのあと⑧細尿管を通っていくが、このとき、糸球体を通過してしまった様々な物質を再吸収する。細尿管では、⑨金属イオンや、⑩グルコースの再吸収が主に行われる。(金属イオンの再吸収を促進するホルモンを⑪鉱質コルチコイドと呼ぶ。金属イオンが吸収されると、尿と細尿管細胞のあいだの浸透圧差に変化が生じ、⑫二次的に水の再吸収も行われる。)原尿は細尿管を通った後、⑬集合管に移り、集合管では主に⑭水の再吸収が行われる。(このとき水の再吸収を促進するホルモンを⑮バソプレシンと呼ぶ。)腎小体~集合管までの一連の構造を⑯腎単位(ネフロン)と呼ぶ。集合管を通過した原尿は⑰尿管を通り⑱膀胱へ移動する。

計算問題の解き方

 腎機能を測定するために、①糸球体濾過量(GFR)を計測する。①糸球体濾過量は、糸球体を通ってきた液体の量であるから、糸球体からこしだされた②血しょうの量と等しく、③原尿の量と等しいとも言ってよい。この糸球体濾過量(原尿量)を計測するために、④イヌリンや⑤クレアチニンといった物質を利用する。これらの物質は細尿管や集合管での⑥再吸収を受けないため、糸球体濾過量(原尿量)の計測に適している。

 血しょう中ではこれらの物質の濃度は相対的に⑦低く保たれているが、尿中ではこれらの物質の濃度は⑧高くなる。それは、細尿管や集合管で⑨水の再吸収が起こるが、これらの物質の再吸収は殆ど起きないためである。これらの物質の⑩濃縮率(尿中濃度/血しょう濃度)に⑪尿量を掛ければ、糸球体濾過量(原尿量)が計算できる。

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