大阪市立大学(医学部医学科) 関西の数強達が集うウルトラ理数系配点。英語ヘンだけど気にしなくていいよ。

入試の基本情報と面接

 二次比率は55%です。配点は極端に理系科目に寄っている配点となっています。面接については、約15分の面接で概ね一般的なことが聞かれるようです。面接落ちの噂は聞いたことはありません。また、公民は1科目受験が可能で、すなわち、倫理、政経、現社、それぞれ1科目での受験が可能です。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 100 50 200 200 100 650
二次 300 300 200 800

数学の分析<120分・5問> 

満点300/H270/M240/L230

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 大問4問構成で、制限時間は120分の試験です。全体的な難易度は標準~やや難レベルです。各大問が2~4の誘導小問から構成されています。大学数学で扱う有名なテーマを高校数学で解けるようにアレンジしたような、問いたいことがはっきりしている問題が多い印象です。また計算が煩雑な問題はそれほど多くなく、思考力を要する問題が目立ちます。制限時間120分に対してボリュームは適正で、計算量はそれほど多くないものの、完答するまでに必要な作業量は多くなっている傾向があります。出題分野には大いに偏りがあり、数3がとにかく頻出になっています。数3微積、数列の極限などがその中でも特に頻出となっています。2018年度では大問4問全てが数3分野からの出題になっていることもありました。次点でベクトルが頻出になっています。意外にも、確率の出題があまりありません。大阪市大数学の対策としては、大問1では標準問題や典型問題の出題もあるため、青チャート、フォーカスゴールド、一対一対応の演習などの標準問題のインプットは必須になるでしょう。アウトプット演習はやさしい理系数学など鉄板のもののほかに、数3だけ丁寧に対策したいことから、標準問題精講の数3だけ追加で演習しても良いでしょう。

英語の分析<100分・4問> 

満点200/H150/M130/L120

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 長文が3問、和文英訳が1問の構成です。大問1と大問2の長文については、語彙はやや難、内容はやや難から難しいレベルです。長文そのもののレベルはたいへん高く、たくさん注釈はついているものの注釈も英語で書かれていることが多いため、読むのにはたいへん苦労します。内容も難解なテーマを扱っていることが多く、あまり丁寧に読み過ぎると時間が不足するかもしれません。救いなのは設問の難易度があまり高くないことです。空欄補充、抜出問題、内容説明問題、和訳、内容一致問題などありますが、いずれも解答の根拠ははっきりしており、「内容はよくわからないものの設問は解けている」、そういうタイプの問題になっています。大問3は英作文で、難易度は標準です。阪大レベルの直訳しにくい日本語の文を、バラバラの小問にしたような感じの設問になっています。大問4は長文の穴埋め問題となっていますが、これは比較的取り組みやすく、長文は語彙も内容も標準、設問もそこまで悩むものではありません。この大問4から解き進めるのが精神衛生上いいかもしれません。(※追記 年度によって大問4も大きく難易度の変動があるようです。)時間の余裕については、重厚な英文を含むものの、記述の設問はあまりないので、長文で悩み過ぎなければ時間はどうにか足りるか、といったところです。大阪市大の英語の対策としては、和文英訳などは竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本、などの和文英訳対策本を丁寧に練習することは必須になります。長文もガッツリ対策したいところですが、他の科目に比べて配点が低めに抑えられているので、あんまりやり過ぎるとトータルの点数は稼げません。せいぜい単語をハイレベルなものも含めてたくさんインプットする程度にとどめておきましょう。

化学の分析<75分・3問> 

満点150/H135/M125/L120

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で150分なので、化学には75分割けることになります。大問3問構成で、理論が1問、無機が1問、有機が1問の構成になっています。高分子は有機の大問の一部に出題されることもありますが、そもそも全くでない年度もあります。全体的な難易度は標準レベルですが、所々にやや難レベルの問題が紛れています。時間がたっぷりあるのでこのやや難レベルの問題にじっくり取り組みたい気持ちが芽生えてしまうかもしれませんが、このやや難レベルの問題を落としても合格点には十分届きますので、あまり難しい問題に悩み過ぎずに、解けた問題の見直しの方にきちんと時間を割く方が無難とは思います。大阪市大化学の対策としては、重要問題集などのオーソドックスな問題集を丁寧にこなすだけでもどうにかなりますが、無機がしっかり出題されているのでDoシリーズ福間の無機化学などの無機対策本で対策するとより得点が安定するでしょう。

物理の対策<75分・3問> 

満点150/H130/M120/L110

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 大問3問構成で、1問は力学、1問は電磁気、もう1問は熱か波動、の構成になっています。原子分野はあまり出題されませんが、最近出題された年度もあるので、一応フォローしておく必要があります。難易度は標準レベルの問題が多いですが、各大問の後半の設問にはやや難の問題が見受けられます。後半の設問は公式の丸暗記だけでは太刀打ちできない設問が多く、普段から丁寧に物理現象を理解しながら勉強を進めていないときちんと得点できません。やや難の設問があるものの、時間はたっぷり75分あり、大問も3問しかないので、時間の余裕はある程度あります。大阪市大物理の対策としては、重要問題集や名門の森など、標準レベルの問題集で構いませんが、1問1問、背景にある物理現象を理解しながら、丁寧に学習を進めてください。

生物の対策<75分・4問> 

満点150/H130/M120/L115

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 理科2科目で150分なので、生物には75分程度の時間は割けます。大問4問構成で、分野の偏りは若干あり、分子生物と代謝はほぼ必ず出題されており、進化と生態は次点で頻出になっています。医学部の先生が生物の試験の作題をすることがあまりないためか、体内環境や神経からの出題が控えめになっています。全体的な難易度は標準レベルで、知識問題と考察問題がバランスよく出題されています。医学部受験生は、大阪市大では医学系分野以外から出題されやすいので取り組みにくさを感じるかもしれませんが、そこをぐっと我慢して丁寧に勉強を進めていけば、それなりに安定して高得点が取れるでしょう。大阪市大の生物の対策としては、大森徹の最強問題集など、網羅性の高い標準問題集に丁寧に取り組めば、それなりに良い点数が取れるでしょう。遺伝については殆ど出題がないので、対策は不要です。どちらかというと物理有利と言われがちな大学ですが、年度によっていろいろ難易度にはばらつきがあるようで、今回分析した平成31年度については、若干生物の方が取り組みやすいんじゃないかという結論に至りました。

地域医療の概況

 大阪府の人口当たりの医師数は全国平均と比べるとやや多めになっています。地域偏在の問題も殆どないといってよく、大学病院も大阪の北部と南部にバランスよく配置されており、大阪府全域で高度な医療が提供されています。具体的には、大阪の北部には阪大、大阪医大、関西医大、南部では大阪市大のほか、近大なども医学部を持つ大学となっています。診療科偏在は殆どありませんが、精神科などは相対的に不足気味かもしれません。

総評

 大阪市大の入試は、数学や理科の配点が高く、その中でも数学は実力差が大きく現れる試験であるということ、英語は配点も低く難しめの問題なので軽量対策でとどめておくべきこと、などが抑えておくべきポイントと言えるでしょう。理数重視が配点からも明らかであるため、関西圏の中でも数強の受験生が多く集まっています。理数に自信があっても、他の受験生もハイレベルであるため、大きなアドバンテージが取れるとは限らないことを覚悟しておいてください。

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