頻出問題解説シリーズ(神経)EPSPとIPSP(興奮性シナプスと抑制性シナプス)

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シナプスと伝達

 あるニューロンから別のニューロンへ興奮が伝わるとき、すなわち、シナプス領域で興奮が伝わるとき、活動電流による電気的な信号ではなく、①神経伝達物質という化学物質によって興奮が伝わる。この化学物質による興奮の伝わり方を②伝達と呼ぶ。

 活動電位があるニューロンの③軸索末端まで到達すると、④電位依存性カルシウムチャネルが開口し、カルシウムイオンが軸索末端に流入する。すると、軸索末端にたまっていた⑤シナプス小胞にカルシウムイオンが到達し、シナプス小胞内の神経伝達物質が⑥エキソサイトーシスされる。この神経伝達物質が、次のニューロン(シナプス後細胞)の細胞膜の受容体に受け取られ、伝達が完了する。

★伝達の仕組みを図にしてみよう

興奮性シナプスと抑制性シナプス

 神経伝達物質には様々な物質が存在する。大きく2つに分ければ、興奮性シナプスで用いられる物質と、抑制性シナプスで用いられる物質に分けられる。興奮性シナプスで用いられる神経伝達物質としては、①グルタミン酸、②アセチルコリン、③ノルアドレナリンなどが多く、抑制性シナプスで用いられる神経伝達物質としては、④γ-アミノ酪酸(GABA)などがある。

 活動電位の発生には、閾値を超える刺激が必要であることを既に学んだ。これらの神経伝達物質の役割は、この活動電位発生前の刺激の強さに深く関係している。例えば、脳内にて、グルタミン酸が受容体に結合すると、受容体がイオンチャネルと一体化しており、イオンチャネルが開口し、ナトリウムイオンなどの陽イオンが神経細胞内に少し流入する。この少し流入した陽イオンにより変化した電位のことを⑤興奮性シナプス後電位(EPSP)と呼ぶ。このEPSPの総和が、閾値を超えれば活動電位が発生するのである。

 また逆に、γ-アミノ酪酸(GABA)が受容体に結合すると、流入するイオンは塩化物イオンなどの陰イオンであるため、EPSPを打ち消す方向に膜電位をシフトさせる。(⑥過分極)このマイナス方向への電位変化を、⑦抑制性シナプス後電位(IPSP)と呼ぶ。

★EPSPとIPSPの発生の仕組みを図にしてみよう

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