<傾向と対策>長崎大学(医学部医学科)最も二次比率高めの易問高得点型。生物選択もOK。

総評

  • 全体的に難度は平易で高得点勝負
  • 特に理科は幅広い分野から出題のためヤマは張れないコツコツ勉強続けてきた浪人生等にアドバンテージか
  • 全体的に努力が報われやすい良い問題
全体的に平易で高得点勝負になりますが、特に理科で幅広い分野からの出題があり、山を張った学習が難しいことから、コツコツ勉強を続けてきた浪人生などでは素直にアドバンテージが取れる大学と言ってよいでしょう。全体的に努力が報われやすい、良い試験問題になっています。

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入試の基本情報と面接

  • 二次比率63%
  • 面接は一般的な内容満点の受験生がほとんど。失敗しても大幅な減点なし
  • 公民は1科目受験可能※現社、倫理、政経でOK
  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 100 50 100 100 100 450
二次 250 250 200 60 760

二次比率は63%で、二次型といえます。

面接は概ね一般的なことが聞かれるようで、ほとんどの人は満点で、極端に面接で失敗した人でも大幅な減点はないようで、50点くらいで踏みとどまるようです。

公民は1科目受験可で、すなわち、現社、倫理、政経、1科目だけでの受験が可能です。

数学の分析

<目標得点ライン>
満点250/H230/M200/L180
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 大問4問、試験時間120分
  • 難易度はやや易しい~標準
  • 3問は共通問題、1問は医学部専用問題
  • ボリュームはほどほど。
  • 前半2問はIAIIB、後半2問はIIIであることが多い(たまに3問がⅢ)
  • Ⅲの微積、数列の極限がほぼ必出次いで複素数平面。IAIIBはベクトル。
  • 対策:標準的な問題の周回。アウトプットはIIIを中心に地方国公立、下位旧帝大レベルで。

<試験問題の概要>
大問4問構成で、制限時間は120分の試験です。

全体的な難易度はやや易しいから標準レベルです。

3問が理系の他の学部と共通、もう1問は医学部専用問題となっていることが多いようです。初めの大問が小問集合となっており、やや易しい問題と標準問題が入り混じっています。

他については、医学部専用問題も含め標準レベルで難問は殆どありません。誘導も大変丁寧で、いつの間にか完答してしまっていたということも多いでしょう。

ボリュームは程ほどですが、数3微積の計算量だけは少し多めになっているので注意してください。

<頻出分野>
前半2問が数1A2B、後半2問が数3となっていることが多く、年度によっては3問が数3になっていることもあります。

どちらにせよ、数3重視の学習をした方がよいかもしれません。数3の中でも微積や数列の極限がほぼ必ず出題されており、次いで複素数平面の出題も見られる、といった感じです。

数1A2Bでも若干の出題分野の偏りがあり、ベクトルが頻出となっています。

<長崎大数学の対策・インプット編> 
標準的な問題集を周回して、典型的な問題を反射的に解けるようにしておくだけで、最低限の点数は確保できるといってよいでしょう。

<長崎大数学の対策・アウトプット編>
頻出の数3を中心に、地方国公立大、下位旧帝大レベルの問題について行えば十分です。難問対策は不要です。

英語の分析 

<目標得点ライン>
満点200/H175/M160/L145
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間100分、大問5問
    長文3問、文法1問、英作文1問は
  • 語彙レベルは易しい、内容も標準レベル
  • 問題B:英文で解答。ケアレスミスに注意
    問題C:長文穴埋め、問題D:文法
  • 差がつくとしたら英作文150-200wordsの大作が要求される
  • 対策:長文、文法は共通テストの長でOKただし自由英作文のみ共通テスト前から準備を行っておくこと

<試験問題の概要>
100分の試験で、大問は5問です。

3問が長文で1問は文法問題、1問が英作文です。長文の語彙レベルは平易で、内容は標準レベルです。

論説文のみならず、小説も出題されますが、簡単なのであまり気にならないでしょう。設問は選択肢問題や抜き出し問題が多く、問題Bは英文で解答する問題になっているものの、これもまた難しくないので、ケアレスミスにだけ注意してください。

問題Cは長文の穴埋めの形式をとっていますが、これもさほど難しいものではありません。問題Dは文法問題になっていますが、これも易しく、かつてのセンター試験より少し簡単かもしれません。差がつくとするなら英作文でしょう。

書きやすいテーマですが語数が多く、150ワード、年によっては200ワードクラスの大作が要求されています。

<長崎大数学の対策・インプット編> 
長文や文法問題は平易なので共通テスト対策の延長線上で構いませんが、自由英作文だけが大変なので共通テストの前からこつこつ準備しておきましょう。

化学の分析 

<目標得点ライン>
満点125/H110/M100/L90
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間160分(理科2科目)
  • 大問5問構成
    理論2問、無機1問、有機1問、高分子1問
  • 無機、高分子は丁寧な対策を
  • 理論は計算問題少なく、時間は余る
  • 化学実験に関する問題も出題
  • 問題は易しいが、出題が広範囲なため、
  • 運で左右されにくい出題
  • 対策:網羅性の高い標準問題集を丁寧に周回。直前期は実験に関する問題対策

<試験問題の概要>
理科2科目で160分なので、化学には80分割けることになります。基本的には大問5問構成で、理論が2問、無機が1問、有機が1問、高分子が1問で出題されることが多いようです。

無機や高分子で大問まるまる1問出題されるので、丁寧めに勉強してください。理論化学の広範な領域について出題されますが、計算問題は少なく、時間はかなり余ります。

化学実験について問う問題がしばしば出題されており、少し変わり種の問題ではありますが、ここを落としても合格点には十分到達します。

問題そのものは易しいものの、かなり広い範囲について出題されているので、弱点があるとそのまま失点につながります。運で左右されにくい出題となっていると考えてよいでしょう。

<長崎大化学の対策>
網羅性の高い標準問題集を丁寧に周回することが重要になってくるでしょう。難問対策は必要ありません。

二次試験直前でもいいので、実験に関する問題については資料集などで色々対策をしてみてもいいかもしれません。

物理の対策 

<目標得点ライン>
満点125/H110/M100/L90
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間160分(理科2科目)
  • 大問4問構成力学1問、電磁気1問、波動1問、残る1問の前半が熱、後半が原子
  • 難易度はやや易しい~標準。難問なし
  • バランスよく学習することが必要運でほとんど左右されない
  • 時間に余裕があるため、見直しもしっかり
  • 基本問題多いが、普段の学習量の差がそのまま点差に表れる
    いい試験問題

<試験問題の概要>
大問4問構成で、1問は力学、1問は電磁気、1問は波動が固定で、もう1問の前半が熱、後半が原子という出題になっています。

難易度は概ねやや易~標準レベルです。難問は一切ありません。難易度は易しいものの、波動・熱・原子がすべて出題されているため、これもまたバランスよく学習する必要があるでしょう。

化学と同様、運で殆ど左右されないセットとなっています。

<時間配分に関して>
理科2科目で160分なので、物理には80分の時間は割けます。時間も大変余裕があるので、余った時間にしっかり見直しもしましょう。

生物の対策

<目標得点ライン>
満点125/H115/M105/L95
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

  • 試験時間160分(理科2科目)
  • 大問6問構成で出題範囲は広い 【4WM
  • 知識問題が大半、考察・記述は少ない
    ※R3からかなり重めの考察問題が予定
  • 設問数は多いが、時間切れになることはない
  • 遺伝は出題されるが、特化した対策は不要
  • 広く浅く、基本の取りこぼしが無ければ、確実に得点できる試験

<出題分野の傾向>
どの分野もまんべんなく出題されているので、山を張った学習はできません。知識問題が大半で、考察問題は少なく、記述も少ないため、かなりの高得点が狙っていけます。

<試験問題の概要>
理科2科目で160分なので、生物には80分程度の時間は割けます。大問6問構成で、広い範囲から出題されています。

次年度である令和3年度については、かなり重めの考察問題が出題される予定ではあります。

おそらく、考察問題については難しすぎてあまり差がつかない試験になるかもしれません。

6問中1問の差し替えになると予想され、考察問題対策はプラスにはなりますが、コストパフォーマンスはあまりよくないように思います。

設問数は大変多いですが、時間は80分あり、時間切れになることはありません。遺伝については出題はあるものの、難易度は難しくないので特化した対策は不要です。

広く浅く、基本の取りこぼしがなければ確実に得点になる、そんな試験となっています。

R3以降の新傾向同題(サンプル)の分析

  • 【数学】思考力を問う。そこまで苦労ないか
  • 【英語】 200wordsの自由英作文かなりトレーニング積まないと苦しい
  • 【物理】記述式になったのみ。問題は易しい
  • 【化学】実験を題材にした出題傾向強まる少し難化か
  • 【生物】長いリード文の考察問題で難度高い平易な設問を拾うのが無難か

令和3年度以降、新傾向問題として高度な記述式問題を出題すると予告しており、そのサンプル問題が公開されているので、そのサンプル問題の簡単な分析を行いました。

数学に関しては、一応、思考力を問いたい問題なんだなあ、という意図は伝わるような問題となっていますが、普段から同様の問題でトレーニングをしている受験生であれば、そこまで苦労しない難易度です。

英語は自由英作文が出題されており、長文を読んだうえで200ワードの自由英作文を書かせる形式になっています。現状でも150ワードの自由英作文でかなり分量が多いのですが、恐らくこの問題が差し変わり200ワード級になります。200ワードの自由英作文はかなりトレーニングを積まないと苦しいでしょう。

物理は、出題が記述式になっただけで易しい問題で、高得点が狙えるでしょう。化学は標準レベルで、実験を題材とした出題傾向が強まっています。今までの問題と比べると少し難しめかもしれません。生物に関しては長いリード文の考察問題です。

長崎大学の今までの過去問レベルからすると難易度はかなり高いですが、一部の設問は平易ですので、そういう問題だけ堅実に拾っていくスタイルが無難なのではないかと思います。考察問題対策をするかどうかは少し悩むどころです。

この新傾向問題以外では、考察問題は今まで殆ど出題されていないからです。私自身は、考察問題のコストパフォーマンスはあまりよくないと感じています。

長崎県の地域医療の概況

  • 人口当たり医師数:やや多め
  • 長崎に医師が集中県南部や対馬などの離島は医師不足。地域偏在大きい
  • 診療科も偏在内科、外科、精神科、整形外科は県全体としてやや多め
  • ただし地域偏在の方が激しく県南部や離島地域では上記の診療科も不足

長崎県は県全体として人口当たりの医師数はやや多めになっています。しかしながら、歴史のある名門の医学部のある長崎に医師が集中し、県南部や、対馬などの離島地域では、医師が不足しており、地域偏在はかなり大きいという状況になっています。

診療科偏在もあり、メジャーの内科・外科、精神科、整形外科などでは県全体としてやや多めになっています。とはいえ地域偏在の方が激しく、県南部や離島地域ではこれらの診療科でも不足傾向です。

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