京都大学(医学部医学科) 英語で傾向変化進む。特徴強いため早めに傾向対策を。

入試の基本情報と面接

 二次比率は80%です。配点は理科と英語重視の配点となっています。面接点はゼロ点で、5~10分の面接で、概ね一般的なことがきかれるようですが、一部、医学研究への関心を問う質問もあるようです。面接点がゼロ点になったのは最近のことで、以前は50点の配点がありましたが、多浪生や再受験生には厳しめの採点がなされていたようです。公民は1科目受験不可で、すなわち、「倫理・政経」2科目まとまった科目オンリーです。また、京大には大学別模試、すなわち京大実戦模試と京大オープン模試があります。京大実戦模試は通常通り実施されますが、2020年度の京大オープン模試については外部受験は中止になり、河合塾生と高校からの申し込みに限定される見込みとなっております。注意してください。なお、京大実践・京大オープンの両方で過去問集が販売されています。受験を予定されている方は是非一度やってみてください。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 50 50 50 50 50

250

二次 150 250 250 250 1000

数学の分析<150分・6問> 

満点250/H225/M180/L155

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 全体的な難易度はやや難~難しいレベルです。典型問題は殆どなく、高校数学で扱うテーマが手を変え品の変え様々な角度から思考力を試す形で問われています。誘導小問もないので、1から解法を組み立てる必要があります。あまりたくさん解法パターンを暗記していても役に立ちません。難易度はかなり高いものの、重要事項の本質的な理解、思考力、論証力をバランスよく問う秀逸な問題と言えるでしょう。制限時間150分に対してボリュームはやや多めです。思考力型の問題も多いですが、解法を考える時間も長めになりがちですし、計算量や作業量も令和2年度の試験では多めになっています。出題分野にはやや偏りがあり、確率・空間図形・複素数平面・数3微積が頻出、次点で整数がよく出題されています。整数対策は多少しておいてもいいかもしれませんね。京大数学の対策としては、高度な思考力・論証力を要する難問が多く、標準問題の出題が少ないので、標準問題のインプットは最小限に済ませたいところです。一対一対応の演習などコンパクトな網羅系問題集をなるべく早いうちに1周しておきましょう。その後、「やさしい理系数学」、「標準問題精講」などの下位旧帝大レベルの演習本を挟み、「ハイレベル理系数学」や「上級問題精講」などの上位旧帝大レベルの演習本まで仕上げたいところです。そのうえで、京大の問題は勿論、他には東工大や東大などの問題にも取り組んでもいいかもしれません。あまり付け焼刃な対策では点数が伸びていかないので、じっくり腰を据えて根本の数学力の強化に取り組みましょう。

英語の分析<120分・4問> 

満点300/H230/M200/L190

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 長文が2問、和文英訳が1問、自由英作文が1問、の構成です。長文については、語彙はやや難レベル、内容もやや難~難しいレベルです。内容が難しいことが多く、日本語に訳された文章を読んでもすぐには飲み込みにくい文章が出てくるのが特徴的と言えるでしょう。設問は内容説明問題と和訳問題の2タイプで、長文の内容がそこそこ分かっていれば、内容説明問題でキーポイントとなる箇所を探すのには苦労しないはずです。和訳については年々難易度は緩和されているものの、元の文章の内容が難しいため、直訳してもよくわからない日本語になることも多いです。文法事項等の理解を示す答案を作るのも大事ですが、長文内容の理解の示せる答案作りにもこだわってみましょう。大問3は和文英訳で、非常にこなれた訳しにくい日本語を英訳する形式になっています。例文暗記だけでは太刀打ちできず、まずは課題文の日本語を「英語に訳しやすい日本語」に翻訳する、いわゆる「和文和訳」というステップを踏んでから、英語に訳していく必要があります。大問4は自由英作文で、ここ最近になって導入されたためか、形式についてはかなりバラツキがあります。様々な形式のものを満遍なくトレーニングしておきましょう。長文はたいへん難しいですが、時間も120分もあるので、制限時間で困ることはないかと思われます。

化学の分析<90分・4問> 

満点150/H115/M90/L80

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 大問4問構成で、理論が2問、有機が1問、高分子が1問の構成になっています。無機は理論の大問の一部に出題されることがあります。全体的な難易度はやや難~難しいレベルです。圧倒的にコストパフォーマンスの高い分野があり、それは有機と高分子です。毎年固定で出題され、配点もしっかりあります。高校の教科書を逸脱した難しい問題が出ることもありますが、その逸脱の度合いにも限度があるので、過去問や模試で出題された発展的な内容もきちんと理解しておきましょう。発展的な内容については、「化学の新研究」などの辞書的な参考書のほか、「ハート基礎有機化学」などの大学1年生向けの有機化学の教科書も参考になるかと思います。もちろんこれらの本を全部覚えろというわけではありません。普段の問題演習で出てきた発展的な内容の理解のために使ってください。その一方で、泥沼になりやすいのは理論化学です。一つの大問がA.Bの2つのパートに分かれ、それぞれで違うテーマが出題されています。それぞれのパートの最初の方の問題は比較的取り組みやすいですが、後半になればなるほど難しい設問になっています。理論分野は幅広く、難問系問題集を漫然とやっていてもなかなか身につきませんから、平衡であったり結晶であったり、頻出の分野に絞って少しずつ得意分野を増やしてください。時間は150分あるものの、問題のボリュームも多く難易度も高いので、完走できる受験生は医学部受験生も含めあまりいないでしょう。拾える問題をきちんと拾いながらテンポよく進めてください。京大化学の対策としては、重要問題集などの標準的な問題集をこなした後、まずは有機化学と高分子化学の分野で「化学の新演習」や「標準問題精講」などの難問系問題集にしっかり取り組みましょう。この2分野の得点が安定してきたら理論分野、特に頻出の平衡などの分野についても難問系問題集に取り組み、少しずつ得意分野を増やしていきましょう。勿論、時間もシビアですので過去問演習にもしっかり取り組みたいところです。スケジュールの都合が合えば、なるべく物理や生物との通し練習の方が望ましいと言えます。180分の試験時間でずっと集中し続けるのは中々大変です。

物理の対策<90分・3問> 

満点150/H120/M90/L80

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で180分なので、物理には90分の時間は割けます。大問3問構成で、1問は力学、1問は電磁気、もう1問は熱か波動か原子、の構成になっています。難易度はやや難レベルです。穴埋めの問題が多いですが、最後の方の設問は記述の設問もあります。典型問題が出題されていることはあまりなく、付け焼刃の対策ではあまり得点になりません。各分野で取り上げられている物理現象や公式について本質的な理解が求められ、普段の問題演習でも何故そのような解法になるのか逐一考察しながらゆっくり進めていく必要があります。制限時間は90分あり大問数もそう多くはないので、物理単体の制限時間で悩むことは少ないかもしれませんが、化学のボリュームは多く時間は不足しがちですので、理科トータルの時間配分については十分に検討する必要があります。京大物理の対策としては、重要問題集や名門の森レベルの標準問題集をこなした後、難系統問題とその解き方、標準問題精講などの難問系問題集に取り組んでも構いません。また、京大の入試過去問以外にも、オープン・実戦模試の過去問集など、京大の傾向に似せた問題集はたくさん出版されているので、難問系問題集の代わりにそちらに取り組んでも構いません。

生物の対策<90分・4問> 

満点150/H120/M100/L90

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 理科2科目で180分なので、生物には90分程度の時間は割けます。大問4問構成で、分野の偏りは農学部の影響が大きいためか、植物生理・生態・遺伝の分野が頻出で、次点で分子生物が良く出題されています。また他の分野についても満遍なく出題されています。分子生物+α、遺伝+α、といった形の融合問題も多く、頻出分野を中心にはするものの生物の全分野について満遍なく学習する必要があります。農学部の関連分野が頻出と言うことで、医学部受験生は中々モチベーションが上がりにくいとは思いますが、結局、京大の生物入試は、それらの分野に対する知識や理解と言うよりは、「未知の生物現象に取り組む際の態度」が問われている試験ですので、題材が植物や生態になっていても本質はそう変わらないと割り切って進めていきましょう。全体的な難易度はやや難で、知識問題もパラパラとはありますが少数で、殆どが考察問題で構成されています。また殆どが新作問題で、典型問題の出題はあまり見られません。試験場でその都度考えないといけませんが、リード文にたくさんのヒントがあるので、その内容が理解できれば少しずつ攻略していけます。試験時間は90分と長いですが、問題のボリュームも多くほぼ全てが初見の考察問題なので時間もあまりありません。京大生物の対策としては、基礎固めこそきちんとやってほしいですが、基礎問題精講など典型問題が収録された問題集はサラっと例題だけなぞる程度でOKで、その代わりに標準問題精講や思考力問題精講といった考察系問題集にしっかり取り組んでください。京大生物では初見のリード文やグラフの読み取りが重要ですので、これらの考察系問題集に取り組む際もすぐには答えを見ずに、「どんな仮説を証明したいがために今の実験を行っているのだろうか?」「この実験結果から仮説に対してどのような結論が得られるのか?」と自問自答しながらゆっくり進めていってください。問題集はゆっくり進めてもらっても構いませんが、本番ではかなりのスピードで問題を処理していく必要があります。過去問演習にも早い段階で取り組み、徐々にスピードアップを図っていきましょう。また遺伝もほぼ毎年かなり難易度が高いものが出題されていますので、対策は早い段階から必須です。高2の段階でやってもいいくらいです。

国語の対策<90分・3問>

満点150/H85/M75/L65

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 文系・理系で別試験となっており、理系のほうが少し易しくなっています。大問1と大問2は現代文で、大問3は古文が出題されています。題材となる文章がやや難しく、設問も全て論述になっています。行数は設定されているものの字数に制限はありませんので、少し細かい字でもいいのでたくさんのポイントを盛り込んでしまった方がやや得点は安定するように思います。現代文は伸びにくい分野ですのであまりガッツリ頑張る必要はありませんが、あまりにもポイントを外し過ぎて失点が大きいようであれば、「得点奪取現代文」など記述用の問題集がありますので、最低限のポイントを抑えた解答を作るにはにはどうすればいいのか、ということを主眼におきながらトレーニングしてみてもいいかもしれません。古文については現代語訳と内容説明問題がありますが、最近のセンター試験や共通テストでもかなり難しい古文が出題されるようになってきているので、それらの過去問レベルのものできちんと得点できるなら京大の古文でもそう大きくは外さないでしょう。また、平安時代の出典ばかりでなく、江戸時代など近世の出典も多いことが京大の古典の特徴です。だからといって何か+αの対策があるかと言われたらそうでもありませんが、一応頭の片隅にはおいてください。

総評

 京都大学の入試は、
英語・理科で配点が大きいこと
②数学は難易度変動は激しいものの概ね高難易度の重厚な問題であること
③英語は特殊な傾向で、やらなさすぎると全く点が取れないがやりすぎてもアドバンテージは取りにくい試験であること
④理科も難易度は高いものの化学を中心に攻略しやすい分野もあること
などが抑えておくべきポイントとなるでしょう。他の大学と比べても変わった特徴が多い大学ですので、志望校対策はかなり早い段階から進めておく方が良いかと思います。

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