大阪医科薬科大学(医学部医学科)国公立の併願には最適。癖のないオーソドックスな出題。

入試の基本情報と面接

 様々な配点や入試制度がありますが、最も定員が多いのは一般入試前期なので、この一般入試前期に関して説明します。配点は私立医ではオーソドックスな配点で、数学100、理科2科目で200、英語100です。1次試験で小論文も行いますが、1次試験の合否判定は小論文以外の学科試験の点数で決まります。一次試験に合格すると二次試験で、面接があります。面接については10分程度の面接で概ね一般的なことが聞かれるようですが、一部、国公立の併願校についても聞かれるようです。合格者数をどれだけ出すかの目安にするための質問と考えられ、たぶん正直に答えてしまっても大丈夫です。他には一次試験の小論文の内容を再び聞かれるので、どのような内容だったかおさらいしておきましょう。令和2年度の入試では、一般入試前期の一次合格は204名出ており、そのうちの164名が二次試験を受けましたが、全員が合格ということになっています。一次合格が貰えればほぼ合格出来ると言って差し支えないでしょう。ちなみに、学納金は6年間の合計で3141万円になります。また、これに加えて学友会費など種々の費用が追加されます。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通              
二次 100 200 100 400

数学の分析<100分・5問> 

満点100/H90/M70/L60/L-55

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格最低点予想ライン) 

 全体的な難易度は標準~やや難です。令和2年度では大問1の数列と極限で難易度評価A、大問2は三角関数で難易度評価B、大問3は確率で難易度評価B、大問4は整数で難易度評価C、大問5は数3微積で難易度評価Cとなっています。殆どが計算の分量も控えめな標準問題になっていますが、後半の問題を中心に、解法の発想力や式変形の工夫を要する問題が散見されます。高得点を狙っていくなら、計算力以上に、思考力や発想力が重要になってきます。いずれもやや非典型的な設問が含まれており時間のかかる設問になっています。煩雑な計算は少なく、難易度の割には意外と時間の余裕は出てきます。大問5問もあり面食らうかもしれませんが、大問1や2は実際のところ5分程度で片付くレベルです。

 頻出分野については、確率と数3微積が頻出ですが、高得点を狙っていきたい受験生は整数なども対策すると良いでしょう。大阪医大の対策としては、標準問題をきちんと得点するために、青チャート、フォーカスゴールド、一対一対応の演習などの網羅系問題集できちんと解法のインプットを行うことは必須でしょう。ただ実際に出題されている問題は、標準問題に若干のパズル要素が混じった問題が多いので、なるべくアウトプット演習も行いたいところです。やさしめの演習書としては「理系数学入試の核心標準編」、やや難しめのものとしては標準問題精講ややさしい理系数学などがあります。

英語の分析<80分・3問> 

満点100/H90/M70/L60/L-55

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格最低点予想ライン) 

 大問1は語彙レベルは標準ですが内容もやや難し目で、文章量は約700ワード程度とそこそこあります。設問は和訳メインで内容説明もありますが、設問そのものの難易度は標準的ですが文章そのものがやや難しめなので苦戦するかもしれません。大問2は語彙レベル標準、内容も標準、ワード数は600ワード程度と標準的な長さとなっています。設問については和訳オンリーで、最悪、時間が無ければ下線部だけを処理する形でも構いません。大問3は和文英訳で、易しすぎず難しすぎず、ちょうどいいくらいの難易度となっています。80分の制限時間で難しめの大問2問と英作文を処理しなければいけませんが、最悪下線部だけの処理で済ませることが出来るので時間がそこまできつい試験ではありません。大阪医大の英語の対策としては、昔の京大を易しくしたような問題が並んでおりますので、解釈や精読中心の読解演習を心がけながら、和訳の練習も重点的に行うようにしましょう。和文英訳に関しては、理想としては添削指導までしてもらったほうが良いですが、そこまで難易度が高いわけでもないので、英作文が面白いほどかける本など参考書中心の独学でもそこそこは行けそうな気はします。

化学の分析<60分・4問> 

満点100/H85/M75/L65/L-60

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格最低点予想ライン) 

 出題分野にはややばらつきがあります。理論が最も多く出題されますが、次点で高分子となっており、次いで有機、無機の順になっています。令和2年度では理論が2問、高分子が2問という構成でした。令和2年度の試験では、大問1は理論の問題で、基礎が理解できていればさほど難しくはありませんが、計算量が多く、計算間違いをしてしまうと続きの小問も落としてしまうタイプの設問で差がつきやすい大問でした。大問2は理論の問題で、重要問題集のA問題にあるようなレベルの簡単な問題でした。大問3・4は高分子の問題で、標準的な難易度ではありますが、めちゃくちゃ簡単というわけでもないので、高分子をきちんと対策していたかどうかで差のつく問題になったんじゃないかと思います。大問4問を60分で処理せねばならず、計算の重い問題も含まれるため、制限時間はややきつめです。大阪医大の化学の対策としては、重要問題集など標準的な問題集の周回で構いませんが、他の大学に比べて高分子の出題頻度が高いので、入試直前期には高分子だけ他の問題集も加えて演習を行うとより理想的です。

物理の対策<60分・4問> 

満点100/H85/M75/L65/L-60

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格最低点予想ライン) 

 大問4問構成で、最後の大問は小問集合となっています。大問1~3については、力学+電磁気+波動or熱のセットが多いですが、電磁気が出なかったり原子が出題されたり変則的なパターンもあります。理科については小問ごとの難易度評価をつけ、その結果を表にまとめています。A、B,C,Dはそれぞれの小問の難易度で、例えばAが50%ということはその大問の中で半分の点数は非常に平易な問題を解くだけで確保できることを示しています。令和2年度では、大問1は力学、大問2は熱力学、大問3が電磁気で、易しい問題や標準的な問題が中心ですがとにかく分量が多めです。大問4は様々な分野からなる小問集合で、小問1問1問はやや重めですが概ね標準的な難易度です。よくある標準問題ばかりですが、60分しか試験時間がないため、時間の制約はかなり厳しめです。化学は化学でそう時間に余裕はないので、理科全体としてスピード勝負になります。大阪医大の物理の対策としては、問題の難易度は標準レベルなので重要問題集などオーソドックスな問題集の演習で構いませんが、1問1問を高速で解かないといけませんので、周回数はやや多めに回した方が高得点が狙えるでしょう。

生物の対策<60分・4問> 

満点100/H85/M75/L65/L-60

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン L-:繰り上げ合格最低点予想ライン)  

 単科医科大学ではありますが分野の偏りはあまりなく、植物生理・生態・進化を含む生物のありとあらゆる範囲から出題が見られます。全体的な難易度はやや易しい~標準レベルで、大問1~3までは典型問題か、知識の論述問題が多く出題されています。大問4では実験考察問題が出題されていますが難易度は標準的で、考察問題に解きなれているとそこまで苦労はしません。ただ考察が苦手なら考察は飛ばして、化学に時間を割くのも悪くない戦略です。大阪医大の生物の対策としては、基礎問題精講などの標準的な問題集をきちんとこなしたうえで、たくさんある論述問題対策のために、「生物記述論述問題の完全対策」なども余裕があれば手を出すと良いでしょう。考察問題対策には標準問題精講も有効ですが、大阪医大の生物では考察の問題数がそう多くないので、他の併願校で考察問題対策が不要であれば敢えて大阪医大の為だけに標準問題精講までやる必要はありません。その場合、本番の試験では生物は手短に済ませ、化学に時間を割いてください。なお、遺伝に関しては小問レベルではちらほら出題がありますが、大問1問がっつり遺伝というのはなく、難しいものは出題されていませんので、特化した遺伝対策は不要です。

その他の入試制度

 まず、一般入試後期試験があり、3月中旬のかなり遅い時期に実施されます。配点は前期と同様ですが、定員が15名しかない影響か、例年、最低点は前期より少しだけ高くなっています。大阪府地域枠なる募集枠も2名分あり、大阪府と大阪医大の奨学金の貸与があるため学費は1221万とかなり安くなります。ただし卒後キャリアの縛りはかなりきつめで、大阪府の中でも医師不足の地域に勤務地が限定され、診療科に関しても産婦人科、小児科、救急科など不足気味の診療科に限定されます。詳細は募集要項をご覧ください。共通テスト利用枠も10名あり、国語100、数学200、理科200、英語200の配点です。国語は圧縮で、社会もないので、人によってはかなりの高得点になっている可能性があります。共通テストで高得点が取れた場合は検討してみてください。令和2年度での最低点は86.9%です。最後に、一応、建学の精神入試というものがあり、現役生限定で3名程度の枠が設定されています。書類選考、小論文、面接試験のあと、共通テストで8割以上の点数が取れていれば合格となります。恐らくかなり人物重視の試験と予想しますが、定員3名の枠が埋まることは少なく、合格者がゼロ名という年度もあるので、高校時代に学業以外の素晴らしい業績がある人以外は基本的に縁のない入試ということになります。

総評

 大阪医科大学の入試は、記述問題が多く国公立らしい問題で、国公立の併願先として受験しやすい大学と言えるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました