<傾向と対策>香川大学(医学部医学科)易問高得点型の典型。配点変更によりやや文系科目で稼ぐ受験生が有利か。

総評

  • 数学、英語、理科ともに易しめの問題であるため高得点勝負になる大学
二次比率こそ50%のイーブンですが、大逆転はそこまで期待しないほうが良いかと思われます。

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入試の基本情報と面接

  • 二次比率50%
  • 面接は集団討論(15分程度)+個人面接(5分前後)
    • 個人面接はおおむね一般的な質問だが、「香川に残るかどうか」は気にされる様子
    • 概ね70-80点程度に収束している
  • 前年度より配点に変更 
    • 共通テストで数学・英語の配点が圧縮
    • 相対的に国語・社会・理科重視になる
  • 公民は1科目受験可能 
    • 「倫理」「政治経済」「現代社会」使用可能
  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 200 100 100 200 100 700
二次 200 200 200 100 700

面接点については、30~90点程度とばらつきはあるようです。これまで四国の大学では愛媛大が国語重視でしたがこれは圧縮されてしまいましたので、香川大がその代わりにやや国語重視になりました。香川大では愛媛大と違い生物受験も可能で、生物選択は概ね国語も得意な傾向にあるので、出願する受験生は増えそうです。

数学の分析

<目標得点ライン>
満点200/H180/M150/L135
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 大問4問、試験時間90分
  • 難易度はやや易~標準
  • 4問中3問は医学部専用問題
  • ボリュームは適正レベル。計算量、作業量は少ないが、難しい問題に取り組むとギリギリ
  • 軌跡、数列が頻出。次点で数Ⅱ微積、数Ⅲ微積、図形に関する多分野融合問題
  • 対策:網羅系問題集でのインプット学習必須
    • 『理系数学入試の核心(標準編)』など易しめのアウトプットでも必要最小限は確保可能
    • やや思考力を要する問題は下位旧帝大レベルまで取り組めれば高得点狙える

<試験問題の概要>
大問4問構成で、制限時間は90分の試験です。全体的な難易度はやや易しい~標準レベルです。おおむね2~4問の誘導小問がついていることが多いようです。4問のうち3問が医学部専用問題ですが、概ね標準問題で、少し難しい問題が1問混じってくることもあります。制限時間は90分しかありませんが、ボリューム的には適正レベルです。全体的に計算量や作業量は少ないですが、難しい問題にきちんと取り組むとギリギリくらいの分量と言えます。易しい問題なので、きちんと解き方が身についていると10分以内で解答できるような軽い問題もあります。

<頻出分野>
出題分野については軌跡や数列が頻出で、次点で数2微積・数3微積、図形に関する多分野融合問題などが出題されています。

<香川大数学の対策・インプット編>
香川大数学の対策としては、殆どが典型問題からの出題になるので、青チャート、フォーカスゴールド、一対一対応の演習などの網羅系の問題集でのインプット学習は必須になるでしょう。

<香川大数学の対策・アウトプット編>
アウトプット演習も理系数学入試の核心(標準編)など易しめのものでも必要最小限の点数は確保できるでしょう。やや思考力を要する難しい問題もあるので、やさしい理系数学や標準問題精講などの下位旧帝大レベルのものまで取り組めばより高い点数が目指せてくるでしょう。

英語の分析 

<目標得点ライン>
満点200/H180/M160/L140
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間90分、大問3問
  • 大問別分析 
    • 大問1:長文問題
      • 語彙・内容ともに標準レベル
      • 内容説明問題で英語で解答させる形式
    • 大問2:長文問題
      • レベルは大問1と変わらず
      • 設問は日本語で回答させる問題
    • 大問3:自由英作文
      • 120words程度のやや長めの英作文
  • 対策:ボリュームはほどほど。論述トレーニング必要

<試験問題の概要>
90分の試験で、大問は3問です。大問1は通常の長文問題で、語彙・内容共に標準レベルです。設問については内容説明問題ばかりで、英語で解答する形式になっていますが殆どの設問で本文中の表現を流用できるのでそこまでビビる必要もありません。大問2も通常の長文問題で、長文のレベルは大問1とそう変わりませんが、設問が日本語で説明させる問題になっています。大問3は自由英作文で、120ワード程度のやや長めのものが要求されています。至って普通のテーマで標準的な問題になっています。

<時間配分に関して>
制限時間は90分に対してボリュームは程ほどで時間が足りなくなることはあまりないでしょうが、論述メインにはなるのでそこだけはトレーニングしてくださいね。

化学の分析 

<目標得点ライン>
満点100/H90/M80/L70
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間180分(理科2科目)
  • 大問5問構成
    • 理論3問、有機1問、高分子1問
    • 出題は控えめだが理論が無機に代わることも
  • 難易度はやや易しい~標準
    • 時間は余る受験生は多いか
    • ケアレスミスしないように見直しに充てる
  • 対策:重要問題集』などの標準的な問題集をやりこむだけで十分合格点に到達可能。時間がなければ、B問題はカットしてもOK

<出題分野の傾向>
大問5問構成で、理論が3問、有機が1問、高分子が1問の構成になっています。無機の出題は控えめですが、理論の問題が無機に代わっている年度もあります。

<試験問題の概要>
難易度はやや易しい~標準レベルで、殆どの大問は悩まずさくさく解けていくでしょう。

<時間配分に関して>
易しい問題なのに時間はたっぷり90分ありますので、時間は余る受験生が多いかと思います。ただ時間が余っても居眠りしたりせずに、きちんとケアレスミスが無いかなど見直しをしっかりするようにしてくださいね。

<香川大化学の対策>
重要問題集など標準的な問題集をやりこむだけでも十分合格点に到達するでしょう。時間が無ければB問題はカットしても構いません。

物理の対策 

<目標得点ライン>
満点100/H90/M80/L70
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 試験時間180分(理科2科目)
  • 大問5問構成。各分野から1問ずつ出題され、そのうち4問を選択する。
  • 難易度は標準レベル。
  • 各大問に小問5~10問とかなり多めのため、意外と時間がかかるか
    • 化学が時間余るため、その分を物理に充てて丁寧に解くくらいがちょうどよいか
  • 対策:重要問題集』や『名門の森』などの標準問題集でOK.普段はまんべんなく学習し、直前期は苦手分野を捨てて対策もあり。

<試験問題の概要>
大問5問構成で、物理の各分野からそれぞれ1問ずつ出題されますが、そのうち4問を選択すればよいと形式になっています。力学や電磁気などの重い分野をカットすることすら実は可能だったりします。

<時間配分に関して>
化学は比較的時間が余りますので、化学を早めに切り上げて物理の問題を少し丁寧めに解くくらいでちょうど良いでしょう。

<香川大物理の対策>
重要問題集や名門の森などといった標準問題集で構いません。通常の学習では満遍なく学習する必要がありますが、直前期には苦手分野は思い切って捨てて対策するという方針もアリです。

生物の対策<90分・4問> 

<目標得点ライン>
満点100/H90/M80/L70
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

  • 試験時間180分(理科2科目)
  • 大問5問構成(事実上4問)
    • 分野の偏りはほとんどなし
  • 難易度はやや易しい~標準
  • 知識問題がほとんどで考察問題は少ない
    • 考察問題合っても典型問題
    • 知識の論述問題もアリ。対策で高得点狙える。
  • 対策:標準的な問題集に加えて、『生物用語の完全制覇』などの穴埋め問題集や『生物記述問題の完全対策』などの論述用問題集も取り組めば高得点狙える。遺伝もしばしば出題。余裕があれば対策を。

<出題分野の傾向>
分野の偏りについては殆どなく、植物生理や生態、進化などの分野もしっかり出題されています。選択問題についても分野は一定しておらず、何かの分野をカットして対策ということは難しそうです。

<試験問題の概要>
全体的な難易度はやや易しい~標準レベルで、知識問題が殆どで考察問題があまり多くありません。あったとしても典型問題ですので、どこかで見たことのある問題ばかりという印象を受けるでしょう。また、知識の論述問題もそれなりにあるので、そこも対策すればかなり高得点が狙っていけるんじゃないかと思います。

<香川大生物の対策>
基礎問題精講など標準的な問題集に加えて、知識問題対策のために「生物用語の完全制覇」などの穴埋め問題集や、論述問題対策のために「生物記述論述問題の完全対策」などの論述用問題集にも取り組めばけっこうな高得点が狙っていけるでしょう。遺伝については選択になっていることもありますがちょいちょい出題されているので、余裕があれば対策をしておいた方が良いかと思います。

香川県の地域医療の概況

  • 人口当たり医師数は全国平均よりやや多め
  • 中心地である高松へのアクセスが容易なこと、地域偏在の程度が大きくないことから安定した地域医療体制が築けている
  • ただし瀬戸内海の小豆島はやや医師不足で診療所が極端に少ない
  • 高松へのアクセスがそう難しくないため、連携しながら地域医療を支えている
  • 診療科偏在は相対的に救急科がやや少なめ

香川県の人口当たりの医師数は全国平均よりやや多めになっています。日本で一番小さな県であり中心地である高松へのアクセスは容易であること、またそもそも地域偏在の程度もそれほど大きくないことから、安定した地域医療体制が築けている県になります。ただし瀬戸内海に浮かぶ小豆島はやや医師不足で、また診療所については極端に少なくなっています。ただし高松へのアクセスはそう難しくないため、高松と連携しながら地域医療を支えています。診療科偏在もあまりなく、救急科が相対的にやや少な目と言った程度でしょうか。

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