福島県立医科大学(医学部医学科) 化学の直前対策で盛りやすい。英数はバランスの取れた学力必要。

入試の基本情報と面接

 二次比率は50%です。配点は概ね標準的な配点となっています。面接点については、地域枠をかなりガッツリ取っているため、一般入試も面接でガッツリ差をつけるのかと思いきや意外と小さいようで、だいたい40点の人が多く、時々20点や60点になる方もいるようです。15分の面接で、おおむね基本的なことが聞かれるようです。また、公民は1科目不可能で、「倫理・政経」2科目まとまった科目オンリーです。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 150 50 150 150 150 650
二次 200 200 200 60 660

数学の分析<100分・4問> 

満点200/H130/M105/L80

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 全体的な難易度は標準問題から、超難問レベルまで様々です。大問1だけ小問集合となっており、標準レベルの問題が中心となっています。他は完答まで行ける大問は少なく、誘導の小問だけ拾っていくスタイルの受験生が多くなりそうです。数学が得意な人でも、超難問では完答は難しく、数学で大きくアドバンテージは取りにくい試験と言えます。ボリュームも多めで、大問1の小問集合も、30分で解ききるには相当なトレーニングが必要で、その他の問題も正しい道筋で最小の作業量で解くためには高度な思考力を必要とするため、完答するには相当な訓練が必要になるでしょう。今回分析した平成31年度は難易度が高めと考えられ、それまでの年度では大問の数自体が少なく、小問の数も多めになっていました。基本的には、標準問題の解法をマスターすることが重要で、数3中心に重めの計算を素早く捌ききるための計算力のトレーニングが必要になることでしょう。難問をある程度取っていきたい受験生は、高度な思考力や論証力を要求する問題を拾っていく必要がありますので、下位旧帝大、上位旧帝大などの問題でトレーニングを行い、粘り強く論理的に考え抜く姿勢を身につけましょう。若干、出題分野に偏りがあり、関数列の極限を扱った問題が比較的多く出ています。いずれも難問が多いものの、意識して対策を行えば得点に繋がるかもしれません。

英語の分析<100分・3問> 

満点200/H130/M110/L85

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 大問は3問ですが、事実上4問で、3問が長文で1問が英作文です。長文は比較的読みやすいですが、最も多く出題されている内容説明問題が本文中の和訳だけでは解決しない問題ばかりで、段落の要約が必要な問題が大半です。読んでいる時間より、書いている時間の方が長いくらいに、1問1問に時間がかかります。それゆえ、時間の制約は大変厳しい試験になります。また、設問の難易度に傾斜があまりなく、英語が苦手すぎると手も足も出ない可能性もありますが、英語が得意でも要求される要素を全て盛り込んだ解答を短い時間内で作り上げることはたいへん難しい、といったところで、出来過ぎず、出来なさすぎずといった丁度いいくらいの学力層が最もコスパ良く英語の試験を切り抜けることができるでしょう。英作文は100word級の自由英作文で、長文の内容を踏まえたものとなっており、ただでさえ時間が厳しい試験で、長文を理解していないと書きにくいテーマの英作文の出題はかなりしんどいところがあります。普段から記述力を重視した長文のトレーニングを行い、自由英作文対策も早いうちに始める必要があるでしょう。

化学の分析<60分・3問> 

満点100/H95/M85/L75

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 基本的には大問3問構成で、理論が1問、有機が1問、無機が1問です。3年に1回くらいの頻度で、高分子で大問1問入ってきて、大問4問構成になっている年もあるようです。難易度はやや易しい~標準レベルで、知識問題も多いため、60分しか時間はありませんがさくさく解いていけるはずです。満点も、狙っていきやすいように思います。ここの大学の化学でしっかり高得点を取っていくにあたってのポイントは無機をどれだけ丁寧に勉強するかにかかっているでしょう。無機で独立した大問が1問きちんと作られているので、けっこう細かい知識まで聞かれます。Doシリーズ福間の無機化学など、無機には昔から定番の参考書がありますが、隅から隅まで丁寧に仕上げると、福島の二次対策として最もコストパフォーマンスが良い対策となるでしょう。また理論の問題は連問となっており、前の小問の結果が後の小問の解法に関わってきますから、きちんと誘導を意識して解いていくようにしましょう。

物理の対策<60分・3問> 

満点100/H70/M60/L50

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で120分なので、物理には60分の時間は割けます。大問3問構成で、難易度は概ね標準レベルです。難問は少ないですが、過程も含めて記述させる問題となっており、時間の制約はたいへん厳しく、各大問を最後まで完答するのはなかなか難しいところがあるでしょう。1問1問を的確に素早く解くことが要求されています。標準問題がメインですので、標準レベルの問題集をまずは1冊完成させることが先決になりますが、記述が重いことにも留意して演習を積む必要があります。原子分野もよく出題されているようなので、苦手分野を作らずバランスよく勉強するようにしましょうね。

生物の対策<60分・3問> 

満点100/H85/M70/L60

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 理科2科目で120分なので、生物には60分程度の時間は割けます。大問3問構成で、頻出分野が体内環境、生態、進化です。体内環境が多めになるのは医科大学なので勿論ですが、最後の大問3がここ最近はずっと生態や進化となっており、難易度もほどほどの問題となっているのでねらい目かもしれません。知識問題については教科書範囲外の問題も出題されていますが、どうせ受験生は解けないのであまり気にしないほうが良いでしょう。対策も難しいです。差がつくのは考察問題です。見るからに典型問題ではありませんが、難易度は標準レベルで、解ける人は解ける、といった良い難易度となっています。典型問題の周回はほどほどにして、標準問題精講などの考察系問題集に早い段階で取り組んでいきましょう。時間が無ければ、頻出の体内環境、生態、進化の分野だけでも構いません。遺伝に関しては、集団遺伝が頻出である以外は、たまに出てきている、といった感じです。全くでないわけではありませんが、対策はほどほどでいいでしょう。

地域医療の概況

 福島県は県全体として人口当たりの医師数は不足気味で、県立医大のある福島市以外は全国平均を下回ります。福島県は福島、郡山(こおりやま)、いわき、会津の4つの都市にバランスよく医療拠点が配備されており、南会津や、相馬(そうま)・双葉(ふたば)地方が医療過疎の地域で、医師数も不足しています。いわき、相馬・双葉地域は太平洋沿岸であり、東日本大震災による津波及び原発事故の影響を大きく受けている地域です。徐々に医療体制も回復していますが、やはり原発のあった双葉町では医療資源が現在でも全体的に不足しています。

総評

 福島県立医科大学の入試は、化学だけは易しく高得点を狙っていきたいところですが、他の科目については得意ても稼げず、苦手だと大きく点数を落とすといったセットとなっており、元々英数がバランスよく出来る受験生が、化学の対策だけ特化して受かっていく、そんなスタイルでの合格が最短ルートのように思います。

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