福井大学(医学部医学科)理科が運ゲー。意外な逆転も。

入試の基本情報と面接

 共通テストボーダー(2021、河合塾):82%
 全統記述偏差値(2020):65.0
 駿台全国偏差値(2020):62

 二次比率は44%で、共通テスト型といえます。配点はオーソドックスな配点となっています。面接は約10分間で概ね一般的なことが聞かれるようです。面接点はあまり情報がありませんでしたが、70~80点前後が一般的なようです。大きな差はついていないようですが、ある程度は差がつくかもしれません。短い時間の面接ですので、第一印象がたいへん重要です。身だしなみなどには細心の注意を払って、聞かれるであろう質問に関しては予め答えを想定しておいてください。これだけの対策で10点プラスされると思えば儲けものです。公民は1科目受験不可で、すなわち、「倫理・政経」2科目まとまった科目オンリーです。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 200 100 200 200 200

900

二次 200 200 200 100 700

数学の分析<110分・4問> 

満点200/H160/M125/L100

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 全体的な難易度は標準~やや難レベルです。標準問題にアレンジを加え融合問題として仕上がっている問題や、旧帝大レベルの問題に丁寧な誘導をつけている問題が多いです。各大問が3~4問の小問に分かれており、前半は著しく易しく、後半になればなるほど難しくなっていきます。後半の小問には、やや思考力を要する問題も散見されます。制限時間は110分と中途半端な時間ですが、計算量や作業量は少な目であるため、ボリュームは適正か、人によってはやや少なめと感じるでしょう。見直しの時間も十分とれるかと思います。

 出題分野には偏りがあります。2018年度から3年連続で複素数平面を絡めた多分野融合問題が大問1に出題されています。また数3微積が頻出で、その中でも空間図形の体積を絡めた問題が極めて頻出になっています。更には確率も頻出です。2019年度にはデータと分析の問題があったことも補足しておきます。福井大数学の対策としては、前半の小問は典型問題ばかりですので、青チャートや1対1対応の演習などで標準問題の解法を抑えることは必須になります。その後、千葉大・神戸大、あるいは下位旧帝大レベルの問題(やさしい理系数学など)でアウトプットの演習を積んでください。広島大・岡山大なども似たようなテイストの問題が多いかもしれません。複素数平面や数3微積の立体の体積に関する問題は重点的に対策が必要ですが、他の分野は満遍なく勉強してください。難しめの問題も、典型問題が融合している故の難しさですので、難問や奇問対策は不要です。

英語の分析<110分・4問> 

満点200/H160/M140/L125

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 長文が3問、自由英作文が1問の構成です。長文については、語彙は標準レベル、内容は標準からやや難レベルです。大問1は長文の穴埋め問題で、さほど難しくはありませんが、手際よく処理していかないと他の問題に時間が割けませんので、早く解ききる練習が必要でしょう。大問2は小説が出題されており、これが中々くせ者です。小説そのものも最後まで展開の読みにくい文章であり、設問はもっと難しく、殆ど現代文の記述のような答えにくい設問になっています。恐らく低い点数で団子になっている可能性が高く、最後に回してもいいかもしれません。大問3は理系ジャンルの長文で、これはいたって普通の長文問題です。大問4は100ワード前後の自由英作文で、これもまたよく見かけるようなテーマの自由英作文です。大問2の小説だけが取り組みにくいので、大問1と3と4をきちんと処理してしっかり点数を稼いだ後、大問2は後から時間の許す限りゆっくり取り組む、そんな感じの解き方が、最も得点が安定するのではないかと思います。

化学の分析<60分・3問> 

満点100/H85/M70/L65

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で120分なので、化学には60分割けることになります。令和2年度では、大問3問構成で、理論が2問、有機が1問でした。傾向があまりはっきり定まっておらず、理論1問、有機1問、無機1問の年もあれば、そもそも大問が2問で、無機が1問、有機が1問で理論がほんの少ししか出ない、といった年もありました。令和2年度だけで言えば、難易度は標準からやや難で、60分の試験でもあるので最後まで到達しなかった受験生もいるように思います。1番を解き始める前に、全体の問題数を確認して、どのようなペースで解くべきか、重い計算問題を飛ばすべきかどうか、ある程度見通しをつけておきましょう。傾向が定まっていないことが傾向、といった様子で、重要問題集レベルの標準的な問題集を1周丁寧に仕上げたら、あとは福井大学の過去問を用いて、時間配分を気にしながら点数をなるべく稼いでいく練習になるかと思います。恐らく年度によって時間配分の戦略が色々変わってきます。小問が解き終わるたびに経過時間を記録し、その年度で適切な時間配分はどうだったか、過去問を解き終わるたびにきちんと再検討してみてください。こういうトレーニング、意外と馬鹿に出来ません。

物理の対策<60分・2問> 

満点100/H80/M70/L65

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で120分なので、物理には60分の時間は割けます。大問2問構成で、出題分野にははっきりした傾向がありません。力学や電磁気が全く出題されない年すらあります。令和2年度では原子分野が大問1題ぶん出題され、困惑した受験生もいたかもしれません。難易度は標準レベルで難問はありませんが、この出題分野の不確実性がくせ者です。重点的に対策した分野がたまたま出題されれば高得点になりますが、その逆もまた然りです。共通テストのビハインドを逆転したい受験生は熱力学や原子など、比較的対策が容易な分野を重点的に対策し、あとは出題者が気まぐれでこれらの分野を出題することを祈る、といった戦略を取ることが出来ます。一方で、共通テストのリードを維持したい受験生は、苦手分野が出題されたときにもある程度解答できるように、苦手分野を潰していく勉強を心がけましょう。

生物の対策<60分・3問> 

満点100/H80/M70/L65

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 理科2科目で120分なので、生物には60分程度の時間は割けます。大問3問構成の年がほとんどで、出題分野には大いに偏りがあります。分子生物、体内環境はほぼ毎年出題されており、次点で細胞生物と神経の分野が多く出題されています。変則的に、植物生理が出題された年もありました。生態の出題は殆どなく、進化と系統の分野も出題は控えめです。難易度は標準からやや難で、知識問題が半分、考察問題が半分といった感じになっています。知識の論述問題もちらほら見られますが、考察問題の方が数が多いので、論述対策より考察問題対策の方が優先でしょう。最終的には、考察系問題集(標準問題精講など)にまで手を出していきたいところです。考察系問題集は体内環境、分子生物、細胞生物、神経など分野を絞った対策でOKです。ボリュームはちょっと多めなので、化学の事情も鑑みながら、ペース配分を調整してください。遺伝もちょいちょいありますので、余裕があれば対策をしたいところです。

後期試験の概要

 定員:25名
 共通テストボーダー(河合塾、2021):87%
 足切りの有無(2021年度):(320名志願⇒275名に絞り込み)

 足切りライン得点率は大学HPでの公表はありませんが、倍率が7倍程度になるまで足切りを行うことが分かっています。二次比率は33%で、共通テスト型といえます。配点はオーソドックスな配点です。面接は前期同様10分の個人面接で、概ねふつうの内容を聞かれるようです。短い面接の為かそこまで得点率としては差が開いていないと考えています。前期の面接では70%~80%程度の点数の方が多いと考えています。また公民は1科目受験不可で、すなわち、「倫理・政経」2科目まとまった科目オンリーです。小論文は英文読解も含みますが設問としては意見の記述が100%となります。過去の結果では二次試験の点差がさほど開いておらず、二次で大逆転は狙うのは厳しそうな印象です。ボーダーマイナス2%程度ならまだチャンスが、といった程度でしょうか。富山大とほぼ同様の傾向で、受験を検討する層も被っているとは思いますが、定員が多い分、トータルとしては富山大より入学難易度が少し易しめですが、共通テスト失敗組の逆転は難しそうです。

 国語社会数学理科英語面接合計
共通10050100100100450
二次小論100
+面接120
220

地域医療の概況

 福井県における人口当たりの医師数はおおむね全国平均レベルです。しかしながら地域偏在は非常に激しく、福井市とその周辺に医師が一極集中しています。丹南(たんなん)、奥越(おくえつ)地方と呼ばれる福井市から少し離れた地方や、原子力発電所の多い敦賀(つるが)市などでは、医師不足であり、高度な医療が必要な際は、県のサイズも小さいこともあり、福井市の病院まで移動するようです。なお、診療科偏在の問題はほとんどありません。

総評

 福井大学の入試は、科目間のバランスは大変よく、数学・英語・理科のいずれの科目でもほどほどの点差がつく試験になっているということ、しかしながらそれぞれの科目の試験にはかなり変な傾向があるのできちんと過去問を踏まえて対策すべきだということ、などが抑えておくべきポイントになるでしょう。共通テスト重視の割には逆転も狙いやすく、令和2年度ではセンター78%からの逆転例もありました。理科の点数は運要素で決まるところもあり、二次力が足りないために通常の二次型の試験での逆転が厳しい受験生でも、ワンチャンあるかもしれません。

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