熊本大学(医学部医学科) 面接点200は満点ですから!英数で差がつく。化学の計算ほぼ皆無。

入試の基本情報と面接

 二次比率は67%です。配点はちょっとだけ数学が圧縮された配点となっています。面接は、約10分の面接で概ね一般的なことが聞かれるようですが、一部、コミュニケーションのトラブルの対処法などを問う質問もあるようです。一見差がつきそうな面接ですが、実際の面接の点数は殆ど満点だとされています。公民は1科目受験可で、すなわち、倫理、政経、現社、それぞれ1科目での受験が可能です。二次比率が67%ということで、今までセンター試験で失敗した受験生が逆転狙いで受験することが多かったのですが、面接が事実上あってないようなものなので、実際の二次比率はそれほど高くありません。まあそれでも、そこそこのビハインドなら逆転出来るところではあります。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 100 50 50 100 100 400
二次 200 200 200 200 800

数学の分析<120分・4問> 

満点200/H170/M140/L125

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 全体的な難易度は標準~やや難レベルです。旧帝大レベルの問題に丁寧な誘導を付けた問題が多いといった感じで、問題ごとのテーマがはっきり分かりやすくなっています。やや証明問題の割合が多く、思考力や論証力を要求する問題も散見されます。一方で、計算量は少な目になっており、時間がそれほどきついわけではありません。とはいえ難易度そのものはほどほどに高く、数学が得意だと差をつけやすくなっています。出題分野については、数3微積のほかに、複素数平面の出題が多いのが特徴と言えるでしょう。その他の分野は、まんべんなく出題されています。熊本大数学の対策としては、標準問題の数が最も多いため、まずは青チャートや1対1対応の演習などで標準問題の解法をマスターすることが先決でしょう。アウトプット演習として有用な大学過去問は、広島大、岡山大、千葉大、神戸大あたりの問題です。余力があれば、下位旧帝大のレベルの問題を演習しても良いでしょう。証明問題を重点的に演習し、論証力・記述力を養ってください。

英語の分析<120分・4問> 

満点200/H170/M150/L135

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 長文が3問、自由英作文が1問の構成です。長文については、語彙は標準レベル、内容は標準からやや難レベルです。ジャンルも、文系、理系、更には会話文など、幅広く出題されているようです。大問1と大問2はふつうの長文問題で、大問1のほうが記述メインの出題、大問2は選択式など答えがはっきりする問題がメインで出題されています。大問3は80から100ワードクラスの少し軽めの自由英作文になっています。自由英作文のテーマは色々ですが、短い文章を読ませたうえで自分の意見を述べるような問題が多いようです。大問4は会話文の長文問題で、穴埋め問題になっています。頭文字だけ記入してあって、適切な単語を自分で埋めていく形式です。所々くせ者の設問がありますが、概ねさくさく埋めていけるんじゃないかと思います。120分時間がありますが、長文3問+自由英作文1問のセットですので、英語が苦手過ぎると最後まで終わらないかもしれません。

化学の分析<60分・3問> 

満点100/H90/M80/L75

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 大問3~4問からなり、理論が1問、無機が1問、有機が1問、年度によっては高分子が追加で1問という構成で出題されることが多いようです。令和2年度の試験では高分子の出題はありませんでした。無機が毎年きっちり聞かれているので、重点的な対策が必要といえます。理論の問題もほとんど計算問題がなく、定性的な内容を問う問題が大半です。それゆえ時間はかなり余るのですが、知っていれば得点、知らなければ失点というタイプになっていて、試験中の計算ミスなどでは差がつかない試験となっています。全体的に難易度はやや易しい~標準レベルですが、理論で計算問題が問われにくいというのが逆に取り組みにくく、人によっては盲点を突かれやすい試験になるかもしれません。他の大学では計算力もセットで化学の得点が決まる傾向にありますが、熊本大ではそうではないので、この大学を第1志望にしている受験生であれば、重要問題集など標準的な問題集に取り組む際も、煩雑な計算にとらわれ過ぎず、化学の定性的な部分をきちんと理解しながら勉強を進めていきましょう。何なら気体の計算などは計算機ありで解くくらいでもいいかもしれません。共通テストでも、恐らくそういうスタンスで学習してもそこまではこけません。ただし熊本大から受験校を変える場合には注意してください。ほとんどの大学では計算力が大いに化学の点数に反映されます。

物理の対策<60分・3問> 

満点100/H90/M85/L80

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で120分なので、物理には60分の時間は割けます。大問3問構成で、1問は力学、1問は電磁気、もう1問は熱か波動、時々、原子という構成になっています。全体的な難易度はやや易しいから標準レベルで、殆どが典型問題となっています。重要問題集などふつうの問題集をこなしていれば既視感のある問題ばかりで、さくさく解答が進むことでしょう。時間は60分しかありませんが、60分あれば十分おつりが出ます。化学でも恐らく時間が余りますから、ケアレスミスなど無いよう十分に見直しをしてください。難問対策は一切必要ありません。重要問題集などの標準的な問題集を丁寧に周回し、苦手分野を克服することを念頭に入れながら受験勉強を続けてください。

生物の対策<60分・3問> 

満点100/H90/M80/L75

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 大問3問構成で、出題分野にはあまり偏りはありません。体内環境がほぼ毎年出題されており、次点で分子生物が多く出題されている以外は、まんべんなく出題されています。生態や進化、植物生理などもしっかり出題されています。目標点を考えるとこれらの分野も捨てるわけにはいきません。考察問題も多いのですが、一部を除きさほど難しくなく、標準的な問題集で見たことのあるような問題が目立ちます。特別の対策は必要なく、大森徹の最強問題集などといった、頻出テーマを網羅した標準的な問題集に取り組むだけで、そこそこの点数は確保できるかと思います。遺伝はちょいちょい出ていますが、めちゃくちゃ頻出というわけでもないので、残り時間と相談して、余裕があれば対策しておきましょう。

地域医療の概況

 熊本大学が歴史のある大学だからか、熊本県における人口当たりの医師数は全国平均より少し上回っています。医師の地域偏在はあるものの、熊本が県の中央部に位置するためか、深刻な問題には至っていないように見えます。中央の熊本から少し離れた南部地域でも、充実した医療体制が築かれ、安定的な地域医療体制が確立しているといっていいでしょう。診療科偏在はあまりないですが、脳神経外科や心臓血管外科などが相対的に少な目にはなっています。

総評

 熊本大学の入試は、面接点200はほぼ満点なので極端な二次重視ではないこと英語・数学はそれなりに差がつく試験になっていること理科はやや易しめで高得点帯で団子になりがちであること、が抑えておきたいポイントになってくるでしょう。面接の寛容さもあり共通テストに失敗した浪人生が逆転のために出願する傾向がありますが、どちらかというと、英数は完成しているが理科が育っていない現役生などのほうが、二次逆転を狙いやすいんじゃないかと推察します。

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