東北大学(医学部医学科) 理科が重厚。二次比率高めで共通テストこけても大丈夫。

入試の基本情報と面接

 二次比率は79%です。配点は各科目ほぼ均等な配点となっています。面接については、5分の面接が4回行われる形式で、概ね一般的なことが聞かれるようですが、事前に作文を書かせ、その作文の内容について問うこともあるようです。おおむね、170か180点程度に収束するようで、配点の割にはあまり大きなばらつきはなさそうです。公民は1科目受験不可で、「倫理・政経」2科目まとまった科目オンリーです。共通テスト比率がたいへん小さく、二次はたいへんバランスが良く点差がつきやすい難易度になっているので、原則として二次試験対策に注力する形になるでしょう。また、東北大に関しては、東北大実践模試や東北大オープン模試といった、大学別模試が存在します。実際の入試の傾向を模して問題が作られているため、受験を予定されている方は、必ずこれらの模試を受験して、合否判定を踏まえて最終的な受験判断をするようにしてください。感染症などの影響で受験が出来なかった場合には、東北大実践模試の過去問を解いて一度自分で採点をしてみてください。採点基準が載っているはずですので、ある程度精度の高い採点が可能なはずです。また大学別模試の難易度は実際の試験の難易度よりは少し高めに設定されていることを補足しておきます。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 50 50 50 50 50 250
二次 250 250 250 200 950

数学の分析<150分・6問> 

満点250/H230/M205/L190

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 全体的な難易度は標準~やや難レベルです。各大問が2問から4問の誘導小問で構成されており、丁寧に誘導が作られています。標準問題をベースにテーマを掘り下げ、無理のないレベルで受験生の思考力・論証力を問う良問が多くなっています。問題作成者の工夫なのか、計算があまり煩雑にならないよう工夫されており、計算量が少ないためボリュームは適正か、人によってはやや少なめに感じるでしょう。計算力より、思考力や論証力を問う問題が多いため、計算よりも方針を考える段階や解答作成の段階で時間を要すると考えられます。ここ数年易化傾向が進んでおり、令和2年度は特に易化した年度になりました。数3微積や確率が頻出、次点で整数がよく出題されています。とはいえ、大問数が多く、他の分野についてもまんべんなく出題されていることから、各分野に関して満遍なく対策をする必要があるでしょう。東北大数学の対策としては、基本的には標準問題をベースとした問題が多いので、青チャートや一対一対応の演習など、標準問題の解法のインプットはやはりきちんとやる必要があるでしょう。アウトプット演習は東北大を含めた下位旧帝大、神戸大、千葉大レベルの過去問で行うと良いでしょう。今年度こそかなり易しくなりましたが、例年は高度な思考力や論証力を要する問題が出題されることも多いため、数学でアドバンテージを取りたい受験生は、上位旧帝大、京大、一橋大などの過去問で更なる高みを目指すのも悪くはありません。どちらにせよ、アウトプット演習の時間はきっちり取り、数学の公式の深い理解や、適切な場合分けが出来るようにトレーニングをしておきたいところです。

英語の分析<100分・4問> 

満点250/H210/M180/L170

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 100分の試験で、大問は4問ですが、事実上5問です。長文が3問、自由英作文が1問、和文英訳が1問の構成です。長文そのものは標準的で、語彙が難しいわけでもありません。この大学の大きな特徴はその設問のバリエーションの多さでしょう。内容説明問題、やや難しめの和訳問題、語彙の言い換え問題、文の並び替え問題や穴埋め問題、内容一致問題など、様々な設問が出題されています。これに作文が加わり100分の試験なので、速読要素あり、精読要素ありで、特化した対策がたいへんやりにくいセットになっています。記述をベースにした通常の長文対策に加え、京大や阪大レベルの難しめの和訳問題のトレーニングが必要です。作文に関しては長文の内容を踏まえた50~70ワード程度の自由英作文が1~2題、やや難レベルの和文英訳が2題というセットになります。これもまたバランスよく対策する必要があります。

化学の分析<75分・3問> 

満点125/H105/M90/L80

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で150分なので、化学には75分割けることになります。大問3問構成で、理論が1問、無機が1問、有機が1問で出題されることが多いようです。無機の知識も毎年きっちり聞かれているので、得点源にするべくきちんと対策をしましょう。「Doシリーズ福間の無機化学」などが今も昔も鉄板の無機対策本です。逆に高分子はおまけ程度の出題に留まることが多いです。東北大の化学の大きな特徴は、有機化学の構造決定問題でしょう。この構造決定問題の難易度がかなり高く、解きなれていないと完答できません。とはいえ構造決定問題はオールオアナッシングになりやすい傾向もあり、どうにかキャッチアップする必要があります。有機化学分野だけは、重要問題集などふつうの問題集に加え、新演習や標準問題精講などの難しめの問題集、あるいは京大化学25か年などで追加対策を行い、様々なバリエーションの問題をトレーニングしましょう。理論の問題は比較的標準的ですが、設問数が多く計算量もそこそこあるので、てきぱき処理していかないと時間が足りません。以上より、東北大化学の対策をまとめると、無機の対策をきちんと行うこと、有機の構造決定は難問も含めて慣れておくこと、理論は標準的な問題を素早く解けるようにすること、の3点になります。

物理の対策<75分・3問> 

満点125/H100/M90/L80

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で150分なので、物理には75分の時間は割けます。大問3問構成で、1問は力学、1問は電磁気、もう1問は熱か波動、という構成になっています。原子についてはあまり出題がないようですが、無対策というのもそれはそれで怖いですね。また、複数の分野の融合問題が見られます。全体的な難易度は標準からやや難で、各大問の前半が標準、後半になればなるほど難易度が上がっていきます。誘導が丁寧に作られており、きちんと誘導の意味を考えながら進めていくことで、難しいながらもそれなりに取り組める良い難易度になっています。時間の制約もあまり厳しくないので、やや難レベルの問題を解くための時間も作りやすいように思います。東北大の物理の対策としては、まずは苦手な分野を作らないため、重要問題集や名問の森などの標準レベルの問題集をきっちり完成させましょう。各大問の後半の問題で差がつくとはいえ、前半で落としてしまうと目も当てられません。そのうえで、標準問題精講や、難系統問題とその解き方、などといった難問系問題集に手を出しても構いません。とはいえ、東北大はかつてから、東大、京大、東工大と並ぶ難問の宝庫で、これらの問題集もこの4大学の設問がたいへん多くなっています。これらの大学の過去問などでもよいトレーニングになるでしょう。超難問が出題されることで有名だった東北大も、ここ数年で問題の易化が進んでいるようです。とはいえ、東北大では理科の選択科目の得点調整が行われるので、生物選択との有利・不利は殆ど出ません。

生物の対策<75分・4問> 

満点125/H105/M95/L85

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 理科2科目で150分なので、生物には75分程度の時間は割けます。大問3問構成で、出題分野には大いに偏りがあります。分子生物、体内環境、代謝が頻出で、分子生物に至っては毎年出題があります。植物生理は3年に1回くらいのペースで出題があり、その他の分野は満遍なく出題されています。考察問題が多く出題されており、いかにも典型という問題も少ないですが、とはいえ超難問の考察問題も少なく、きちんと実力差がつきそうな難易度になっています。この考察できちんと点数を稼いでいきたいところです。標準問題精講などの考察系問題集をきちんとやりこみたいところです。また、東北大では、知識問題で、時々、大学教養レベルなんじゃないかというレベルの問題が出題されることもありますが、対策も難しいので、あまり気にしなくて良いですが、頻出分野だけでも、資料集の隅から隅まで直前にチェックするくらいのことはしても良いかもしれません。最後に、遺伝も良く出ますので、遺伝対策は必須です。

地域医療の概況

 宮城県における人口当たりの医師数はかなり不足気味です。それでいて地域偏在も非常に激しく、仙台市に医師が一極集中しています。その影響を受け、石巻(いしのまき)、気仙沼、あるいは仙南(せんなん)などの地域は、東日本大震災の前から医師不足の地域でしたが、震災の後、状況は更に悪化したため、医療体制の再建にはまだまだたくさんの課題があります。診療科偏在については、どの診療科も不足傾向ですが、とりわけ不足しているのは脳神経外科です。

総評

 東北大学の入試は、二次比率が80%近くあり、難易度もほどほどで差が付きやすいため二次試験で合否が決まると言っても過言でないこと、数学・物理で易化が進み取り組みやすい問題になっていること理科の得点調整が行われるため選択科目の有利・不利は殆どないこと、などが抑えておきたいポイントになってくるでしょう。共通テストは足きりにかからなければそれでよい、くらいのスタンスで、全力で二次対策にリソースを振り切るのが、合格への最短ルートと言えるでしょう。大学別模試の判定などが芳しくなく、途中でランクを落とすということになっても、例えば、北陸地方の医学部、金沢・富山などは二次逆転がかなりやりやすい大学になってくるかと思いますので、案外、東北大の二次対策に全力を注ぐのも、悪くない戦略かなあと思います。

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