<傾向と対策>徳島大学(医学部医学科)共通テスト比率ほぼ7割。推薦入試のリスクヘッジにも◎

総評

  • 共通テストでほぼ決まるものの、採点が全体的に厳しく、最後の詰めが悪いと逆転不合格もあり得る。
  • 二次比率31%だが、例年4%程度の逆転はある。
  • 英作文対策だけは共通テスト前から進めておき、共通テスト後は数学も含め記述答案の添削をしてもらおう。
実際、ボーダーマイナス4パーセント程度であれば逆転があるようです。英作文の対策だけは共通テスト前からこつこつと進め、その他、数学などについても、共通テスト後徳島大学の受験を決めたら、記述答案を厳しく添削してもらう機会をとってもらうと良いでしょう。

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入試の基本情報と面接

  • 二次比率31%
  • 前期での共通テスト比率は日本一高い。
  • 面接は基本的には普通。
  • 多浪・再受験は面接一発アウトリスクあり。
  • 共通テスト理科に比重
  • 文系科目配点控えめ⇒やや「物理選択の数強」有利
  • 公民1科目受験OK
  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 150 50 200 300 200 900
二次 200 200 400

二次比率は31%で、日本の医学部の前期試験では、最も共通テスト重視の配点です。二次の理科はありませんが、共通テストの理科に重点がおかれています。

面接については配点はありません。変わったことを聞かれることは少なく、基本的な内容が聞かれるようです。しかしながら、ネット上では圧迫面接や面接一発不合格の噂はあります。再受験生や多浪生を嫌っているのかもしれません。

とはいえ、共通テスト重視の大学は面接比重の高い大学ばかりですので、面接が極端にダメでなければ、まあ何とかなるのでしょう。

数学の分析

<目標得点ライン>
満点200/H170/M150/L135
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 制限時間120分 大問4問構成
  • やや易~やや難のレベル。
  • 後半の小問は重めだが、前半でつまづかなければ恐らく時間は大丈夫。前半のミスには注意。
  • 場合の数と確率、数列、数3微積、整数が頻出。
  • 標準問題集の解法インプット後、地方国公立大、下位旧帝大などの過去問でアウトプット演習を。

<試験問題の概要>
制限時間は120分の試験です。大問4問構成で、やや易しい~やや難しい問題まで幅広い難易度の大問で構成されています。大問はいずれも3~4の小問に分かれており、小問番号が大きくなるにつれて難易度が高くなっています。

大問の後半を中心に、計算量・作業量の多い問題もありますが、大問の前半で躓かなければ時間が著しく足りなくなることはないでしょう。この大問の前半でケアレスミスをすると、後半に響くので注意です。

<頻出分野>
場合の数と確率、数列、数3微積、整数などが頻出です。確率や微積はともかく、数列や整数の頻度が高いのはちょっと珍しいですね。

<徳島大数学の対策> 
それほど癖のある問題でもないので、標準問題集で解法のインプットをした後、地方国公立大や下位旧帝大などの過去問等でアウトプット演習を積みましょう。

英語の分析 

<目標得点ライン>
満点200/H175/M130/L115
(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)

  • 制限時間70分※(誤) 80分 ⇒ (正)70分
  • 大問3問 2問は長文1問は作文
  • 読解はやや語彙難しいがボリューム少ない。各設問のコアになる部分を解答するのは苦労しない。
  • 英答させる問題が多く、恐らく採点は厳しめ。作文の形式は80~100語の自由英作文。時間は短いようでそこそこ余る。英作文対策だけが要注意ポイント。
  • 長文読解でも英語で答える問題が多く、採点は厳しい可能性が高い。
  • 「三単現や複数のS忘れ」、「時制のミス」など、英作文にありがちなミスを見直し時間でスクリーニングし、見つけて修正する力をつけるためには、早めの英作文トレーニングが必要。
  • 志望校を変えても、自由英作文対策は生きる。

<試験問題の概要>
80分の試験で大問は3問、2問は長文、1問は英作文です。

読解はやや語彙の難しいところもありますが、ボリュームがかなり小さいので文章の大意を掴み、それぞれの設問のコアになる部分を解答するのには殆ど苦労しないでしょう。しかしながら、殆どが英文で答えさせる問題となっており、細かい文法ミスが積み重なることで想定外の低い点数になってしまう可能性はあります。

自由英作文は80~100word級で、比較的書きやすいとは思います。

<徳島大学英語の対策>
全体的に、時間は余るのですが、注意したいところはやはり英作文対策でしょう。長文にも英語で答えさせる問題が非常にたくさんあり、採点はおそらく厳しいので、細かい文法ミスで大きな減点を食らってしまうリスクがあります。

徳島大志望の方は殆どが共通テストに偏らせた対策をしているとは思いますが、この二次の問題を見る限りは、共通テストには出題されることはないものの、英作文のトレーニングは早い目に始めておいた方が得策のように思います。

例えば三単現や複数のsを書き忘れるようなミスは皆さん日常茶飯事とは思います。時制がおかしくなってしまうこともよくあることとは思います。これらは中学生で学ぶことで、間違いであることは皆さん理解していますが、実際にその間違いを短い見直し時間では修正することがなかなか出来ないのです。

そのような英作文でよくあるミスを、短い見直しの時間でスクリーニングして見つけ出せるようになるには、共通テスト前から、英作文のトライアンドエラーを繰り返すことが必要かと思います。また、万が一共通テストで失敗して、志望校を変えなければいけない状況になったとしても、自由英作文のトレーニングは殆どの大学で無駄にはなりません。

推薦入試のリスクヘッジとしての徳島

  • 理系科目が得意な共通テスト強者は徳島大を第一志望にしやすい。
  • 推薦は評定条件などクリアできれば、比較的簡単に医学部に合格できる。
  • 推薦入試の学力評価はほぼ共テで決まるため、共テ対策が重点的になる。しかし、面接や小論文の不出来で推薦に落ちることもあるので、徳島大を前期で併願しておくとリスクヘッジになる。

徳島大学は共通テストが7割の比率と、非常にユニークな特徴を持つ国公立医学部です。この徳島大を第一志望にしやすい受験生は、現役生で推薦入試も同時に受ける受験生です。

推薦入試は評定などの条件をクリアし、学校の推薦が貰えれば入学難易度はかなりマイルドになるので、進学する大学に特段のこだわりがなければ、現役生は積極的に推薦入試での合格を狙っていきたいところです。

推薦入試の学力評価は殆ど共通テストの点数で決まるため、推薦入試を受ける現役生はガッツリ共通テスト対策をする必要があります。しかしながら、共通テストの出来がよくても面接や小論文の出来が一歩及ばないと不合格になることも、やはり、あるでしょう。徳島大学は面接点がゼロで、共通テストの比重がたいへん大きいです。

「共通テストがそこそこ取れたのに面接や小論文で一歩及ばず推薦入試では合格できなかった」層に関しては、二次が英数のみという現役に易しい配点、面接落ちの噂はあるもののそれは再受験や多浪生が中心になっており、一定の水準さえ超えれば面接で差をつけられないことを踏まえれば、それなりに良いリスクヘッジになる併願先のではないかと思います。

徳島県の地域医療の概況

  • 全体的には医師過剰。
  • 東部の徳島市、南部の小松島市が二大拠点。
  • 周辺地域(吉野川中流域、美波町、美馬町や三好郡)では医師不足。
  • 医療資源には余裕あり
  • 出身地差別はない。
  • 一般入試で県内出身者は例年一桁にとどまり、殆どが県外出身者

徳島県は全体的に医師はやや過剰気味で、県の面積も大きくなく、山間部の医療もまだそこまでひどい状況にはなっていないようですが、それでも面接試験では徳島に残る意志があるかどうか聞かれるようなので、どうせなら徳島県がどんな地域なのか予習しておきましょう。

徳島は東部・南部・西部に分けることが出来、東部には徳島大学のある徳島市、南部には徳島日赤病院のある小松島市(こまつしまし)があり、この二つの市が地域医療の二大拠点です。東部でも吉野川中流域、南部でも美波町(みなみちょう)近辺、また西部の美馬町(みまちょう)や三好郡(みよしぐん)ではやや医師不足で、徳島や小松島の病院と連携しながら地域医療を支えています。

このような背景があり、医療資源には比較的余裕のある地方ですので、出身地差別は全くなく、県内受験生は一般入試では例年一桁程度であり、殆どが県外からの流入です。

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