富山大学(医学部医学科)二次逆転の穴場。英語の専門性激しめ。

入試の基本情報と面接

 二次比率は44%で、共通テスト型といえます。オーソドックスな配点となっています。(理科の点数が以前に比べて圧縮されました)面接はグループ面接20分の後、グループディスカッション20分です。面接点もそれなりに差がつき、40~90点のレンジになるようです。グループ面接では基本的なことしか聞かれません。グループディスカッションについてはどのような採点がされるかは未知数ですが、一般的には、しゃべり過ぎず黙り過ぎず、周りの様子も見ながら意見を述べていけばそれなりに良い点数が出るように思います。

 今まで二次の理科に300点あったものが200点に圧縮されました。以前の配点では、富山大の二次の理科の試験は素点でもそれなりに差が付いたので、それが更にまた1.5倍に増幅されるため、面接で多浪生に厳しめの点数をつけているにもかかわらず多浪生の比率はかなり高い大学でした。今回の配点変更で多浪生が理科で差をつけることが難しくなり、やや現役生に追い風となっております。公民は1科目不可能で、「倫理・政経」2科目まとまった科目オンリーです。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 200 100 200 200 200

900

二次 200 200 200 100 700

数学の分析<120分・4問> 

満点200/H170/M140/L120

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 全体的な難易度は標準~やや難レベルの問題で構成されています。論証問題がやや多めの印象です。大問はいくつかの小問に分かれており、難易度は概ね後半になるほど高くなっています。計算力よりは、思考力を問う問題の方が多くなっています制限時間120分に対して、ボリュームはほどほどか、やや少なめです。煩雑な計算こそないものの、特に大問の後半に思考力を問う問題が多いので、方針を立てるまでにかなり時間がかかるでしょう。ただ、トータルとして時間には比較的余裕があるはずですので、問題文はじっくり読み、ゆっくり腰を据えて問題に臨んでください。見直しの時間も、十分に確保できるはずです。また数学が苦手であっても、大問の序盤の平易な問題は、絶対に落とさないようにしてください。分野の偏りはあまりありませんが、式と証明、数3微積などが頻出です。富山大数学の対策としては、青チャート、フォーカスゴールド、一対一対応の演習などの網羅系問題集を通して、標準的な解法をマスターするのはもちろんのこと、その後、理系数学入試の核心(標準編)などの地方国公立大レベルの問題集や、やさしい理系数学などの下位旧帝大レベルの問題集でアウトプットの練習を行うことで、より得点の伸びが期待できるでしょう。余裕があればもう少し上のランクの問題集をやってもいいかもしれません。小問が多い問題中心に演習し、誘導の意味を考えながら解く習慣をつけていきましょう。

英語の分析<90分・3問> 

満点200/H170/M125/L105

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 90分の試験で、大問は2問のこともあれば3問のこともありますが、事実上3問となっています。その内訳は、2問は長文で1問は英作文です。長文については、語彙については標準レベルで、記述問題、選択肢問題、並び替え問題があったりとバランスよく配置されています。医学部専用問題ですので、医学トピックなど理系的なトピックが目立ちますが、専門用語にはたくさん注釈がついているので、語彙については普通の対策で良いでしょう。ただしサイエンスなどの科学雑誌のコラムからの引用も多く、生物学や医学の素養がないとなかなかしっくり来ない文章かもしれません。自由英作文も大変重い問題になっています。自由英作文の要求ワード数がとにかく多く、200ワード程度が最近の傾向です。けっこうガッツリ練習しないと200ワード級のエッセイを書けるようにはなりませんので、早い段階から自由英作文の練習をしましょう。200ワードの問題が出る大学は殆どありませんから、問題のネタを探すのが困難になってきます。比較的自由度の高いテーマの自由英作文の問題を勝手に150ワードや200ワードのボリュームに増やして練習をしてください。なるべく、添削指導が受けられる環境であることが望ましいです。200ワードのエッセイに慣れてきたら、次は時間を測って自由英作文を書く練習をしましょう。30分前後で書けるようになれば富山大学の二次試験ではかなりアドバンテージを取れます。

化学の分析<75分・3問> 

満点100/H90/M75/L65

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 大問4問構成で、理論が2問、有機が1問、高分子が1問です。無機は理論の大問1問にちょっと混じるくらいの年が多く、無機の対策は簡単で構いませんが、高分子は年によってはマニアックな知識も聞かれますので、きちんと対策をしてください。全学共通問題となっており、大問の1つは拍子抜けするほど簡単な問題ですが、残りは標準からやや難レベルです。多くの大学の試験では、理科の時間が足りないため、やや難レベルの問題はきちんと「飛ばせる」かどうかが合否を分けますが、ここでは事情が違います。90分も時間があるので、やや難レベルの問題が「解ける」かどうかで合格者平均レベルに到達するかどうかが決まってきます。ここでいうやや難レベルの問題は具体的には重要問題集のB問題レベルです。化学の新演習でいうなら、★★の難しいものくらいのレベルです。時間がかかってもいいので、このレベルの難しい問題が解けるかどうかでそれなりに点差がつくでしょう。目新しい設定の問題を考えさせる問題はないので新演習★★★レベルの問題は少ないですが、標準的なレベルのものを複合させた少し重めの問題が時々あるので、こういう問題をなるべく拾っていきたいといった感じになります。

物理の対策<75分・4問> 

満点100/H85/M80/L75

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で180分なので、物理には90分の時間は割けます。大問3問で構成されますが、いずれも全学部共通問題になっているため、難易度そのものは標準レベルで、決して難しい問題ではありません。時折、融合問題が出題されることもあります。制限時間は90分もありますから、ゆっくり解いていっても時間が足りないことはないでしょう。目新しい設定の問題があったとしても、実は簡単なので、あわてず取り組んでください。富山大物理の対策としては、重要問題集や名門の森など標準的なレベルの問題集の周回で構いませんが、余裕があれば難しめの問題集に手を出しても構いません。高得点勝負ですからケアレスミスによるダメージが大きめに出ます。時間は余るとは思いますが、しっかり見直しをして、1つでも多くミスを見つけて直していきましょう。

生物の対策<75分・4問> 

満点100/H85/M70/L65

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 生物の分析に入ります。理科2科目で180分なので、生物には90分程度の時間は割けます。大問5問構成で、植物・生態・進化を含む幅広い分野から出題され、知識問題と考察問題がバランスよく配分されています。富山大学の生物は、知識問題で気持ちよく点を取らせてくれないのが一つの特徴です。結構細かいところを聞かれる傾向にあり、曖昧な理解では確信をもって回答することが出来ません。近年、高校生物は細かい知識を問うよりは、生物学の根底に流れる普遍的な考え方をきちんと理解しているかどうか見ようという方針の試験がされることが多くなり、共通テストなどではその傾向が色濃く出ているのですが、ここでは少しベクトルが違います。富山大生物の対策としては、「生物用語の完全制覇」などが難しめの知識問題のアウトプット演習としては有用でありますが、この問題集は旧課程から改訂がされていませんので、「ランク順 生物一問一答」なども新課程対応の面である程度有用かもしれません。近年の生物の試験の傾向とは真逆ですので、知識問題に重点を置いた問題集は最近少ないのが考えものですね。その他、知識を問う論述問題もしばしば出題されるため、「生物 記述論述問題の完全対策」も有用でしょう。記述問題を通して知識をブラッシュアップすることで、選択肢の正誤問題などでも相乗効果が期待できます。考察については殆どが典型問題で、たまに難しいものもありますが、難しい問題は合否には全く影響しません。時間がたっぷりあるので、たとえ難しい問題に引っかかってもさほどダメージはありませんが、何十分も難問に時間をかけるようなことだけはないようにしてくださいね。これら典型的な考察問題の対策のために、典型問題が網羅できる、「大森徹の最強問題集」、時間が足りなければ「基礎問題精講」なども有用と言えるでしょう。理科単体では、生物選択はやや不利かもしれません。少しでも挽回するためには、知識問題のケアに日頃から取り組む必要があるのではないかと思います。しかし、英語については生物選択の方がかなり取り組みやすい長文が出ているので、その辺りも踏まえれば物理選択者に追いついてくるのではないかと思います。

後期入試の概要

 富山大の後期試験は令和3年度で終了し、令和4年度からは廃止されます。

地域医療の概況

 富山県はその面積の小ささもあり、比較的安定した地域医療体制が築けていると言えるでしょう。勿論富山の医療の中心は富山大学のある富山医療圏ですが、第二の拠点として高岡医療圏、その他、魚津市のある新川(にいかわ)医療圏及び砺波(となみ)医療圏があります。医師の地域偏在の程度も小さく、例え偏在が起きても中心地である富山へのアクセスは比較的良いため、地域医療に関して深刻な問題を抱えているわけではなさそうです。診療科偏在もほとんどなく、どの診療科もバランスよく配置されているといえるでしょう。

総評

 富山大学の入試は、数学は程ほどの難易度で医学部受験生の間でも差がつく試験であるということ、英語は長文内容の専門性が強く自由英作文も長いため特化した対策が必要になること、二次の理科の配点は圧縮されましたが、制限時間は相変わらず長いためやや難の問題で差がつく試験になっていること、などが抑えておきたいポイントと言えるでしょう。二次が医学部受験生でも差がつく問題となっており、極端な逆転合格事例もあるようで、かつてはセンター76%からの逆転事例があることも統計資料から分かります。配点変更により共通テスト比率が上がってしまい、ここまでの極端な逆転は今後難しいかもしれませんが、「共通テスト比率が高い割には二次逆転がある大学」という認識は持っておいた方がいいかもしれません。

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