和歌山県立医科大学(医学部医学科) 制限時間延長措置で異変あり?英語は易しいが採点厳しめ。

入試の基本情報と面接

 二次比率は54%です。配点はやや理科重視な配点となっています。面接点はゼロ点で、10分前後の面接で概ね一般的なことが聞かれるようです。多浪生や再受験生には再面接を課されることもありますが、不合格にまで至るケースは殆どないようです。また、公民は1科目受験不可で、すなわち、「倫理・政経」2科目まとまった科目オンリーです。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 100 100 100 150 150 600
二次 250 250 200 700

数学の分析<100分・4問> 

満点250/H180/M125/L110

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 大問4問構成で、制限時間は100分の試験です。全体的な難易度は標準~やや難レベルです。誘導小問については全くないこともありますが、沢山ついていることもあり、年度や大問によってまちまちです。標準問題をベースとして数学の基本的事項の理解を問う良問もありますが、ただひたすら煩雑な計算を要求するような悪問もあり、どの設問にどこまでの時間をかけるかは一考の余地があります。制限時間100分に対して、ボリュームはやや多めです。良くも悪くも難しすぎる捨て問が分かりやすいので、そのような問題を飛ばせてしまえば何とか間に合うでしょう。頻出分野には特徴があり、複素数平面が最頻出であり、次点で数列が頻出となっています。その他、数2微積、数3微積、数列などもそこそこは出題されています。和歌山県立医大数学の対策としては、標準問題をベースにした大問は是非得点したいため、青チャート、フォーカスゴールド、一対一対応の演習などの標準的な問題集での解法のインプットは必須になるでしょう。アウトプット演習は基本的にはやさしい理系数学や標準問題精講レベルまで完成させるのが一般的とは思いますが、いわゆる捨て問にまで手を付けようとするなら更にハイレベルな問題集に取り組む必要があります。

英語の分析<100分・3問> 

満点200/H170/M125/L110

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 100分の試験で、大問は3問です。大問1は理系トピックの長文、大問2は小説の長文問題になっています。長文の難易度は内容・語彙共に標準レベルで難しいわけではありません。設問は和訳問題や内容説明問題がメインで、殆どが記述問題となっています。設問の難易度もそう難しくはありませんが、記述問題に慣れていないとポロポロ点がなくなっていくかもしれません。大問3は和文英訳で、阪大レベルの少しこなれた日本語を訳す形式になっています。ある程度トレーニングを積むのが望ましいですが、設問が4文程度であるため、あまり多くの配点が割り当てられていないかもしれません。時間もそう厳しいわけでもなく、問題もそう難しいわけでもなく、高得点勝負になるかと思いきや、意外とそうでもないらしく、記述の答案の出来でそこそこの点差がついているようです。もし機会があれば、添削指導を受けられるとプラスになるでしょう。

化学の分析<60分・3問> 

満点125/H100/M80/L70

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で120分なので、化学には60分割けることになります。大問3問構成で、理論が1問、有機が1問は確定、残る1問は理論になったり無機になったり、理論と無機の融合問題になったりと様々です。有機の問題がまるまる高分子になっていることもあるので、高分子の対策も必須です。難易度は標準からやや難レベルで、簡単に答えが書ける設問もあれば、少し解答に手間取るような設問もあるので、解く優先順位を適切につけて、テンポよく解答するように心がけてください。和歌山県立医大の化学の対策としては、重要問題集など標準的な問題集の周回で構いませんが、過去問演習を通じて時間配分の最適化を十分行ってください。化学の新演習など難しい問題集もやって損ではありませんが、現状は制限時間が短くやや難の問題に取り組む時間はそれほど取れないので、あまり点数にはつながらないかもしれません。

物理の対策<60分・3問> 

満点125/H105/M110/L100

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で120分なので、物理には60分の時間は割けます。大問3問構成で、1問は力学、1問は電磁気、もう1問は熱力学か波動、の構成になっています。原子分野については出題はあまりされていないようです。難易度は標準からやや難レベルで、設問数が多く、それぞれの設問に対して計算量も多いため、60分の試験の割にはボリュームはかなり多いと感じるでしょう。時間さえあれば問題そのものの難易度はそれほどでもないので、得意な人であればそこそこの高得点は期待できます。和歌山県立医大の物理の対策としては、問題の難易度は標準レベルなので重要問題集や名門の森などオーソドックスな問題集の演習で構いませんが、時間配分が今のところたいへんシビアですので過去問演習は多めに行い、自分の実力が全て得点に繋がるように、時間配分のペースの最適化にはしっかり時間を取ってください。

生物の対策<60分・4問> 

満点125/H105/M80/L70

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 理科2科目で120分なので、生物には60分程度の時間は割けます。大問4問構成で、分野の偏りはかなりあり、分子生物と体内環境がほぼ必ず出題され、神経・代謝・発生・細胞生物・遺伝などの分野がまんべんなく出題されています。たまに進化と系統の問題も出題されていますが、生態学や植物生理に関しては殆ど出題がありません。全体的な難易度は標準レベルです。多分野融合問題が多く、考察問題の比率も高いですが、難易度はほどほどで、きちんと実力があればそれなりの高得点も期待できます。和歌山県立医大の生物の対策としては、基礎問題精講などの標準的な問題集をさらっと一周した後、分野を絞ってでもいいので標準問題精講などの考察系問題集にきちんと取り組み、リード文や実験データの読み取りのトレーニングをきちんとつみましょう。この辺のトレーニングがきちんと出来ている受験生なら、ぱっと見難しそうなテーマも多いですが、意外とさくさく解けていけるはずです。遺伝もけっこうな頻度で出ているので、対策は必須です。

令和3年度からの制限時間延長措置

 和歌山県立医大では令和3年度より二次試験の試験時間が延長されます。英語は100分だったのが120分に、数学は100分だったのが120分に、理科は120分だったものが150分になります。制限時間の延長に伴って問題数も増加すれば、今までとあまり変わり映えのない試験ということになりますが、問題数が据え置きの場合は色々と事情が変わってきます。英語はもともと易しめの問題でしたので時間延長による影響はあまりないように思いますが、数学と理科はかなり時間制限が厳しく、そのためにやや難の問題を飛ばさざるを得ない状況にありましたから、制限時間の延長によりやや難の問題でも差がつくようになる可能性があります。数学・理科が得意な受験生は二次で逆転をしやすくなるかもしれません。過去問演習では、今までの短めの時間と、延長後の長めの時間の両方で交互に取り組むと問題数増加の有無にかかわらず安定したパフォーマンスが発揮できるでしょう。

地域医療の概況

 和歌山県の人口当たりの医師数は全国平均と比べるとやや多めになっています。しかし、地域偏在はかなり激しく、県庁所在地である和歌山市に医師が一極集中しており、医師数は過剰と言っても良い状況です。一方で、和歌山市周辺地域の那賀(なか)町や有田(ありだ)市では殆どの医療を和歌山市に依存しており、県南部の御坊(ごぼう)市、田辺市、新宮(しんぐう)市などの地域では、一般的な診療こそ地元で完結できていますが、高度な医療については殆ど和歌山市に依存しています。診療科偏在もあるにはあり、県全体としては精神科が相対的には不足していますが、地域によってその実情はまちまちで、地域によって不足している科は異なるようです。

総評

 和歌山県立医科大学の入試は、得意過ぎても高得点は狙えず、苦手過ぎると大きく失点するタイプのものであり、科目間バランスが求められる試験でありましたが、令和3年度では制限時間の延長により若干の不確実性が伴うということが、抑えておきたいポイントでしょう。

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