名古屋市立大学(医学部医学科) とにかく情報処理速度の勝負!問題難易度は標準的。

入試の基本情報と面接

 二次比率は69%です。配点はやや理科重視な配点となっています。令和2年度までの入試では二次の学科試験の配点が全体的に低かったですが、令和3年度の入試からは二次の学科試験の点数が2倍になるため、相対的に面接点の割合が低下しています。また、面接点の割合は低下したものの、面接の形式が大幅に変わり、以前は合格者全員満点という試験でしたが、令和2年に入ってからは結構な点差がつく試験となっているようです。従来通りのグループディスカッション形式の試験に加え、個人面接が課されるようになり、英語で志望動機を答えさせるような質問があったり、イラストなどの題材を見て内容をまとめさせるなどユニークな質問が多くなされたようです。来年度以降同じ形式かどうかは分かりませんが、英語での自己紹介や志望動機については、あらかじめ用意しておいた方が良いかもしれません。また、令和3年度の入試から生物選択では受験できなくなり、物理・化学オンリーとなっています。一方で公民は1科目受験が可能で、すなわち、倫理、政経、現社、それぞれ1科目での受験が可能です。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 125 75 125 100 125 550
二次 300 400 300 1200

数学の分析<120分・4問> 

満点300/H250/M210/L190

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 全体的な難易度は標準レベルです。医学部専用問題もありますが1問で、残る3問は他学部との共通問題となっています。ややこしい設定の問題は少なく、典型問題をベースに良く練られた良問が多くなっています。工夫次第でスムーズに解ける問題も多く、数学力を図るうえで良質な問題セットと言えるでしょう。制限時間120分に対して、ボリュームは適正~やや少な目です。極端に煩雑な計算を要求する問題は少なく、思考力や解答の道筋を丁寧に書ききる論述力が要求されている傾向があります。出題分野については数列や確率が頻出で、次点で空間ベクトルや二次曲線などが良く出題されています。名古屋市立大数学の対策としては、典型問題をベースにした出題が多いため、青チャート、一対一対応の演習、フォーカスゴールドなどの網羅系問題集でのインプット学習は必須になるでしょう。アウトプット演習に関しては、殆どが易しめの問題であるので、理系数学入試の核心(標準編)などの易しめの演習書で構いませんが、医学部専用問題の得点率を意識するならやさしい理系数学や標準問題精講などの、下位旧帝大レベルの問題集にも手を付けたいところです。普段から問題を解くうえで、単に問題を解くだけでなく、式変形が工夫できないか考察してみたりするなど、一問一問に対して丁寧に取り組むようにしてください。

英語の分析<120分・4問> 

満点300/H240/M210/L190

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 大問1、大問2、大問3と長文問題が続き、文系ジャンルと理系ジャンルがバランスよく出題されています。語彙・内容共に標準レベルです。設問もありきたりのものが多く、内容説明問題や和訳などの記述問題もあれば、穴埋め問題や類義語を答えさせる選択式の問題もあります。大問4の作文は自由英作文で、120~150ワードのやや長めの自由英作文を書かせる形式になっています。全体的に、1問1問はいたってふつうの問題なのですが、分量がとにかく多いです。制限時間は120分とたっぷりあるように見えますが、かなり長めの長文問題が3題、自由英作文もワード数が多めとなっており、意識的に演習を続けなければ完走できません。普段の演習から速読を意識したトレーニングを心がけると共に、自由英作文の演習もなるべく早めに始めるようにしてください。

化学の分析<75分・4問> 

満点200/H160/M110/L100

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 大問4問構成で、理論が2問、有機が1問、高分子が1問の構成になっています。無機については理論の大問の1部に出題される場合が多いですが、無機メインの大問が1問まるごと出ていることもあります。全体的な難易度は標準レベルで、一部やや難の問題もありますが、殆どの問題はどこかで見たことのある問題になっているんじゃないでしょうか。標準的な問題なので点数はやや高めと思いきや、物理も含めて時間がかなり足りない試験だったようで意外と合格者でも点数は低めになっているようです。有機や高分子など、解答にそこまで時間のかからない大問から先に手を付け、理論の計算は、少しでも計算が重そうだなと思ったら後回しにし、余った時間で取り組むようにしましょう。名古屋市立大化学の対策としては、重要問題集などの標準問題集の周回で構いませんが、ややこしい計算の問題にも丁寧に取り組み、「計算量が多くなりがちな問題」のパターンを理解するようにしてください。実際の試験では計算量の重い設問は飛ばすことも多いとは思いますが、計算に苦労した経験がないと飛ばす判断もできません。

物理の対策<75分・4問> 

満点200/H150/M120/L110

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で150分なので、物理には75分の時間は割けます。大問4問構成で、1問は力学、1問は電磁気、もう1問は波動が固定、最後の1問で熱力学か原子が出る、というセットになっています。時々、複数の分野の融合問題が出題されることもあります。全体的な難易度は標準ですが、所々にやや難の問題も見受けられます。設問数が多いにもかかわらず、数値計算や論述問題など、時間を食うタイプの設問も多いため、素早く解けそうな問題から着手する必要があります。化学も時間に余裕はありませんから、時間配分に関してはかなり研究する必要があるでしょう。名古屋市立大物理の対策としては、まずは重要問題集や名問の森などといった標準問題集に丁寧に取り組みたいところです。融合問題対策として、標準問題精講などの難問系問題集も無駄ではないのですが、制限時間の都合上そのレベルの問題にはあまり十分に着手できない可能性もあるので、コストパフォーマンスは低めです。とにかく時間配分が勝負になりますので、過去問トレーニングは物理・化学を通しで演習を行い、簡単な問題の取りこぼしがなかったかどうかその都度振り返るようにしてください。

名古屋市立大の特色ある推薦入試

 名古屋市立大では、愛知県の高校や名古屋市の高校を卒業することを要件とする通常の地域枠も存在しますが、「中部圏活躍型」と呼ばれる地域縛りがかなり緩い推薦入試も存在し、この推薦入試でなんと27名もの定員があります。ここでいう中部圏とは、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、長野県、など、いかにも「中部地方」らしい都道府県に加え、福井県、石川県、富山県、滋賀県、などといった北陸や近畿圏としか思えない都道府県も該当します。しかも、この中部圏の学校の卒業は必須ではなく、名古屋市立大を卒業後6年間は中部圏内に居住する意思があることを確認書により認められ、学校長の推薦が得られれば出願できてしまいます。例えば「滋賀県民だけど京都の進学校を卒業しました」みたいな学生でも認められてしまう可能性があるということになります。おまけに評定縛りすらありません。通常の推薦入試では出願できない受験生でも、出願可能な方は多いと思われるため紹介しておきました。

総評

 名古屋市立大学医学部の入試は、数学こそオーソドックスな試験ですが、英語と理科は制限時間がかなり厳しく、情報処理能力や問題の取捨選択がシビアに求められる大学と言ってよいでしょう。

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