千葉大学(医学部医学科) タイムアタック系。数強も英強も戦略次第。

入試の基本情報と面接

 二次比率は69%です。配点は概ね標準的な配点となっています。面接点については、だいたい80点くらいの人が多いようですが、時々それから外れた点数の人も見受けられるということです。変わった形式の面接で、8分の1v1の面接が3回、といった形式で、医療関係の質問がそれぞれの面接官から1問ずつ出ます。医療関連のニュース、話題についてはこのチャンネルでもちょいちょい話題にしておりますので、参考にしていただければと思います。また、公民は1科目不可能で、「倫理・政経」2科目まとまった科目オンリーです。更に、一般入試に地域枠があることをお伝えしておきます。千葉県民でなくても出願できますが、奨学金を貸し付ける形式で、千葉の中でも医師不足の病院に9年間勤務する必要があります。合格最低点は通常の一般枠よりちょっとだけ低めとなっています。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 100 50 100 100 100 450
二次 300 300 300 100 1000

数学の分析<120分・5問> 

満点300/H265/M210/L190

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 大問5問構成で、制限時間は120分の試験です。全体的な難易度は標準からやや難程度です。大問のうち3問は薬学部や工学部などの学部と共通問題で比較的取り組みやすく、残る2問が理学部の数学・情報数理学科でも出題されている難易度の高い問題となっています。年度によっては、医学部専用問題があり、その場合はたいがい数3微積分の問題となっています。手順はシンプルなものの、発想力を必要とする問題が多く、数学が良く出来る人であれば、良く練られた良問といった印象を受けるでしょう。全体的に、ボリュームはほどほどです。作業量や計算量は少なめですが、方針を立てる段階、及び論理的な記述解答を仕上げる段階で時間を要する問題が多くなっています。特に思考力や論証力を要する後半の難問は、20~30分の時間で完答まで持ち込むことは極めて困難でしょう。とはいえ、方針さえ立ってしまえばさくさく解答できる問題も多く、難易度の高い問題で躓いて時間を大幅にロスしなければ、時間が著しく足りなくなることはないでしょう。ベクトル・数列・複素数平面などが頻出分野で、次点で数3微積や確率の出題頻度が高くなっています。思考力を要する問題が多く含まれているとはいえ、典型問題や標準問題の対策を疎かにしてはいけません。標準的な問題集で標準問題の解法を抑えるのは必須で、短時間で標準問題を解答できる基礎力が無ければ、難問に取り組む時間を捻出することが出来ません。基礎力をつけた上で、はじめてアウトプット演習になりますが、まずは、下位旧帝大や地方国公立大レベルの問題で標準問題の得点力を確実にしたうえで、思考力や論証力を養成するため、東大・京大・名大・一橋大などの過去問演習、及びそのレベルに相当する難問系問題集も、差をつけていくためには有効な対策と言えます。数学が得意だとどこまでも高みを目指せるセットとなっていますが、現実的には標準問題+αで乗り切る受験生が恐らく多いんじゃないでしょうか。

英語の分析<80分・3問> 

満点300/H230/M200/L180

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 80分の試験で、大問は3問で、2問が長文、1問が英作文です。長文のジャンルは殆どが理系に偏っているため、語彙なども理系に偏らせて覚えていっても良いかもしれません。長文の内容そのものの難易度は、1問は理解しやすく、もう1問は難しくなっており、難易度の傾斜があります。設問は様々な形式があるものの、メインは記述問題で、内容説明問題の割合が多くなっています。どこをピックアップして説明すべきか考えこんでしまう設問が多く、国語の現代文のような設問形式といったイメージです。ボリュームはほどほどですが、ある程度テンポよく進めていかないと時間が足りなくなることもあるでしょう。英作文は、最近の傾向としては長文の穴埋めといった形式で、文意にあうように自由に穴埋めするもの、または、短文の言い換え問題の形式で文法問題チックなものの2種類が出題されています。どちらにせよライティング力としては高いレベルを要求されておらず、高校入試で出てきてもいいくらいのレベルです。千葉大の英語の対策としては、記述問題を多く含む理系ジャンルの長文読解問題を数多く解いていくことで読解力と記述力を鍛えていくことが最も重要でしょう。英作文対策は、例文暗記など軽い対策で済ませ、コストパフォーマンス重視で乗り切りましょう。

化学の分析<50分・4問> 

満点150/H140/M130/L120

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で100分なので、化学には50分割けることになります。大問4問構成で、理論が2問、有機が1問、高分子が1問です。ただし、最新の令和2年度では高分子の出題が無くなっていることを補足しておきます。問題のレベルはやや易しい~標準レベルの問題で、時間さえ確保できれば満点も狙っていけるレベルの問題です。物理や生物をコスパ重視でさくさく進めていけば、化学に多くの時間が割けるでしょう。とはいえ大問4問あるので、50分で解ききるにはやはり時間制限の厳しい試験となります。数は少ないものの、重めの計算問題も含まれており、つまずいてしまうかもしれませんが、つまずいてしまったら潔く飛ばして次の問題に行きましょう。たぶん、次の問題の方が簡単ですw例年、生体高分子の分野が必ず出題されていましたが、令和2年度の問題では高分子の出題が無くなっています。他の問題は易しい問題が多いものの、制限時間は厳しいので、重要問題集など標準的な問題集を周回して、即答できるようにトレーニングを積んでいきましょう。満点を狙っていくには、難問を解くというよりは、無機や有機、生体高分子の細かい知識をきちんと固めていき、漏れのない学習を進めていくことが必要でしょう。机の前でしっかり勉強するほどのものではないですが、通学や休み時間の空き時間に、教科書や資料集の気になったところを眺めておくくらいのことはしておいても良いでしょう。

物理の対策<50分・3問> 

満点150/H115/M100/L85

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン。この年度(H31)の難易度はかなり難しめ。) 

 理科2科目で100分なので、物理には50分の時間は割けます。大問3問構成で、難易度はやや難、といったところです。50分しか時間がないのに、設定が複雑な問題が目立ち、計算力や思考力の必要な問題もしばしばあります。勿論標準レベルの問題も多いですが、難しい問題の比率も決して低いわけではありません。時間はたいへん厳しく、各大問の難しい最後の方の小問は飛ばしていくほうが得策です。出来る問題を見極め、確実に正答する能力が必要です。時間があまりにも足りないため、難問で得点するには標準レベルの問題を短時間で解ききる必要があります。標準レベルの問題を素早く解ききるトレーニングを十分に行った後、難問系問題集に取り組めば若干のプラスにはなるでしょう。

生物の対策<50分・3問> 

満点150/H135/M110/L100

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 理科2科目で100分なので、生物には50分程度の時間は割けます。大問3問構成で、発生と分子生物学が極めて頻出となっています。その他、生態や体内環境などが次点で頻出分野となっています。植物生理が出題されたことはここしばらくありません。概ね標準的ですが、頻出分野の発生や分子生物学との融合問題として遺伝や考察問題が出題され、このあたりの問題で若干の点差がつきそうです。分子生物学で、高校生には殆ど教えないレベルの発展的な内容も出題されており、また全体的に新しいテーマが出題されやすい傾向にあります。50分の試験ですが、考察で悩み過ぎなければ、テンポよく進めていくことが出来るでしょう。化学の方が問題数が多いため、化学に時間を割いていきたいところです。極端な高得点が狙っていきやすいのも化学です。出題分野には大きな偏りがあり、発生と分子生物が頻出なので、この分野だけは、標準問題精講など考察問題集もこなし、他は網羅性の高い標準的な問題集重要問題集や大森徹の最強問題集で済ませる、そんな形が基本になるでしょう。遺伝も一応対策しておいたほうがよいでしょう。「大森徹の生物 遺伝問題の解法」が今も昔も鉄板の参考書です。分野の偏りが激しいため対策もしやすく、若干の考察力が必要なものの考察問題のリード文が極端に長いわけでもなく、また記述量がそう多くないなど、様々な要因が重なり、物理選択に比べると時間的な余裕はできるでしょう。物理が令和2年度では難易度が緩和されており、年度によって調整はあるとは思いますが、やや生物選択有利ではないかという結論に至りました。

地域医療の概況

 千葉県は東京都の隣で、医師が充足しているかと思いきや、一切そんなことはなく、たいへん医師不足の激しい地域であります。人口は多いものの、医師や看護師数の増加がそれにおいついておらず、極めてカツカツの状況です。比較的東京に近い船橋、松戸などでも医師数は極めて不足で、千葉大のある千葉だけが辛うじて全国平均レベルを維持しています。とはいえ東京に近い地域では、少し電車に乗れば、東京都の中でも医師過剰地域に行くことが出来ますから、そういった地域に医療を依存している傾向にあります。房総半島一帯の地域は首都圏の中では相対的に田舎ではありますが、人口が少ない地域とは決して言えず、医療の提供は不十分な地域とされています。都市も田舎も医師不足という、深刻な状況にある千葉県ですが、これから更に医師不足が進行する地域と考えられます。その原因は高齢化の急速な進行です。千葉県の都市部では2010年から2040年にかけて、75歳以上の後期高齢者比率の増加率が100%を超えると予想されており、また、後期高齢者の患者さんは電車に乗って東京の病院まで行けない方も多くなってくるため、東京ではなく、千葉の病院の医師が地域を支えていく必要があります。高齢者医療体制の急速な整備が必要になっていく地域と言えるでしょう。殆どの科で不足傾向であり、眼科や皮膚科などのマイナー科でも不足傾向にあります。

総評

 千葉大学の入試は、数学オタクが数学だけで全てを決めるような戦い方が出来る一方で、英語・化学・生物などの科目で堅実に稼いで合格するといった戦い方も出来、どんなタイプの受験生も、戦略次第で合格が勝ち取れる大学といってよいでしょう。このチャンネルでは、生物選択の受験生を主な対象としていますが、この動画のように医学部受験生に役立つ情報も提供しておりますので、興味のある方はチャンネル登録ならびにツイッターの登録のほうよろしくお願いします。また次回以降の分析対象のリクエストも受け付けておりますので、コメントのほう頂ければと思います。それでは、ご視聴ありがとうございました。

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