京都府立医科大学(医学部医学科) 理不尽な単科医の典型。英強有利。

入試の基本情報と面接

 二次比率は57%です。配点はオーソドックスな配点となっています。面接点は0点で、約10分の面接で概ね一般的なことが聞かれるようです。令和3年度では新たに小論文試験が課されることが決定しました。今のところ配点は発表されておりませんが、面接も0点なので、恐らく、あまり重視されないのじゃないかと思います。最新の情報は大学ホームページをご覧ください。公民は1科目受験可で、すなわち、倫理、政経、現社、それぞれ1科目での受験が可能です。

  国語 社会 数学 理科 英語 面接 合計
共通 100 50 100 100 100 450
二次 200 200 200 600

数学の分析<120分・4問> 

満点200/H120/M100/L80

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 全体的な難易度はやや難レベルです。全体的に典型問題は少なく、重厚な問題が多くなっています。各大問が2~4問の誘導小問からなり、後半になるにつれて難易度が上がっています。制限時間は120分あるものの、ボリュームはかなり多い試験です。思考力・計算力・論証力の全てにおいて高い水準が求められる問題が多く、方針立て、計算、解答作成の各段階で相当な時間を要しますが、その中でも特に計算量の多さが群を抜いています。令和2年度では最もやさしい問題は大問1でしたが、そこでさえ計算量がものすごいことになっています。出題分野については偏りはなく、強いて言うなら数3微積が毎年出題されているといった程度です。複数の分野の融合問題も多く、令和2年度に至ってはデータの分析の出題までありましたから、あまり偏った勉強をしないほうがよさそうです。京都府立医大の数学の対策としては、重厚な問題も多いものの、各大問の前半の小問を中心に、標準問題の発想で解ける問題も少なくないため、青チャや1対1対応の演習など、標準的な問題集をきちんと固めておくことは必須になります。アウトプット演習は名古屋大、阪大など上位旧帝大レベルの問題や、滋賀医大、和歌山県立医大、東京医科歯科大などのいわゆる単科医大系列の過去問もお勧めです。アウトプット演習では、計算力・論証力・思考力といった数学の基礎的な力を養うことももちろん重要ですが、各大問の難易度を見極め、点数を取れるところから取っていく姿勢も、重視してください。「解けるはずの問題」を全て点数に還元出来るよう、試行錯誤をしてみてくださいね。計算力さえどうにかなればLowのラインにはどうにか到達します。MiddleやHighのラインまで到達させるには思考力を問う問題を拾っていく必要があります。どの水準まで得点が必要かよく考えて、普段の勉強内容も見直してください。

英語の分析<120分・4問> 

満点200/H140/M120/L95

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 
※動画のラインよりMを5点あげています。

 120分の試験で、大問は4問です。長文が3問、自由英作文が1問の構成です。長文については、語彙は標準レベル、内容は標準からやや難レベルです。内容は重厚なテーマも多いのですが、語彙は高校生が読めるレベルにまで下げてくれているようです。ジャンルも、単科医大だからといって医学や生物学ばかり出るわけではなく、むしろ文系ジャンルの方が少し多めに出題されているようです。大問1と大問2はほぼ記述問題で、日本語で答えさせる問題以外に、英語で答えさせる問題もありますが、いずれも本文中の抜きだしで解決できるレベルの設問が多く、内容が理解できていればすらすら解答できるように思います。大問3の長文の設問はややくせ者です。正誤判定問題なのですが、TrueとFalseの他に、N、Not mentionedがありますので、最終的な判断には時間を食います。ボリュームの多い試験なだけに、ここがいかに手際よく処理できるかで得点差がつくと考えられます。大問4の英作文も200ワードの超大作を要求されています。京都府立医大を第1志望にしている受験生は、この超大作自由英作文の対策を早い段階で進めておきたいところです。全体的にボリュームはかなり多い試験です。事前に対策を入念に行い、手際よく設問を消化していきましょう。個人的には、大問3を後回しにするのをお勧めします。大問3は3択の問題なので、いざとなれば、適当にアルファベットを埋めておけば、3分の1の確率で当たります。

化学の分析<75分・3問> 

満点100/H80/M60/L45

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 
※動画のラインよりMを5点さげています。

 理科2科目で150分なので、化学には75分割けることになります。大問3問構成で、理論が2問、有機が1問で出題されることが多いようです。無機は理論の大問の一部、高分子も有機の大問の一部として出題されることが多いようです。全体的に問題はやや難レベルです。初めのほうの問題から、素直に点数を取らせない問題が多く、面食らう受験生も多いとは思いますが、問題の色々なところにヒントや誘導が散りばめられており、そのヒントや誘導に気づくことが出来れば、意外とさくさく問題が解けていくんじゃないかと思います。ある程度以上の実力のある受験生であれば、理不尽級の問題をきちんと見抜いて飛ばすことが必要にはなってくるものの、意外と高得点が狙えるセットになっているともいえます。時間も75分で大問3問なので、ある程度は、じっくり考える時間も取れます。一方で、複数の分野の融合問題も多く、化学の全分野を一通り理解していないと、せっかくあるヒントや誘導に気づけないということも多いでしょう。化学の勉強量が少ない現役生などでは、手も足も出ない問題も多いかもしれません。京都府立医大の化学の対策としては、重要問題集などの標準的な問題集に加えて、化学の新演習などやや難易度の高い問題集まできちんと仕上げたいところです。この問題集には、ぱっと見斬新な設定の問題を、高校化学の基本的な法則を用いて解き明かしていくタイプの、難易度の高い問題も多数含まれており、京都府立医大の対策としてはうってつけでしょう。(追記:年度によっては有機の大問が理不尽級に難しい場合がありますので、有機に依存した点の取り方ではパフォーマンスが不安定になります。理論のほうがまだ素直に取りやすいので、理論で稼いでいくスタンスの方が安定します。)

物理の対策<75分・3問> 

満点100/H70/M60/L50

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン) 

 理科2科目で150分なので、物理には75分の時間は割けます。大問3問構成で、1問は力学、1問は電磁気、もう1問は熱か波動、たまに原子という構成になっています。全体的な難易度は標準からやや難で、各大問の前半が標準、後半になればなるほど難易度が上がっていきます。良い感じの難易度傾斜になっており、標準問題が解けるかどうかでまず差が付き、やや難レベルの問題を解けるかどうかでもさらに差が付きます。時間の制約もあまり厳しくないので、やや難レベルの問題を解くための時間も作りやすいように思います。京都府立医大の物理の対策としては、まずは苦手な分野を作らないため、重要問題集や名門の森などの標準レベルの問題集をきっちり完成させましょう。各大問の後半の問題で差がつくとはいえ、前半で落としてしまうと目も当てられません。そのうえで、標準問題精講や、難系統問題とその解き方、などといった難問系問題集に手を出しても構いません。

生物の対策<75分・4問> 

満点100/H85/M65/L50

(H:極めてその科目が得意な人のライン M:合格者平均予想ライン L:合格者最低点予想ライン)  

 理科2科目で150分なので、生物には75分程度の時間は割けます。大問4問構成で、出題分野には大いに偏りがあります。分子生物、体内環境はほぼ毎年出題されており、体内環境に至っては1年で2問出題されている年まであります。生態学や植物生理などの出題はほとんど見られません。難易度は標準からやや難で、超典型という問題こそないものの、そこまで深く悩む問題もありません。知識メインで問われる問題は大問1問程度で、残りの3問は考察メインで問われる問題になっています。京都府立医大の生物の対策としては、標準的な問題集をこなした後に、標準問題精講などの考察系問題集を、丁寧に1周こなすところまでは仕上げたいところです。ただし考察系問題集は生態や植物生理はカットしても構いません。最悪、時間がなければ、分子生物と体内環境の2分野で攻めても構いません。また、遺伝もちょいちょい出題されているので、遺伝対策はぜひとも行いたいところです。化学だけが群を抜いて難しいので、物理&生物、といった、変わった理科の選択の仕方も、ぶっちゃけアリです。該当する受験生は一度検討してみてください。

地域医療の概況

 京都府における人口当たりの医師数は過剰と言ってよい状況です。しかしながら地域偏在は非常に激しく、京都市とその周辺に医師が一極集中しています。その煽りを受けているのは木津川市などの南部地域で、アクセスの改善などで今後人口が増加すると予想されているにもかかわらず、極めて医師数が少ない状況です。この地域の住民は、奈良市までのアクセスがよいため、奈良まで電車に乗って通院することも多いようです。意外にも、舞鶴や福知山といった、北部の日本海側の都市では比較的医師数が充足しているようです。診療科偏在については、比較的どの科も足りてはいますが、相対的に不足気味なのは、精神科、脳神経外科、心臓血管外科、産婦人科などがあります。

総評

 京都府立医科大学の入試は、理科が全体的に難しいものの、時間もたっぷりあるので難問対策で差がつくということ数学は相変わらず極端な難問が多くあまり差がつかない試験であること英語は傾向が徐々に変化し今では速読型の試験となっていること、などが抑えておきたいポイントになってくるでしょう。難関の医学部であるものの、意外と数弱の人が出願しやすい大学の1つと言ってよいでしょう。

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