逆転写酵素とRT-PCR

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逆転写酵素とRT-PCR

 分子生物学のセントラルドグマによれば、DNAからmRNAへ遺伝情報が①転写され、mRNAからタンパク質へ②翻訳されるが、mRNAからDNAを③逆転写する酵素が存在する。それを④逆転写酵素と呼び、⑤レトロウイルス科(⑥ヒト免疫不全ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルスなど)に属するRNAウイルスが持つ。(④逆転写酵素を持たないRNAウイルスも多く存在する。⑦RNA依存性RNAポリメラーゼと呼ばれる酵素でRNAゲノムを複製する。)

 この逆転写酵素はバイオテクノロジーのツールとしてよく用いられている。生物からmRNAを抽出し、逆転写酵素で処理した後、目的とする配列をPCR法で増幅させることを⑧RT-PCR(RT: Reverse Transcription)と呼ぶ。RT-PCR法では、通常のPCR法にはないメリットが存在する。例えば、

・⑨イントロンを除いた成熟したmRNAの配列が分かる

・実際に転写を受けたmRNAの配列が分かる

・⑩RNAウイルスの検出が出来る

吸光度計でDNA量を定量しながらPCR法を行うと、元の鋳型DNA(またはmRNA)の⑪量を見積もることが出来る。このような手法を⑫リアルタイムPCRと呼ぶ。

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